BMI
684例の後ろ向き研究。10年のフォローで再置換の独立した危険因子であった。またBMI35以上は術後感染や合併症のリスクが高かった。
喫煙
スコアマッチングをすると、喫煙者は術後30日間での感染、再入院の危険が高かった。
手術アプローチ
DAA
ある施設で手術を受けた76%の患者がDAAについて知らなかった。手術についての情報は主に口コミなどで伝わっていた。今まで報告された論文よりも手術アプローチの影響は少ない。
アメリカでは20%の術者がDAAを行っている。早期回復、疼痛の減少が言われている。その他のアプローチに比較して、術中骨折、ラーニングカーブがあることが知られている。まただいたい神経麻痺のリスクがある。完全に神経障害が回復するのは75%の患者である。また強直性脊椎炎の患者でDAAをおこなったところ重大な合併症を生じている。(脊椎脱臼骨折)このような患者は側臥位で手術したほうがよい。
4651例の後方アプローチ。後方アプローチは他の方法と比較して感染が多いと言うわけではなかった。DAAは創治癒不全の率が高いとする報告がある。ALSはDAAに比べて神経障害の発生が少ないと言われている。
DAAでの放射線被曝は178ミリレムで、レントゲンを1枚取るのよりも少ないということがわかっている。ただし術者への被曝量は不明である。
MIS
今までの16センチのアプローチと比較して10センチ程度の皮切で行われるMISTHAについて、現在のところ明らかなメリットは認められていない
合併症
脱臼と機械的な緩みが再置換の主な原因である。真剣損傷、脱臼、脚長差が患者側からの不満、訴訟要因として挙がっている。
坐骨神経障害
手術部で坐骨神経の剥離を行うと坐骨神経麻痺の回復が33%から65%から92%に回復したとする報告がある。
脱臼
手術中のインピンジメントを避けて、外転30-50度、前開き15-30度で脱臼は減らすことができることができるとする報告がある。
脊椎とTHA
脊椎固定とTHAは現在もっともよく議論されている内容である。
脊椎疾患を有する患者では脱臼する率が高い。脊椎の前湾の消失、THA5年以内の脊椎固定、多椎間固定などがリスクとして挙がっている。脱臼患者では脊椎の屈曲、骨盤の傾斜の変化が減少していると言われている。
脊椎と骨盤の関係と寛骨臼コンポーネントの設置についての検討が必要である。
感染
感染率はほど一定で変化がない。人工関節感染後の死亡率は普通のTHAよりも8%死亡率が高くなる。エンテロコッカスに罹患すると死亡率が他の細菌群よりも高い。
危険因子としてはメタルオンメタルが感染率が高いと言われている。ヘモグロビンA1Cが7.5%から7.7%より高いと感染が高くなると言われている。7%以下を目標としたい。または随時血糖292以下。
MRSAが鼻腔などから検出された患者では検出されない患者よりもMRSA感染のリスクが高い。
PJIの診断には関節液中の白血球3966以上、好中球80%以上。ジンマーからでたシノバシュアは診断の一助となりうる。D-dimerも感染の有無を判断する手助けとなる。尿検査用の白血球検査紙での検査も使用は可能であろう。
治療は抗生剤含有セメントを8週間留置することによる。抗生剤投与による合併症が生じていないかの確認が必要である。セメントスペーサによるトラブルにも注意が必要である。骨折などの可能性がある。二期的再置換術後に3ヶ月間の内服を加えることで感染の沈静化がはかれたとする報告もある。
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