2011年9月8日木曜日

20110908 Up to date: cervical spondylotic myelopathy

Summary and recommendation
・頸椎症性脊髄症は椎体と椎間板の加齢による変性、神経・血管の圧迫によって引き起こされる病態である。
・頸椎症性脊髄症に特異的な決まった臨床症状はない。徐々に進行する歩行障害ではじまり、感覚障害、筋力低下、頚部から上肢に疼痛を伴った手の筋肉の萎縮。その他頸髄症に特異的な診察所見で明らかとなる
・頸髄症はALSやその他の頸髄疾患と鑑別されなければならない
・頸椎症性脊髄症は特異的な臨床症状とMRIなどで認められる脊髄の圧迫所見を認め、脊髄症に特異的な臨床所見を伴った時に診断される。
・頸椎症性脊髄症の臨床変化、予後についてははっきりとしたものはない。徐々に症状が悪化し、長期間まったく安定していたところから階段状に悪化することもある。また軽微な頚部の外傷で症状を急激に悪化させることがある。
・治療方針を決定づけるうえでの大規模な無作為化試験は存在しない。神経学的予後を保つために、悪化する前に軽度の圧迫があるような患者では手術を行ったほうがよいとする報告がある。手術を行わずに経過をみる場合にはより細かに神経学的な変化に注意を払いながら外来でのフォローを行わなければならない。保存療法としては頸椎装具、疼痛コントロール、危険なスポーツへの参加の禁止などがある。より深刻な脊髄症がみられる患者では除圧術を考慮すべきである。
・急速な症状の進行、急性発症した脊髄症では神経学的救急の対応が必要となる。MRIを撮像した後に速やかに脊椎外科医へのコンサルトを必要とする。このような場合にはメチルプレドニゾロン大量投与療法を行うほうがよいかもしれない。

<論評>
頸髄症についてのまとめを読んでみました。
頸髄症はその鑑別がまず問題になる、ということが分かります。
脊髄炎、脊髄梗塞、血管奇形、亜急性連合症候群、脊髄空洞症、髄膜へのがんの転移、多発性硬化症、ALSが鑑別となります。
次に、頸髄症の治療についてです。どのタイミングで治療を行うとよいか、ということはまだ議論の対象である、と理解しました。
明らかな痙性が出ているもの、歩行障害が強い例では手術治療をおすすめしますが、手の使いにくさ、しびれを訴えるような例ではどうするか?高齢者や合併症が多い例で手術に踏み切ることができないときにどう対応するか?というのは悩みどころです。
最後にメチルプレドニゾロンの大量投与療法(いわゆるNASCIS2)が推奨されていますが。。。最近アメリカの脳神経学会でその有効性には疑問がつけられているはずです。
 

まだこれからの大規模な臨床研究に期待。という分野ではないかと考えます。

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