2012年1月14日土曜日

20120114 JBJS(Am) Ijuries associated with traumatic anterior gulenohumeral dislocations


肩関節脱臼によって生じる合併損傷について述べた論文

3633例(男性2250例、女性1383例、平均47.6歳)の肩関節脱臼の調査。肩関節脱臼によって生じる合併症として超音波で証明できる程度の腱板損傷、大結節骨折、神経障害の頻度について調べた
結果
神経障害を13.5%に認めた。33.4%に腱板損傷もしくは大結節骨折を認めた。神経障害のみ生じた例は210例(5.8%)であったが、腱板損傷もしくは大結節骨折を伴ったのは933例(25.7%)に認めた。神経障害とこっせち/腱板損傷を合併した例は7.8%に認めた。60歳以上の女性の患者では、低エネルギー外傷によって受傷し、腱板損傷もしくは大結節骨折を伴うことが多かった。腱板損傷、または大結節骨折を伴うと相対危険度は1.9と神経損傷の危険性が高まった。
結論
腱板損傷、大結節骨折、神経障害の罹患率は以前の報告よりも高かった。これらの合併損傷は単独、もしくは混合型のいずれでも起こりうるものであった。神経障害の起こる可能性はどの年代でも同じようなものであったが、腱板損傷、大結節骨折、混合型損傷は60歳以上で多くなった。神経障害を認めた患者では腱板損傷についての評価も慎重に行うべきであり、またこの逆もしかりである。

考察
神経障害は腋窩神経単独損傷が多かった。そのほかの神経損傷は多くなかった。比較的若い患者に起こることが多かった。逆に腱板損傷、大結節骨折、混合型損傷は高齢者に起こることが多かった。年齢に比例して増加した。また低エネルギー外傷で女性に起こることが多かった。それぞれ独立した危険因子として取り扱った。
過去には神経障害と大結節骨折、腱板損傷を合併する例は珍しいものと考えられ、症例報告もなされているが、全体の7.8%にみとめそれほど珍しいことではないということが分かった。
整復後に大結節骨折がない例でも腱板損傷が合併している可能性は高い。神経障害に伴う機能障害を減らすためにも、腱板損傷については評価し、治療を行うことが重要であろうと考えた。

<<論評>>
肩関節前方脱臼に合併する損傷についての大規模コホート研究。JBJSに載せようと思うのであれば、コレくらいのn数は必要なのだなあと本題に関係無い所で感心しておりました。
さて、肩関節脱臼は若年男性に多いイメージが強かったのですが、上腕骨近位端骨折を伴った脱臼は高齢者に多いですね。
この研究は超音波で腱板損傷の有無を確認しておりますので、臨床的に腱板損傷に伴う症状がどれだけ会ったのか、ということはわかりません。
この時にどこまで評価して、腱板の治療はどこまで行うのかと言うのが議論になっていくのではないかと思います。

1 件のコメント:

  1. とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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