2012年10月18日木曜日

20121018 JBJS(Am) Plaster our orthopaedic heritage AAOS Exhibit selection

ギプスの歴史


JBJS(Am)にギプスの歴史が述べられていました。
温故知新。ということですこしこういったところに話をふるのも良いかと思ってまとめてみました。


紀元前3000年~2500年ごろにはヤシの木の枝と葉の繊維で作った包帯で大腿骨骨折を固定し、ギプスのような治療法(いわゆる外固定)はエジプトのミイラに巻かれているものが発見されている。

紀元前600年ごろ、竹の副子による外固定法が行われていた、と古代インド二大古典医学書の一つである「シュシュルタ」に記載されている。
(シュシュルタが外科の教科書。チャラカが内科の教科書。これマメな。)

紀元前460‐377年 ヒポクラテスは骨折治療における添え木と包帯法の重要性を認めていた。この包帯は厚く、また油脂を染みこませることで強度を得ていた。

古代ローマ人は石材、石膏の建築物を多数構築したことで有名であるが、その石膏の知識を医学に応用することはなかった。古代ギリシャの医学者、哲学者であるCelsus、Galenらもバンテージ法による骨折治療を行なっていたという記載がある。

初めて石膏をギプスとして用いたのは、9世紀のアラビアの外科医Avicenna(アバボウエブンシナ)であった。”Canon of medicine”の中で貝殻からの酸化カルシウムと卵白を用いて固定を行ったという記載を見ることができる。
石膏法は12世紀になってイタリアにわたり進化した。骨接ぎ師がぐるぐる巻きにする治療を行なっていた。
同時期11世紀のアラビアではAlbuusasis(当時のアラビアのもっとも有名な臨床医)がサンドイッチ法によるギプス固定を行なっている。

14世紀になりGuy de Chauliac(1300-1370)が牽引と固定を初めて行った。コードと細い棒を用い、ゆりかごを用いて鉗子を挙上し、コードを用いて牽引することでベッド上で患者が動けるようにした。

中世ヨーロッパでは徒弟制で骨接ぎ師がこれらの知識を受け継いでいった。骨接ぎ師のギルドは医師のギルドと異なるものであった。最終的に医学校ができ、そのカリキュラムの中で骨折治療が教授されるようになると骨接ぎ師のギルドは徐々に衰退していった。

硫酸カルシウムは1798年に発見された。現在のような系統だった石膏ギプス固定法は1852年にオランダで開発された。(Dr. Mathijisen 1805-1878)


と続きます。笑

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