2018年6月24日日曜日

20180624 Int orthop Osteoarthritis is associated with increased failure of proximal femoral fracture fixation.

本研究の目的は、大腿骨転子部骨折を起こした際に、変形性股関節症が併存していた場合に、CHSやPFNで固定した場合の固定が破綻するリスクが上がるかどうかの検討を行うことである
方法:後ろ向き研究。455人の女性、148人の男性。平均年齢83.8歳。大腿骨転子部骨折に対してCHSまたはPFNで治療された症例を検討。術前写真で変形性股関節症の有無について評価。偽関節、大腿骨頭壊死、インプラント破綻、THAへのコンバージョンを治療の破綻と定義した。4から7年のフォローアップ。TAD、年齢、性別、整復の質、インプラントタイプ、骨折型、破綻までの期間を交絡因子として検討を行った。
結果:5.3%、32例で破綻が認められた。12例で変形性関節症が認められた。交絡因子を排除すると、オッズ比3.26で変形性関節症が存在すると破綻のリスクが高いことがわかった。
結論:OAがある場合には骨接合の破綻のリスクが高まる。

<論評>
高齢化社会を迎え、OAの有病率は高くなっています。変形性股関節症についても同様の傾向があります。
OAを合併すると、股関節可動域の制限が生じますので、頚部骨折よりは転子部骨折のほうが圧倒的に多いという個人的な印象を持っています。
OAが存在する場合の転子部骨折の治療は難しいです。
本研究はTHAにコンバージョンしたら破綻。と定義していますが、そもそも最初からTHAにしておけばどうなのよ。というのは突っ込みどころだと思います。
骨折と手術侵襲によって筋力低下をきたしますので、OAにともなう障害が悪化することはしばしばありますので、骨折後普通の骨接合より成績が低下し、OAが存在するためにTHAにするというのは普通に考えればありえるシチュエーションだと思います。
破綻するから骨接合やめておこう。ではなく、何がよい治療なのか。をよく考えなさいということだと思います。


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