2014年8月23日土曜日

20140823 BJJ Pre-operative function, motivation and duration of symptoms predict sporting participation after total hip replacement

<論評>
原文を引いていただくとわかりますが、図の中の数字のミスが多発。本文中の数字と図の数字が違っています。表1の意味なんかもまったくわからないですし。。
なんでこの論文が載ったのかまったくわからないレベルです。読んじゃったけど。(苦笑)
THAとスポーツについて調べているヒトが参考文献を探すのに役に立つ程度の内容でしかありません。


術前の機能、モチベーション、症状の持続していた期間がTHA術後のスポーツ活動に影響を与える。

今までにTHA後のスポーツ活動レベルについて述べた報告はほとんどない。本研究の目的はTHA術後のスポーツ活動レベル、第二にスポーツ活動を再開するかどうかに影響する因子はなにか、第三にスポーツを満足度との間に関連があるかどうかを調べることである。後ろ向き、815例の検討。1995年から2005年までに行なわれたTHAを対象とした。自己記入型アンケートにてスポーツアクティビティについて聴取。571例について検討を行った。平均フォロー期間は9.8年。366例がUCLAスコア5以上のスポーツアクティビティに復帰していた。スポーツを控えた主な理由は脱臼が怖いと回答したのが65例31.6%、摩耗しないようにしたいというのが52例25.4%、術者に辞めるようすすめられたというのが34例16.6%であった。術後スポーツに復帰するための因子は、術前のharris hip scoreが高いこと、スポーツに対するモチベーションが高いこと、罹患期間が短いことであった。年齢とUCLAスコアと術前のharris hip scoreと満足度との間には相関が認められた。
結論としてTHA術後に多くの患者がスポーツに復帰していることがわかった。参加レベルは術前の機能、モチベーション、罹患期間が短いことと関連しており、また術後の満足度とも相関していた。

はじめに
THAは整形外科手術の中でももっとも成功しているもののひとつである。THAは今後手術数が増加することが予想され、疼痛除去だけでなくより高いスポーツレベルへの復帰も求められている。多くの患者の作成したウエブサイトをみると、THA後のスポーツ復帰が重要であることがわかる。しかしながら今までTHA後にスポーツにどの程度、どのレベルで復帰したかという報告はない。多くの研究ではTHA後にスポーツに復帰したかどうかのみを調査しており、実際にどの程度活動しているかを調べた報告はない。本研究の目的はTHA後にどのレベルで復帰しているかを調査し、その次にスポーツ復帰が可能であるかの術前予測因子を明らかにし、第3にTHA後にスポーツをしているかどうかと患者満足度の相関を調査することである。

対象は1995年から2005年までにOA、IONなどに対してTHAを受けた1084例のうち回答が得られた815例。
この内の70%、571例から完全回答を得た。(図1)
ワトソンジョーンズアプローチ。セメントレスインプラント。UCLAスコア、HOOSを聴取。
2007年の段階で患者たちはどの程度スポーツに参加しているかを調査されていた。またスポーツに対する意欲、満足度もアンケート調査
平均61.3歳。平均BMI27、平均罹患期間は41ヶ月。アンケートまでの平均フォロー期間は10年。
THAに至った理由は疼痛が84.9%、ADL制限が61.9%、ROMの制限が42.9%、医師に勧められたのが30.9%、スポーツへの復帰を希望するのが23.9%であった。

結果
366例の患者がUCLAスコア6位上のスポーツへの復帰が可能であった。平均UCLAスコアは6.8であった。(図2)
HOOSはスポーツが81、疼痛が81.3、症状が88、ADLが85.2、QOLが82.8であった。(図3)
スポーツに復帰しなかった理由は脱臼が怖いのが31.7%、摩耗をさけるためが25.4%、医師の指示にしたがってというのが16.6%、こわばりが16.6%、痛みの残存が11.7%であった。(図4)
AAHKSのオススメでオススメ出来ないスポーツに復帰している患者が全体の26.6%であった。復帰したスポーツはジムが72.4%、ストレッチが63.9%、スイミングが57.5%であった。バスケット、サッカー・テニス、ゴルフ、セーリングなどのスポーツは控える傾向にあった。(表1)
術後スポーツに復帰するかどうかの術前の因子は、術前のHHSが高いこと、スポーツへの復帰の意欲が高いこと、手術までの罹患期間が短いことが挙げられた。HOOSのスポーツスコアとUCLAスコアは関連を認めなかった。
THA術後88.9%の患者が満足していた。年齢、UCLAスコア、HHSスコアが満足度と相関していることがわかった。(表2)

