2009年9月3日木曜日

BetterProphylaxisagainstSurgicalSitelnfbctionwithLocalasWellasSystemicAntibiotics、AninVivoStudyJBoneJointSurgAm、2009;91:1907-1912.August20,2009Background抗生剤の予防的全身投与は有意に術後感染のリスクを減ずる。創内に直接抗生剤を注射する方法がより効果的であることが分かってきた。本研究では、創閉鎖後に創内への直接的な抗生剤注射の効果について、単独使用と全身投与との組み合わせ両方につき調査した。私達の考えでは術前の抗生剤全身投与と術後の創内への局注が最も効果的な方法だと仮定した。MethodsRatを6つの治療グループに分けた。無治療、ゲンタマイシン局所治療、セファゾリン全身投与、セファゾリン局所治療、セファゾリン全身投与十ゲンタマイシン局所治療、セファゾリン全身投与十セファゾリン局所治療の6グループである。創腔は大腿骨に沿って開き、インプラントを留置、2.5×108CFU(コロニー形成単位)のStaphylococcusaureusを植えた。抗生剤全身投与は最初の皮切の30分前に皮下注して行った。抗生剤局所投与は創閉鎖後、創腔に経皮的に注射した。Ratは術後48時間で殺され、定量培養を行った。Results抗生剤治療を受けた全グループで無治療群と比べて有意に細菌数は少なかった。ゲンタマイシン局所治療群はセファゾリン全身投与群と比べて100倍、対照群と比べて10万倍CFUの数を減じた。セファゾリン全身投与とゲンタマイシン局所治療の組み合わせでは、対照群の1000万倍細菌数を減じ、ゲンタマイシン局所治療より細菌数を減らす。Conclusions仮定した通り、セファゾリン全身投与とゲンタマイシン局所治療の組み合わせが最も効果的なregimenであることがわかった。ゲンタマイシンの局所注射はセファゾリン全身投与より効果的であるが、抗生剤の組み合わせよりは劣る。初期の高い抗生剤局所濃度と2つの異なった種類の抗生剤を使うことが、この効果に寄与した可能性がある。ClinicalRelevance臨床試験でもこの結果が示唆されれば、SSIに対する抗生剤予防投与のregimenとしてケンタマイシン局所治療とセファゾリン全身投与の組み合わせを評価することができる。ResultsFigl術後48時間でのCFU数それぞれの治療群におけるCFU平均数が対数値で標準誤差とともに表示されている。全ての抗生剤治療群で対照と比べて有意に減少している、セファゾリン全身投与群よりゲンタマイシン局所治療群で有意に低く、ゲンタマイシン局所治療単独よりセファゾリン全身投与との組み合わせの方が有意に少なかった。Discussionセファゾリン全身投与とゲンタマイシン局所治療の組み合わせは対照群の1000万倍細菌数を減じた。仮定した通り、この組み合わせが最も効果的で、その次に効果のあったケンタマイシン局所治療の100倍近く創内の細菌数を減らした。ゲンタマイシン局所治療はセファゾリン全身投与の100倍、対照群の10万倍CFU数を減らした。セファゾリン全身投与とセファゾリン局所治療に有意差は見られなかったが、全身投与群は100mg/kg用いたのに比べ、局所治療群は14mg/kgであった。以前の我々の研究室での研究で、同様の方法を黄色ブドウ球菌8.0×105CFUを創腔内に植え、ゲンタマイシン局所治療の効果を調べるために行った。今回の研究では、さらに多くの2.5×108CFUの細菌を創腔内に植え、対照群ではさらに多くの細菌数を認めた。以前の研究では創閉鎖後のゲンタマイシン局所注射は対照群と比べ10万倍創内の細菌数を減らした。この結果は今回と同様であった。今回用いたのはよく使われるMSSAであったが、MRSAを用いると結果は異なっていたと思われる。我々が用いたMSSAは感染力が強く、治療されないと48時間以内に死亡する。今回のratは死ななかったが、瀕死であった、現代の整形外科手術患者に対する抗生剤予防投与のスタンダードは術前のセファロスポリン、典型的にはセファゾリンだが、19投与である。このような抗生剤全身投与は毛細血管床を浸透し、創腔に広がるが、そこでは低濃度になっている。創内にできる血腫内に抗生剤が含まれることになる。