2012年7月5日木曜日

20120705 JBJS(Am) Comparison of two preoperative skin antiseptic preparations and resultant surgical incise drape adhesion to skin in healthy volunteers

draped

”drape”とぐぐったらこの画像が出てきました。笑
本文と写真との間に何ら関連はございません。笑

抄録
背景
創縁にけるドレープのひっつき具合はとても重要である。皮膚とドレープはひっついている必要がある。創部のドレープが剥がれてしまった時の感染率は剥がれなかった時に比べて約6倍にもなるとの報告がある。本研究の目的は術前に行う処置がドレープのくっつき具合にどのように影響しているかを調べることである。
方法
3M社 Dura Prep なる 消毒用器械 または  ChloraPrep with Tint なる 器械 にて健常ボランティアの22名の消毒を行った。そこにドレープのサンプルを貼り付け、その後生食ガーゼで30分間カバーしておいた。(湿潤テストのため)。その後ドレープのサンプルを国際基準に法った引っ張り力測定器を用いて剥がした。その後皮膚トラブルがないかどうかを確認。
アウトカムは引っ張り力によって測定されるドレープの張り付き力とした。
結果
ChloraPrepで消毒された皮膚よりもDuraPrepの方が剥がれにくかった。はがれにくさがもっとも重要な要素であるが、皮膚トラブルがおこってはもとも子もない。いずれの皮膚消毒を用いてもドレープを貼った後には軽度の皮膚の紅斑が出現した。皮膚科を受診する必要はなかった。
結論
本研究で言えることは術前消毒の違いでドレープの張り付き方に違いがでる。ということである。ドレープを用いるのであれば、そのドレープが持ち上がらないようにするための消毒方法を考える必要がある。

考察
手術室ては様々な消毒方法が用いられている。Swensonらがおこなった後ろ向き研究でイソジン、イソプロリルアルコール、クロヘキシジングルコネートイソプロピルアルコールの3つを比較したところクロルヘキシジングルコネートイソプロピルアルコールが最も感染率が低かったと報告している。
多くの術者がドレープを用いいるようになってきている。
ドレープに対しては様々な見解があり、後ろ向き研究では効果がある。としており、前向き研究ではドレープあり群となし群で差がなかったとしている。Cochraneではドレープで感染率が下がるということはないだろうとしているが、エビデンスレベルが低い報告も含まれていることからさらなる研究が必要であると結論づけている。
ドレープは術中にはがれると細菌の混入率があがるのでしっかりとひっついていたほうが良い。今回DuraPrepのほうが有意によくひっついていた。今回は実際の手術体位ではなく、背中でしか評価しておらす、また実験室での結果にしかすぎないことがこの研究の問題点である。
このほかの問題としては皮膚トラブルの問題があるが、いずれの消毒でも大きな問題にはならなかった。
術前に使う消毒薬でドレープのひっつき具合が変わることがわかった。


【論評】
目の付け所が良いですね。笑。

私自身、綿球 with イソジンによる消毒を未だにつかっておりますが、アメリカではこんな消毒用マシーンが出ているのですね。(外用剤のアン◯ルツヨコヨコみたいな感じなんでしょうか)

僕自身はイソジン消毒に余り良い印象を持っておりません。

時々イソジン消毒のあと、ガーゼで拭きとってドレープを貼る先生がいらっしゃいますが、イソジン自体は乾くことによってその消毒能力を発揮するのであまりお勧めできない方法だよなー。だけどひっつかないと困るものな-と思いながら見ておりました。
そういう意味でこの研究は良い。とおもいます。実はイソジンそのものがドレープの張り付き具合を悪くしているのかもしれません。
できればイソジン消毒から変えて欲しいところですが、なかなか変わらないですよね。。。


ちなみにこの論文の執筆者はアメリカの3M社の研究者です。そりゃ自社製品が優っているという報告をするに決まっております。笑。 ChloraPrep を作っているScrub teal社の反撃を待ちたいところです。笑


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