考察
THAの患者さんのなかの何割かはスポーツに復帰することが目的という人もいる。スポーツへの復帰はTHAを受ける理由のうちの一つとなる。今までにTHA術後のスポーツへの復帰についての調査がある。またエキスパートによるrecommendationもある。TKA術後のスポーツ復帰についての報告は多数たるものの、THA術後のスポーツ復帰の報告は少ない。術者のしらないところでTHA術後の患者さんはスポーツに復帰し、またそのような患者さんは高いモチベーションを持っているものと推定された。本研究はいくつかのlimitationがある。ひとつは後ろ向き研究である。回答が得られた例はより熱心な例であるバイアスがかかっている可能性がある。しかしながら本研究では術前のアクティビティを取得してあったのでその問題は回避できているかもしれない。第2のlimitationはスポーツアクティビティについての強度、期間などを聴取できていないことも問題である。これはUCLAスコアでは一応スポーツの頻度も聴取されているので解決出来ている問題と考える。
THA術後にhigh impact sportsを行うことの潜在的な危険性が指摘されている。ジョギング、バスケットボールなどはコンポーネントが破損する可能性が高いので禁止したほうがよいとする報告がある。一方スポーツをすることでbone ingrowthが進み、健康全般には良い影響を与え、肥満を防止できるのでは無いかとする報告もある。本研究で明らかになった重要な点は患者は術者の指示を無視して高いレベルの運動に復帰している可能性があるということである。
平均のUCLAスコアは6.8であった。これはサイクリングのような運動を定期的におこなうことができるレベルである。この値は他の報告とほぼ一致している。復帰率は多の報告で76%とされている。本研究も同様であった。27%の患者が推奨されないスポーツを行った。
THA後にスポーツを行う人は高いモチベーションと高い期待感を持った患者さんであると考えた。TKAの場合でも同様の結果であるという報告があった。男性であること、痩せていること、術前のUCLAスコアが高いことが術後の復帰因子であるとする報告がある。THA術後の患者でもUCLA7位上にたもっている患者が全体の12%いたとする報告がある。本研究とこの報告との違いはフォロー期間によるものでは無いかと考えている。
術前の期待度が術後の満足度と関連するとする報告がある。本研究では若くて活動性の高い患者では満足度が低くなるという相関を認めた。これは高い運動能力をもった患者では術後も同様の能力を期待するからであろう。
術後6ヶ月間は運動を禁止している。また32ミリのセラミック骨頭とハイクロスリンクのポリエチレンを使用している。摩耗量は荷重と活動性に関連するであろう。

多くの患者がスポーツに復帰することがわかった。スポーツ復帰の予測因子は術前機能と罹病期間であった。満足度とスポーツ復帰は関連した。患者にこのような情報を与えることは重要なことである。

2014年8月19日火曜日

20140819 Annals of Internal medicine One-Year Outcome of Subacromial Corticosteroid Injection Compared With Manual Physical Therapy for the Management of the Unilateral Shoulder Impingement Syndrome

<論評>
RCTってしっかりデザインすれば結構簡単にできるんじゃね?しかもImpact factor 16!の雑誌に載るなんて素敵じゃね?ということで読んでみました。
日常の疑問を研究にする。これが基本かもしれません。


