2011年7月13日水曜日

20110711 JBJS(Am) Reducing Perioperative Blood Loss and Allogeneic Blood Transfusion in Patients Undergoing Major Spine Surgery その5

・MIS
MISを行うことで術中の出血量は減少する。(MEDでもインプランテーションでも。)
しかしながらMISが万能なわけではなく、昔ながらの方法に比べて明らかに難易度が高くなっている。ラーニングカーブもあるので、慎重に適応を検討すべき。

・術後赤血球回収
脊椎手術の分野ではほとんど報告がないため、評価が困難である。
ある報告では同種輸血の量を30%減らしたとする報告がある。
細胞のカス、骨髄脂肪、フィブリン、など有害な物質が紛れ込むことがあるかもしれないが40マイクロのフィルターでこの問題を解決している。
この方法がどの程度費用に見合うのかも不明である。

・輸血基準の厳密な設定を行うこと
近年は輸血の基準が厳格化しており、輸血をどのタイミングで行うかと言うのは議論に成っている。
カナダの集中治療ガイドラインでの輸血に関しての研究では、Hbが7g/dlまで輸血しない群と、いつでも輸血して良い群の2群で死亡率に差がなかったと報告している。
イギリスでは7g/dl以下で、アメリカでは6g/dl以下で強く輸血を推奨。ともに10g/dl以上では輸血は不要と結論づけている。6‐10g/dlでは心筋梗塞などのリスクファクターがある場合には輸血を行うこととしている。
脊椎手術での基準は定められていないが、同様の基準で行えば良いのではないだろうか

2 件のコメント:

  1. 毎度勉強になりまする!
    Op後なら大体8を目安にしますが僕は臨床症状で判断することが多いです。

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  2. ゆうゆさま
    おっしゃるとおりだと思います。大腿骨頚部骨折のガイドラインでも”頻脈、フラつきなどの全身症状を参照すること”とあります。Hbは脱水などではむしろ高く出ますので臨床症状が重要かなと感じました。

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