外傷におけるCT
CTスキャンは頭部、頚部、体幹の損傷のsecondary surrvey としてできるだけ早く行ったほうが良い。
外傷センターでは患者の到着後30分以内に行われているということが報告されている。放射線透過性の担架があると便利で、到着後すぐにCTに移動することができる。
早期のCT診断は大量の情報を与えてくれる。もしCTが初療室の隣にあればたとえ大量出血で血圧が低くても連れて行く、と言う選択肢があり得るかもしれない。CTが離れた場所に有るような場合には搬送自体が難しい。このような場合には外傷チームのリーダーはCT室ではなく、いきなり手術室へ行くと言う判断を下しても良い。
外傷チームはCT室まで同行していかなければならない。頭頂部から恥骨部までのCTを撮像する特に禁忌がなければ必ず行う。こうすることで大動脈損傷、活動性の出血を同定することが可能となる。もし余裕があれば足関節、脛骨の骨折についてもCTを撮像しておく。
この時被曝についても留意しておく必要がある。CTを撮像するか同化ということについてはその施設の基準などに準拠する。小児の場合にはより被曝による影響が大きくなると思われるので注意深く判断を行う。
Secondary Survey
多発外傷の患者は必ずsecondary surveyを行う。すべての多発外傷患者に対して頭の先から爪先までの詳細な診察を必要とする。それぞれの外表創についての記載を行い、また骨折脱臼についても評価しておく。四肢の神経、血管評価も必要となる。動脈拍動の有無、神経学的欠損についても記載を行なっておく。骨折は固定をおこなっておく。固定後また適宜神経学的評価を行う。高エネルギーが外傷ではコンパートメント症候群が起こり得るので頭の隅においておく。適切なレントゲン写真を撮影する必要があるが、レントゲン写真を撮影するために治療が遅れるようなことがあってはいけない。場合によっては手術室で後で撮影しても良い。
Open fracture
開放骨折の処置はBOA/BAPRASガイドラインに従って行う。
http://www.bapras.org.uk/downloaddoc.asp?id=141
早急に処置を開始する。最初の時点では巻き込んだ衣類の除去に止め、洗浄までは行わないようにする。生食ガーゼで創部を保護し、さらなる損傷を防ぐようにする。破傷風の投与歴を聴取し、必要に応じて投与。抗生剤の投与を開始する。神経血管系の評価を行い、カルテに漏らさず記載する。
いつ最終固定を行うかが問題となる。これは医療資源の問題もある。理想的には24時間以内に皮弁と骨折部の固定が行えればよいが、できない場合には一時的な固定を必要とする。挫滅が激しく、土壌、水上など高度汚染が考えられる場合にはできるだけ早期にデブリードマンを行い、生命、四肢の危険を出来るだけ減らすように努力を払う。
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