2012年1月3日火曜日

20120103 謹賀新年。

あけましておめでとうございます。
だいぶブログの更新にもムラが出ていますが、ご容赦下さいませ。

さて、今後もこのブログはJBJSやUp to dateなど、管理人がその時に気になった内容を逐次アップしてまいります。

当初始めたときには、せっかく勉強会で勉強した内容を埋もれさすのは勿体ない、くらいの軽い気持ちではじめていました。
今後このブログでは、整形外科領域に関る医学的な問題について、研究のアイディアを提供できるような文献を読んでいきます。

今後の僕がこのブログ内でとっていくであろう姿勢について述べます。

僕は『整形外科の医者は、良くも悪くも専門バカである』という認識を持っています。

脊椎外科医が頚椎のpedicle screwを数ミリの単位でミスなく挿入したり、関節鏡医がまるで目の前にあるかのごとくモニターで病変の処置をしていくさま、また、日本古来の宮大工のような無駄のない手順で股関節周辺の骨切を行なう諸先輩方の手術を拝見するたびにそのすごさに圧倒されます。

しかし、専門性の高度化は同時に裾野のカバーをしきれない状況を生んでいるのではないでしょうか。

2011年のBMJのクリスマスジョークで揶揄されていたように
『整形外科医は雄牛の2倍賢い』
http://www.bmj.com/content/343/bmj.d7506


一般外科医にくらべ、内科疾患に興味が全くないことがどうしても多くなります。
本物のexpertとなっていれば、excuseされるかも知れませんが、多くの整形外科医はある程度なんでも屋として外傷からリウマチ性疾患まで幅広く見なければなりません。

今まで、骨・関節の分野は内科疾患と大きく離れている、という印象を僕自身はもっていました。
しかし、例えば骨粗鬆症。
老化だけでなく内分泌疾患としての一面。臨床疫学の理解が求められます。
また、リウマチ性疾患は生物学的製剤の導入で大きく治療が変わりました。
ある整形外科では、生物学的製剤は使います。だけどもその副作用についてはあとはしらんもんね。ということもあると聞いたことがあります。
これでは他科との円滑なコミュニケーションは望めないと考えます。

内科でも整形外科との丁度狭間にある分野についてアプローチしていけたらと考えています。

腰痛についてもその原因についてわかっていることはほんとに少ないです。
腰部脊柱管狭窄症ガイドラインが出ましたが、腰部脊柱管狭窄症という疾患概念すらもまだ完全には定義されていないような状態です。
整形外科領域はどの疾患をとっても内科にくらべ、まだまだその病態全体が明らかになったものが少ないと、僕は感じています。
大学などではその専門性を先鋭化させ、その病態に迫っています。
僕は同じ手法をとらず、わからないことに対して、全く別の角度からのアプローチができればと考えています。


また、論文を読むことで、整形外科分野の論文はRCTが組みにくく、比較的エビデンスの低い論文が多いことがわかりました。
逆に言えば、どんな研究でも整形外科内のトップジャーナルに載る可能性がある、ということがいえるのではないでしょうか。
どういった論文ならトップジャーナルに載せることができるのか?世界は今どんなことに興味をもっているのか?と言うことを知っていくということでもこのブログは続けて行きます。


よりよい治療を提供するために、もっといろいろ勉強していきます!!

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