Procedural sedation with propofol for painful orthopaedic manipulation in the emergency department expedites patient management compared with midazolam/ketamine regimen
この10年で救急外来で疼痛を伴う整形外科的な処置を行うときに、鎮静をかけることが普通となってきた。propofol(ディプリバン®)もmitazolam/ketamine(ドルミカム®/ケタラール®)はそれぞれ救急外来でよく用いられる薬剤である。本研究ではpropofolのほうがmitazolam/ketamienよりも救急外来で迅速に行えるのではないかという仮説を立ててみた。この研究では覚醒までの時間。鎮静にかかった全時間、鎮静に伴う有害事象について調査を行った。
方法
前向き無作為研究を行った。大学付属の高次救急医療センターというセッティングである。鎮静についてはトレーニングされた整形外科のレジデントとナースによっておなじプロトコールで行われた。鎮静時間と有害事象について記録した。
結果
60人の患者。平均年齢45±17歳。30人ずつの調査を行った。覚醒までの時間はpropofolが7.8±3.7分、mitazolam/ketamineが30.7±10.1分であった。(P<0.001)。総鎮静時間はpropofolが16.2±3.8分、mitazolam/ketamineが41.6±10.7分であった。(p<0.001)。呼吸抑制と血圧低下がpropfolで20%に認められ、mitazolam/ketamineは10%であった。
結論
propofolを用いたほうが救急外来では迅速に疼痛をともなう整形外科的処置を行うことができる。
考察
propfolを用いた方が迅速な鎮静、早期覚醒の点で有効であった。
ただ、両方共呼吸抑制がかかることがあるので経験の有るナースとチームを組んで行うことが必要である。血圧低下については今回の研究では起こらなかった。呼吸抑制が行ったときにはすぐに挿管できるような準備をしておくことも必要である。
この研究では比較的全身状態のよい患者ばかりを扱っているので、もともとの呼吸器疾患があるような患者では注意が必要である。
<<論評>>
最近の麻酔はすべてディプリバンで行われているのをみても、非常に優れた薬剤なのだろうなあと思います。
僕が麻酔の研修を受けた頃がちょうど過渡期でありました。。。
ぼくはドルミカムやイソゾールを使って鎮静をかけています。これはひとえに”使い慣れているから”ですね。
鎮静のかかりが悪かった時でもどれくらい薬剤を追加すればよいかを肌でわかっているというのがこれらの薬剤を選択している大きな要因です。
何かトラブルが起こったときにその対処方法を把握している方法を用いるべき、というのが僕の手技に対するスタンスですので、現在のところカエルつもりはありません。そんなに急いで鎮静からさます必要もないですし。
ただ、麻酔科の先生のご指導をいただけるのであればチャレンジしてみたいとも思いました。
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