2018年7月26日木曜日

20180726 JBJS Risk-Based Hospital and Surgeon-Volume Categories for Total Hip Arthroplasty

背景
エビデンスに基づかない手術数による病院の分類によって今まで手術件数と術後成績評価が行われてきた。このことは手術件数と術後成績との関連について誤った結果を導き出している可能性がある。本研究の目的は統計学的手法に基づいた病院の分類をおこない死亡率、合併症率、再置換率について検討を行うことである。
方法
ニューヨークの州のデータを用いた。90日間の合併症率、2年間での再置換率についての検討を行った。1997年から2014年までで187557件の手術について検討を行った。
結果
年間12例以下、13から25例、26から72例、73例から165例。166例から279例、280例以上の執刀数というように術者を群わけした。病院については年間11例以下、12例から54例、55例から157例、158例から526例、527例以上というように分けた。35%のTHAが、年間12例以下の術者によって行われていた。これらの成績を検討すると2から2.5倍で合併症、死亡率が発生することがわかった。週1回程度のTHAが行われる病院では、たくさん手術が行われる病院と比較して合併症が1.5倍、死亡率が4から6倍になった。いままで用いられていた手法によって検討すると手術件数による差は認められなかった。
結論
正しい統計学的な手法を用いると手術件数と術後合併症、死亡率との間に関連を認めた。手術件数は一つの指標となりうる。

<論評>
手術件数と合併症の関連について。今まで数と合併症は関連がない。という報告が散見されていましたが、本研究では件数が少ない術者、病院だと合併症が多くなると報告していますな。年間500以上の病院(週10件、一日3件ずつ)やる病院と週1回の病院比べるのは酷だとは思いますが。。。
そのうち病院の規模によって診療報酬に差がつく時代が来るのでしょうかねえ。

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