抄録
肩のインピンジメント症候群に対してステロイド注射、理学療法はともに治療として用いられるが今までにその2つを比較した報告はない。本研究の目的はこの2つの治療法のいずれが有効かということを比較することである。無作為割付、シングルブラインド、による並行比較試験。セッティングはアメリカの軍人病院ベースの外来患者を対象としている。2010年から2012年まで。18歳から65歳までの104人の片方の肩関節インピンジメントの患者。2群に分け一方には40mgのステロイドをSABに注射。もう一方は6つのセッションからなるリハビリテーションを行った。プライマリーエンドポイントはShoulder pain and disability score(SPD)の評価。セカンドアウトカムからGlobal rating system、NRSによる疼痛評価を行った。結果、2群とも1年でSPDは50%程度回復した。2群間に差は認めなかった。GlobalRatingシステム、NRSによる疼痛評価は2群とも改善を認めたが、2群間に有意差はなかった。1年後のフォローアップで、注射群のほうがより頻回にクリニックを受診していた。(60%と37%)。さらなる注射を必要とした例は38%と20%。19%が理学療法を行った。肩関節へのステロイド注射の合併症は注射するときのいたみだけであった。Limitaitonは1施設による検討であること結論 2群とも有意に改善を認めた。リハビリ群はステロイド注射群に比べて医療機関の利用回数が少なかった。
はじめに
肩関節インピンジメント症候群は肩周辺の腱板損傷、腱板炎、肩関節内の関節包炎などを包括している用語である。一般に5-30人/1000人年に発症するとされている。
保存療法としてはステロイドの関節内注射、理学療法が行なわれる。肩関節下へのステロイド注射は整形外科医、リウマチ科医、一般医によっても最もよく行なわれる手法の一つであるがその長期的な硬化においては疑問がある。腱板断裂を伴わない腱板損傷の患者に対してのステロイド注射についてはガイドライン上でも推奨も否定もできないとなっている。近年のsystematic reviewでは肩関節インピンジメント症候群に対するステロイド注射については短期間での効果はありそうだということとなっている。一方、理学療法も肩関節インピンジメント症候群に対しては有効であると報告されている。最新の2つのシステマティックレビューでは理学療法の意義についてははっきりとしたエビデンスがなく、今後の研究が必要であると結論づけられている。肩関節インピンジメント症候群の患者ではどのタイミングでリハビリを開始したほうがよいかということも一定では無く、初診時に理学療法が行なわれるのは24%にすぎない。肩関節の注射ごのリハビリの効果の有無についての報告はいくつがあるものの、今までに注射とリハビリを直接比較した報告はない。本研究の目的は肩関節インピンジメント症候群における1年後の臨床評価の比較を行うことである。
方法
一重盲検無作為割付試験。プライマリーエンドポイントは1年後のShoulder pain and disability score。(SPADI)。セカンダリーエンドポイントとしてはGlobal rating scale of change(GRC) とNumeric pain ratio scale(NPRS)を用いた。その他臨床試験のお作法に従い、IRBの承認を得て研究を行っている。
Material and method
片方の肩関節のいたみのためにMadigan Army Medical Centerの外来を受診した18歳から65歳までの患者。肩関節の脱臼、骨折、凍結肩の患者は除外。SPADIが20%以下の重症な患者、頚椎症が少しでも疑われるような患者、腱板断裂が疑われるような患者、訴訟を抱えているような患者、3週間の外来受診が困難な患者は除外した。患者は軍人とその家族である。研究に伴う患者の追加出費はないものとした。
一重盲検法。コンピュータによって無作為化された。被検者と治療者は治療方法を知っており、評価者のみが知らないという状態とした。一般医による治療を容認できる被験者を対象としている。
リハビリ群
