Combined treatment w/ Corticosteroid injection+Exercise and Manual therapy was similar to exercise and manual therapy Alone for shoulder pain at 12 wks
Question
肩のインピンジメント症候群の患者に対してステロイド注射を行って、運動療法を処方した方がよいのか、運動療法だけで経過を見てよいのか
Patient
40歳以上(平均年齢)232人の患者。セッティングとしてはプライマリーケア(診療所またはクリニック通院)程度。痛みの程度は中から重度の疼痛があり、肩関節の関節包パターンでない拘縮を認める。外旋は25%程度に制限されており、Neer、Hawkins徴候は陽性。
Intervention
レダコート®とキシロカインを混ぜたものを肩峰下に注射してから運動療法を行った群と、運動療法のみとを行った群とに分けた。
主要アウトカム
Shoulder pain and disability Index (SPADI)を用いて12週後に評価を行った。
付随アウトカム
肩関節可動域
結果
1~6週までは有意に注射群の方が改善が得られたが、12週の段階では有意な差がなかった。
考察
インピンジメント症候群の患者では注射をしてもしなくても12週の段階では運動療法群と有意な差はない。
<論評>
”evidence-based orthopaedics”シリーズ第二弾です。
短期間での改善はステロイド投与群で得られていますけど。。と思ってしまいました。表題に引っ張られてい舞いましたねえ。
この原文はBMJからきているようですが、24週の時点でも20%弱の患者さんが問題を抱えていて、72%の患者さんが改善しているにも関わらず治療を継続していたとの記載があったとコメント欄に書いてあります。
原因としては、肩の痛みを診断することのむずかしさが根底にあるのではないかと考えました。
インピンジメントだけではなく、関節包の拘縮、腱板損傷、関節炎なども肩関節の痛みの原因となりうります。なので一概に”リハビリだけしていればよいよ”というのはあまりにも乱暴な結論ではないでしょうか。
以前どこかのSystematic reviewで肩関節の痛み(原因は問わない)にヒアルロン酸の関節注射を6カ月継続するとよくなったとするものがありましたので、そちらの方が実際の臨床の現場に近いのではという印象を持ちました。
運動療法を否定するつもりはありませんが、エビデンスでがんじがらめにされずに患者さんの症状に応じて適切な手段を講じることができる、というのがよき臨床医であると思いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