2010年12月8日水曜日

20101208 Up to date: Evaluation of the patient with neck pain and cervical spine disorders

Summary and recommendation

・頸部痛、または放散する上腕痛(神経学的所見の有無を問わず)の原因として頸椎がかかわっている場合にはC4から7、とくにC5,6,7の神経根がかかわっていることが多い。
・頸部の捻挫、は睡眠中の姿勢や、習慣などと関連があるとされ、慢性化することはほとんどない。
・頸椎椎間板症による疼痛が頸部痛の最も多い原因とされている。神経学的には正常であるが、頸部の多動による不快感を訴える。
・頸椎症、という用語は頸椎の骨棘や椎間関節の変形を指示しているだけである。レントゲン写真上では頸椎の年齢による変化を指摘することができるが、別にその変形自体が臨床症状とのかかわりはない。
・頸椎椎間関節症候群(むちうち)は頸椎の屈曲進展外傷によって引き起こされる。筋肉、神経、靭帯などがかかわっている、と考えられているが病理学的には明らかになっていない。またそれを評価するための検査もない。
・頸椎症性脊髄症は頸椎の脊柱管の狭窄によって脊髄神経が圧迫を受けている状態である。筋力低下、巧緻運動障害、歩行障害、膀胱直腸障害、勃起障害などが症状として現れる。手術治療(除圧術)が必要である。
・頸椎症性神経根症は別に述べさせてもらう。
・身体所見では動作、頸椎の可動域、圧痛、神経学的所見、誘発テストを行う。
・頸椎のレントゲン写真が必要なのは、外傷、50歳以上の初発の頸部痛、持続する頸部痛の場合である。
・CT、MRIが必要なのは、神経学的な欠損が認められる場合、動作時が極端に制限されるようなひどい頸部痛がある場合、保存療法を6週間にわたって行っても効果がない場合である。
・電気生理学的検査は頸椎病変よりも末梢神経障害を見つけるのに役立つ。頸部痛に対する血液検査はルーチンに行う必要はない
・救急の現場では、頸椎を安静に保つ、神経学的評価を行い、脊椎の圧痛のうむを確認する、そしてレントゲンを撮影する。神経学的な異常が認められた場合には脊椎外科医にコンサルトを行う。レントゲンを撮ったほうがよいかどうかはCanadian spine ruleもしくはNEXUSルールに従うこと。

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