2012年11月1日木曜日

20121101 JBJS(Am) The influence of obesity on the complication rate and outcome of total kenn arthroplasty : A meta-analysis and Systematic review

obesity signs

抄録
アメリカでは、病的な肥満患者数が増加している。BMI30以上を肥満とすると、肥満患者では明らかに関節症の危険性が高まる。更に肥満患者に対する人工関節置換術はこの10年で増加傾向にある。本研究の目的は肥満が人工膝関節置換術に与える影響についてsystematic review, meta-analysisを用いて評価することである。

方法
文献検索を行い、Cochraneのガイドラインに沿ってその論文に重み付けを行った。

結果
20の文献が評価するに値する文献であった。14の文献、15276例の報告で感染について述べられていた。感染について、肥満であることは肥満でない患者に対してodds比1.90で感染し安かった。再手術、デブリードマンを必要とするような患者については9つの文献で述べられており、肥満であることのodds比は2.38であった。再置換術についてはodds比1.30であった。

結論
肥満であることは人工関節置換術に悪影響をおよぼす

考察
今回のシステマティックレビューの目的は肥満が人工膝関節置換術に悪影響を与えるかどうかを明らかにすることであった。
BMI>30を超えるような肥満であると、感染率、再置換率がより高くなることがわかった。なので、肥満を有するような患者に対しては体重が増えることの危険性について十分に情報提供を行い、また体重コントロールをするように手助けをする必要がある。

感染についてのメタアナライシスを行ったものの、感染率が極めて低いためにバイアスがかかっている可能性が否定出来ない。

肥満患者は肥満でない患者と比べて併存症の率が高い。肥満で併存症のない患者と肥満で併存症のある患者のリスクは同等ではない。今回はBMI30以上を肥満と設定したことでより問題のある肥満患者を抽出したものと思われる。

肥満についてはRCTは困難である。盲検化するのが精一杯である。今回論文のスコア化の方法を用いて幾つかの論文をピックアップでき、妥当性を確保することができた。

とにかく肥満は人工膝関節に悪い。

<論評>
肥満とTKAについてのシスティマチックレビューです。
一般にメタアナライシス、システマティックレビューは無作為割付試験のようなレベル1と呼ばれる高いエビデンスレベルをもった論文をピックアップするのが普通ですので、本研究のように前向き研究、後ろ向き研究からだけでつくられたというのはやや珍しい印象を受けました。
まあ、いわれている内容は別に大したことありませんが、この方法論をしっておくとRCTが困難な外傷なんかも解析が可能になるのかもしれません。

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