2020年4月18日土曜日

20200417 JBJS Intraoperative Intravenous and Intra-Articular Plus Postoperative Intravenous Tranexamic Acid in Total Knee Arthroplasty A Placebo-Controlled Randomized Controlled Trial

背景
トラネキサム酸(TXA)の術中静脈内投与と関節内投与の併用は、膝関節全置換術(TKA)時の周術期出血量を減少させるために最も有効な投与経路の1つである。しかし、術後のTXA静脈内投与の相加的効果については不明な点が多い。本研究では、TXAの術後反復静脈内投与により、術後の周術期出血量を減少させることができるのではないかと考えた。
方法。
初回TKAを受けた患者を対象とした二重盲検プラセボ対照試験を実施した。術中静注と関節内TXAを併用した100名の患者を対象に、術後1,000mgのTXA静注3回投与群(TXA群)と術後3回の通常生理食塩水静注3回投与群(プラセボ群)を1:1の割合で無作為に割り付けた。主要アウトカムは、患者の血液量と術前から術後3日目までのヘモグロビンの差から計算された周術期出血量とした。サンプルサイズは、200mLの周術期出血量の差を検出するために80%以上の検出率を持つように設定された。
結果。Intention to treat分析において、術後3日目までの周術期出血量はTXA群とプラセボ群で有意差は認められなかった(それぞれ578±229、640±276mL、95%信頼区間-40~163mL、p=0.23)。術後血栓性イベントの有病率は2群間で差がなかった(それぞれ4.3%、3.7%;p > 0.99)。
結論
術後の静脈内TXAと関節内TXAの併用療法を受けた患者では、術後の周術期出血量を減少させる付加的な効果はなかった。

<論評>
北水会病院からの報告。以前から非常にアクティブに臨床研究に取り組んでおられるのは存じておりました。(UMINなどをみてもたくさんのTrialがのっている)
今回は術後に着目した報告。有意差はなかったですが、こういった臨床研究を立案し、それを実行できることが素晴らしいですね。
中はまだ読んでません。また読んだら感想変わるかも


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