初回のセッションではPTが身体所見をとる。リハビリ群の介入は関節と軟部組織のimmobilizationが主体である。ストレッチ、神経筋協働訓練、筋力強化訓練(肩関節周囲から脊椎まで)。被検者はまったく同一の治療を受けたわけではなく個々の障害に応じた治療を受けた。3週間にわたって週2回ずつ実施された。また自宅での訓練の方法も提供した。PTはすべてアメリカPT学会の認定を受けていた。
ステロイド注射群
SABに40mgのトリアムシノロンを注射した。被験者にはステロイド注射によって起こるであろう副作用についての冊子を渡しておいた。合計3回のステロイド注射が1ヶ月以上の間隔を開けて実施された。患者には自宅での振り子運動を指導された。
患者は少なくとも最初の1ヶ月はできるだけ病院に来ないように申し渡されていた。施術後1,3,6ヶ月で追加治療を希望する際の連絡先を書いた紙を渡された。連絡すると研究のコーディネーターが出て、リハビリ群は更にリハビリを頑張るように、注射群はもう一度注射に行くように説得するような仕組みになっていた。もし患者が最初の紹介医のところに戻りたいと希望した場合には紹介医のもとでベストと思える治療が行なわれるようになっていた。
アウトカムとフォローアップ
アウトカムは、1か月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後で行った。SPADIは100点満点の患者立脚型評価である。
GRCは患者が自分自身のQOLについて変化した具合を測定する方法。
NPRSとは0-10ポイントで患者が感じるいたみの程度を調査者が聴取する方法である。
リサーチアシスタントがブラインドでデータを集めた。データ収集後追加治療について記載した。家庭医、整形外科医、リウマチ科医の下を訪れた回数についても記載を行った。
統計学的評価
最初にSPADIでの変化量を予想してサンプルサイズを決定。43例で充分であると判断した。欠損データには多重代入法を用いた。95%信頼区間を用いて評価をおこなった。
結果
22ヶ月間の研究機関。242例の保存的治療の患者が抽出されたが、138例の患者が除外された。除外された理由は図1のとおりである。
表1に患者背景を占める。リハビリ群でステロイド注射群よりも喫煙率が倍高かった。
ステロイド注射群の全患者が少なくとも1回はステロイドの注射を受けた。38%の患者が2回以上のステロイド注射を希望した。リハビリ群では6患者が最大の6回のリハビリテーションを受けた。リハビリ単位数の最大は6,平均5.5であった。
1年後のアウトカム
図2参照。96%の患者が1年後の評価を受けにきた。いずれのグループもSPADIで50%以上の改善を認めていた。いずれの群がすぐれているということが言えなかった。それぞれの評価ポイントでの違いについて表2に示す。欠損値に対して統計学的処理を加えてもこの結果は変わらなかった。いずれの群でも有害事象は報告されなかった。
医療機関の利用について
図3に医療機関利用程度について示す。ステロイド注射群が医療機関を頻繁に利用した(60%)なに対し、リハビリ群では37%と低率であった。MPTグループはステロイド注射軍よりも追加治療としてステロイド注射を使用した割合が低かった(20%と38%)。本研究以外でも治療をうけた部分まで含めると、ステロイド注射群は合計4回注射を受けているのに対して、リハビリを受けた群で注射を受けた群は合計3回で、その割合も19%と9%とリハビリ群の方が少なかった。
考察
どちらの治療法をおこなっても1ヶ月で症状は有意に改善し、その後その状態が持続した。多くの報告が12週間程度の短期間の報告で、1篇だけが1年間の長期フォローの報告であった。コントロールのないケースシリーズの報告ではステロイド注射の1年後の満足度は88%であると報告されており、またメタアナライシスの結果では12週を過ぎると注射の効果がなくなるということを報告している。
ステロイドの関節内注射の長期成績は疑問視されていた。また同様に潜在的な有害事象が有ることも知られている。例えば上腕骨外上顆炎の患者で、ステロイドの局所注射、リハビリ、経過観察群、プラセボ注射群で比較すると短期的にはステロイドの局所注射群が最も効果的であるが、1年経過したところではプラセボグループ、経過観察軍よりも成績不良となる。本研究ではこれらの結果と異なる結果となった。しかしながらステロイドの関節内注射の安全性については未だに議論が残る。しかも症状の消失が病態の進行を抑えているわけではないことにも注意を要する。ラミレスらは腱板断裂が遺残していてもステロイド注射によって症状が消失する例があることを報告している。今後病状の進行についても両群間で比較を行うことが必要である。