この研究ではratの研究に基づいた100mg/kg程度の用量でセファゾリン全身投与が行われ、人の血液中のpharmacokineticsのシミュレーションにより、術前予防投与として典型的には19静脈内ボーラス投与としている、抗生剤入りの洗浄を行う術者もいるが、吸引により除去されてしまい、これらの抗生剤と細菌との接触時間が短い、今回の研究で、創閉鎖後に創腔に直接抗生剤を局注することで、感染の可能性がある場所に抗生剤が拡散以外で除去されることなく高濃度で届く。さらに、高濃度のため、通常抵抗性があると考えられていた細菌にも効果が出る可能‘性がある。局所治療は創腔内を高濃度に保ち、全身的には安全域に保つ。研究によるとバンコマイシンの局所投与により局所は中毒域の20倍に達するが、全身的には安全域を保つ。しかしこれに関しては局所の正常細胞に毒性をもたらしうる。抗生剤の骨芽細胞やその一連の細胞に対する抑制効果については様々なstudyで調査されている。IsefUkuらによると、ゲンタマイシンは10伽g/mLを超えると骨芽細胞の代謝を減少させ、70伽g/mLを超えると抑制細胞を増殖させる。我々の研究での創腔容積は3.38cm3、ゲンタマイシンは2.0mgを注射したc、よって創腔内は約600鰹g/mLとなり、IkefUkuらの抑制細胞の増殖闘値よりも低い。Edinらはセファゾリン濃度が100伽g/mLを超えると骨芽細胞の増殖は止まり、10000似g/mLを超えると骨芽細胞の細胞死が起こる。我々は創内の濃度が210伽g/mLになるような局所投与量を選択した。Invitroの研究を上に述べたが、組織培養の骨芽細胞での抗生剤濃度は数日間維持される。我々は単回の局所注射は初期の高い局所濃度を得るが、速やかに全身循環に吸収されてしまうのではないかと予想した。これはHumphreyらによって示され、彼らはウサギの2×2cmの創にゲンタマイシン3mg/kgを含んだ牛のコラーゲンスポンジを植えた。4時間後局所のゲンタマイシンの濃度は600jug/mL、24時間後はく7似g/mLであった。このように、どのような抗生剤による局所の毒性も一過‘性である。TKAやTHAで抗生剤入りのセメントが用いられる。このような「貯蔵庫」のような投与方法は抗生剤濃度が高濃度で持続するので、この方法をとるときは局所的に毒性を示すより低くなるようによく用量を考えた方がよい。以前の我々の局所抗生剤予防投与の研究で、我々は創部へ焼き石膏のパウダー状にしたものを用いることについて評価した。これは数日かけて抗生剤を溶出し、アクリルと違って、関節置換術以外の患者で除去する必要がない。焼き石膏からの溶出は効果的であるが、水溶性のゲンタマイシンの注射のみ程は効果がないため、この方法については探究をしなかった。局所投与は全身投与と同じような分布の予測ができず、創の閉鎖に水漏れがあると、leakが起こることを注意しなくてはいけない。しかし、いくらか失っても極めて効果的である。この研究の問題点は、創部の洗浄が非常に少なかったことである。我々は洗浄に生食0.5mlしか用いなかった。これは以前の研究で感染を成立するのに有用であった量であったからである。しかし、我々が用いたより多い適正量での洗浄は依然として大切な感染のコントロール方法であり、創部感染予防における非常に重要な役割を果たしている。さらに、我々は1種類の細菌と2種類の抗生剤しか調べていない。今回のモデルではこれらの抗生剤は極めて有効であったが、他の細菌叢や人体では有効でないかもしれない。また、治療の容易さのためセフアゾリンを皮下注したが、ratにおける様々な投与方法を行った後のセフアゾリンの分布をしめすpharmacokineticなデータはほとんどない。加えて、ゲンタマイシン全身投与群を研究に含めなかったので、局所投与群と比較できなかった。ゲンタマイシン全身投与群を研究に加えたら、細菌を減らした機序についての'情報が得られたかもしれないが、その毒性のためルーチンに整形外科の予防投与で用いられてないため、研究に含めなかった。以前の研究で、ゲンタマイシン全身投与の100倍局所投与で細菌数を減らしたことを示している。人での研究でこの結果を確認する必要がある。

(論評)
抗生剤の局所投与の有用性については議論のあるところであるが感染人工関節などに対しては経験的に使われていることがある。今回Ratの研究であるが局所投与の有用性を示したものとしては面白いのかもしれない。ゲンタマイシンの人での適切な濃度がどれくらいかなど考えなければいけない。
ただ、創部感染というのは多因子がかかわって成立するものであるのでこれだけやればよいというものでもないだろう。

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