2022年1月8日土曜日

20220108 JBJS The Effect of Surgical Approach and Femoral Prosthesis Type on Revision Rates Following Total Hip Arthroplasty An Analysis of the Most Commonly Utilized Cementless Stems

 背景

前方アプローチは大腿骨側の合併症による再置換率が高く、特定のステムがこのリスクを高める可能性がある。本研究では、手術に使用された大腿骨ステムによって、外科的アプローチによるTHA の転帰を評価することを目的とした。

方法

2015年1月から2019年12月までに、最も一般的なセメントレス大腿骨ステム5本のうち1本を使用し、前方または後方アプローチで変形性関節症の初回THAを受けた患者について、オーストラリア整形外科学会全国関節置換レジストリのデータを分析した。主要アウトカム指標は、すべての原因、および大腿骨ステムのゆるみと骨折による累積再置換率(CPR)であった。CPRは、すべてのステムと個々の大腿骨ステムについて、前方アプローチと後方アプローチで行われたTHA間で比較され、また、各アプローチの個々の大腿骨ステム間でも比較された。

結果

 この研究には、セメントレスステムを使用して行われた 48,716件のTHAが含まれ、そのうち22,840件は前方アプローチ、 25,876件は後方アプローチで行われた。前方アプローチと後方アプローチで全死因のCPRに差はなかったが、前方アプローチはゆるみ(ハザード比[HR]、2.00;95%信頼区間[CI]、1.48~2.69;p<0.001)および骨折(HR、1.78;95%CI、1.34~2.35;p<0.001)で高いCPRを示した。前方アプローチで使用された場合、異なるセメントレス 型ステムの間で、CPRに明らかな違いがあった。Quadra-H(Medacta社)は、Polarstem(Smith & Nephew社)、HR、 1.49;95% CI、1.16~1.91;p=0.002)およびCorail(DePuy Synthes社)、HR、 1.31;95% CI、1.00~1.70;p=0.0478)と比較して高かった。一方、後方アプローチでは、ばらつきはあまり見られなかった。

結論

 前方アプローチで行われたTHAは、大腿骨ステムのゆるみ と骨折による再置換術の割合が高く、ステムごとの結果に は大きなばらつきがあった。


<論評>

股関節前方アプローチを経験が少ない、または技量の低い術者による行うと大腿骨のトラブルが多くなることは近年多数の報告があります。

本研究はそれに加えて、ステムの種類が影響しているのではないか。とする報告でした。選択されたのは最近はやりのFullHAステム。この中でMedactaのQuadraが合併症が多いということでした。

Medactaは牽引台での前方手術だったような気がしますので、そこも関連しているかもしれません。

自分は後方セメントステム派ですので、後方セメントステムでやればこの問題解決するのになーと思いました。まる。

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