加速度計ベースのポータブルナビゲーションシステムは、膝関節全置換術(TKA)中のアライメントを改善するために最近導入された。この多施設共同前向き無作為化比較試験(RCT)の目的は、臨床現場でのTKAにおけるより正確なアライメントを達成するためのこの加速度計ベースのポータブルナビゲーションシステムの効果を評価することである。5つの病院で実施されたこの前向きRCTには、原発性変形性膝関節症患者100名が登録された。50名の患者にナビゲーションシステムを使用し(ナビゲーション群)、50名の患者には従来の髄内大腿骨ガイドと髄外脛骨ガイドを使用した(従来群)。術後6ヶ月後には、患側全体の立位X線写真を取得した。経験豊富な外科医が、治療の割り当てを盲検化した後、コンピュータソフトウェアを使用して小数点以下1桁までのアライメントを測定した。パワー分析の結果、各群で41例の膝が必要であることが示された。加速度計ベースのポータブルナビゲーションシステムを使用した結果、合併症はなかった。術後のX線写真は各群45人の患者で得られた。性別、年齢、身長、体重、体格指数、術前の大腿骨前庭角度、手術時間に群間で有意差はなかった。大腿骨コンポーネント(p=0.01)、脛骨コンポーネントp<0.01)、股関節-膝-足関節角度(p<0.01)の目標からの絶対差は、ナビゲーション群では従来群に比べて少なかった。脛骨コンポーネントおよび股関節-膝-踵角のアライメント外れ(基準から2°以上離れている)は、ナビゲーション群(それぞれ9%および27%)では、従来群(31%および49%;それぞれp = 0.01およびp = 0.04)と比較して少なかった。本研究は、加速度センサを用いたポータブルナビゲーションシステムを評価した初の多施設共同前向きRCTである。加速度計ベースのポータブルナビゲーションシステムは、手術時間の延長や合併症の発生率の増加なしに、従来の手技よりも正確な冠状面内でのコンポーネント設置と四肢のアライメントをが可能となる。本研究の結果は、整形外科医が加速度計ベースのポータブルナビゲーションシステムを使用するかどうかを決める際の参考になるかもしれない。
<論評>
日本からの多施設共同無作為割付試験。まずこのような研究をデザインして実施したということが素晴らしいです。日本で前向き研究を実施するのは大変ですからね。。。
Knne Alignは良さげな雰囲気ですね。Hipはどうか知りませんが。笑
別のタイプのポータブルナビゲーションとの比較を見てみたいものです。