2010年12月2日木曜日

20101202 European spine journal : Surgical treatment of coccygodynia: an analytic review of the literature

尾骨部痛は脊椎末端の疼痛、不快感として定義される.その病因、程度は様々である.外科的手術が治療に有効であろうとは言われている.
尾骨部痛についてのsystematic reviewを行った.
”尾骨部痛ー尾骨切除術”とPubmedで検索し、1980年から2010年までの報告を渉猟した。671例の尾骨部痛にたいして尾骨切除を行った報告があった。
男女比は1:4.4と女性に多かった。直接の外傷に伴うものが270例であった。504例の患者においてその手術成績は優または良、であった。
9例の深部感染症、47例の表層感染症を認めた.他には2例の血腫形成、6例の創治癒不全、9例の創離開をみとめ全体の11%に何かしらの合併症を生じていた.
特発性、何かしらの訴訟を抱えているような症例ではその治療成績は外傷によるもの、出産後からの疼痛にくらべその治療成績は不良であったが、全体の85%で症状の軽減がえられていた.合併症としては手術創に関するトラブルが頻発していた.

<論評>
読んでいただいたとおりです.
手術を行う前にキシロカインテストなどで疼痛が取れることを確認してから行うべきでしょう.

2 件のコメント:

  1. JBJS(Br)の12月に同じ尾骨部痛についてのマネジメントが載っていました.

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  2.  はじめまして。
    尾骨切除に関するデータがネット上にあまり無かったので大変参考になりました。
    私自身も尾骨を骨折しておりまして切除を希望しているのですが、近くの整形外科は
    もちろん 千葉大学病院でも、担当の40歳くらいの医師が「尾骨切除は見た事も聞いた事もない」
    「下手に手術をすると排尿や排便の障害が出ますよ」とのことで取り合ってもらえず
    「痛み止めで様子をみてください」という事になりました。

    尾骨骨折以来、1年以上、足の痺れや不整脈・眩暈・体力の落ち込みなど、酷い状態なもので
    とても痛み止めで我慢できるような状態とは考えられません。
    どこへ行けば手術を受けられるのやら・・・途方にくれています。
    またの尾骨に関する資料や論評などを期待しております。

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