長期間にわたってのリハビリの効果というものはよく知られている。しかしながら今回の結果ではステロイド注射群と同様の成績であった。よく似た研究としてはステロイド注射群と鍼治療を行った群での1年後の比較であった。2群とも改善を認め、その改善度には2群間で有意差を認めなかった。本研究とはアウトカムが異なるため一概に同一の結果とは言えない。他にもグループ単位でリハビリを行った群とステロイド注射群との間に差がなかったとする報告がある。
ステロイド駐車群では医療機関を受診する回数がリハビリ群よりも多かった。ステロイド注射群の38%が2回以上の追加注射を必要とした。一方、MPTグループの20%がステロイド注射を追加で受けた。リハビリグループは追加の維持リハビリを要求されることはなかった。リハビリ群の4患者が追加リハビリを、ステロイド注射群の10患者が追加リハビリを希望した。この追加リハビリによってより疼痛、昨日の改善をみた。
肩の状態に関連するその他の因子としては社会、精神的な問題、恐怖心、疼痛回避のためにある動作を取らなくなることなどが挙げられる。また肩の痛みは不眠と関連している。これらの患者は肥満で有ることが多いが、本研究で2群間の肥満の程度には代わりがなかった。またタバコの使用も肩の痛みにつながることが知られている。リハビリ群の方が喫煙者は多かった。また軍の訓練経験者がリハビリ軍よりもステロイド群で多かった。軍隊での修練が肩の痛みに影響を与えている可能性もある。しかしながら軍退役後20年ということは、引退は38歳ということになり、退役した年齢よりも高いため関連は薄いものと考える。
ステロイドの関節内注射は比較的安全であった。有害事象としては一時的な痛み、皮膚の色素沈着が認められた程度であった。ステロイドの関節内注射によって腱板の全層断裂が引き起こされる可能性がある。リハビリではそのような有害事象についての報告を認めなかった。これは一つに注射を嫌がるヒトは本研究の選定段階で除外されていることも関連するのかもしれない。リハビリはより危険の少ない方法であるといえる。
本研究にはいくつかのlimitaionがある。一つは患者、医師ともブラインドがかかっていない状態で治療を行っていることである。これは介入としてリハビリを行うため仕方ないのであるが、そのため本研究は一般的な外来診療と異なるサンプルを対象としてしまっている可能性がある。また幾人かの患者はすでにリハビリを受けて閉まっていた。また注射を希望しないということで研究から除外された患者はすでにリハビリを受けていたということもバイアスがかかっている一つの証左である。
その他のlimitaitonとして肩関節インピンジメント症候群の診断の問題がある。本研究では以前報告された方法を用いて肩関節インピンジメント症候群と診断した。画像を診断に用いると、とくにMRIで症状がないのに異常所見が認められることがある。またdrop arm signがない症例を対象とした。これは全層の腱板損傷の患者を除外するためである。ステロイドの局所注射、リハビリともに腱板の全層断裂に有効である可能性がある。本研究ではより患者の層を均質化するためにこれらの患者を除外した。コクランライブラリーでは大きな腱板の全層断裂では治療方針が変更される可能性があるのでスクリーニングが必要であるとしているが、本研究では腱板断裂の患者でも比較的容易に症状が改善したため、この意見には疑問が残るとかんがえる。SABへのステロイド注射は肩関節インピンジメント症候群のひとつの診断要件であるからだ。
ひょっとしたら軍人保険外の範疇で何かの治療を受けたかもしれない。しかしながら軍人保険システムはすべての医療費を賄うようになっており、それ以外の治療を受けた可能性は低いものと考える。また本研究ではフォロー時に余分な何かの治療を受けたかどうかを聴取している。
今後の研究課題としては肩関節インピンジメント症候群の新規の症状についてリハビリ群とステロイド注射軍との間で比較することである。またよりよい治療介入の時期についても検討を要する。
リハビリとステロイドの局所注射ではほぼ同様の治療成果をあげた。しかしながらステロイド注射群の方が受信回数が多かった。どのタイミングでどの治療法を提供するとよいかということの検討が今後必要である。