2018年3月20日火曜日

20180320 J arthroplasty Measurement of Patient's Perception on Limb-Length Discrepancy Compared With Weight-Bearing Orthoroentgenography in Total Hip Arthroplasty: A Prospective Study

  • 本研究の目的は、THA術後の立位のレントゲン写真と患者の自覚的脚長差について比較検討をおこなうことである
  • 方法は前向き研究。既にTHAを受けた患者を対象とした。足にブロックを挟むことで自覚的脚長差を測定した。立位全長、骨盤のレントゲン写真をX線学的パラメーターとした。違い、相関、信頼性についての調査を行った。
  • 結果 68例の患者が対象となった。立位全長レントゲン写真、自覚的脚長差、骨盤のレントゲン写真それぞれでの脚長差は60%、57.4%、52.9%存在していた。それぞれの長さの違いは充の方法で有意差を認めなかった。感度、特異度を測定したところ、立位全長では感度61%、特異度48%。骨盤のレントゲン写真では感度78.1%、特異度85.2%であった。立位全長と患者の自覚的脚長差の間にはほとんど相関を認めなかった。(相関係数0.22)しかしながら、立位全長と骨盤正面との間には高い相関を認めた。(相関係数0.85)。
  • 結論 患者の自覚的脚長差は立位全長との間に相関はなく、またその信頼性も低かった。術者はレントゲン写真によって脚長差を評価すべきである。


THAの術後に脚長差が生じないように股関節外科医は心を砕きます。
まずは脚長差とは何か?ということを調べた論文である。というように理解しました。
脚長差には自覚的脚長差とレントゲンによる他覚的脚長差(骨盤もしくは両下肢全長)があります。
本研究では、他覚的脚長差と自覚的脚長差の間には相関がなかった。そこで自覚的脚長差は信頼性に乏しいと結論づけています。
いやいや、ちょっと待ちなさい。
脚長差で困っているのは患者さんであり、自覚的脚長差と他覚的脚長差の間に相関がなければ、その測定方法に問題があると考えるべきではないでしょうか。

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