2011年6月3日金曜日

20110604 JBJS(Br) The Canadian orthopaedic society

JBJS(Br)の6月号に載っていたAnnotationです。

僕自身の意見として、
”手術を行うような医療機関は集中されるべき。地方の小病院で術者がそれぞれの経験のみで治療を行うことは決してベストな方法とは思えない。”
”小さな成功体験ばかりを集めた学会なんかは意味が無い。たくさんの症例を多施設で集めて予後調査を行いすこしでも良い方法、妥当な方法を患者さんに提供すべき”


”整形外科医のための英語ペラペラ道場”の中でも、杉本先生がOSGについていくつかpostしていらっしゃいます。
こう行ったコミュニティを整形外傷の分野でも出来ないかな、というのがいまのところの僕の目標です。

最大の問題は、そのための方法も仲間も何もいまはもっていない、という現実ですかね。笑
少しでも実現できるようにこう言った内容の文献を読み続けて、仲間が増えればいいなと考えています。

以下論文の要約です。

カナダ整形外傷学会(COTS)は骨折に関して、十分な症例数と共に最高レベルの調査を行なっている。無作為化のみならず術者、研究者間の開かれたディスカッション、また長期間にわたるフォローアップ率など世界の研究の中でもリーダーとなりつつある。このような素晴らしい調査チーム、コミュニティをつくるために必要なもの、について今回は語ってみる。

Key to success
COTSのプロジェクトがうまく入ったのにはいくつかの理由がある。
1.カナダの健康保険システムが完全に公的負担となっているので治療のオプションが少ない。このおかげで多くの術者がコンセンサスに基づいた治療を行うことが可能となる。
2.カナダの教育機関が優秀な研究コーディネーターが確保しやすい状態となっている。コーディネーターのおかげでグループ間のコミュニケーションが可能となったり情報の共有が可能と成っている。
3非常に優秀な仲間を集めることができたこと。たくさんの優秀な研究者が参加することで同時に症例数の増加もあった。
4.患者の地域間移動が比較的少ないためにフォローアップが比較的容易である。
5.カナダ整形外科学会からの後押しがある。
6.カナダ整形外科基金からの資金の提供があった。
7.企業からも制限の掛からない資金の提供がある。
8.チームが分裂しないように心をくだいた。誰がauthorになるかなど。論文はCOTSグループの業績と言う形で雑誌に投稿し、その業績は同時に個人の職務経歴書に記載が可能である、という規定とした。



どこまで参考になるかは分かりませんが、情報発信を続けていくことで日本からのエビデンスの発信が出来ればと考えています。

2 件のコメント:

  1. ブログにとりあげていただき、ありがとうございます。
    クラウドを使用した医療用データベースについては、個人的にはものすごく注目してます。
    というのも、近年の流れとして、1施設からの研究発表より、他施設合同スタディーの重要性が強調されているからです。
    先生の言われるとおり、従来のように、後ろ向きスタディーで、「うちの病院で手術したら、結果は最高だった」では、もう世界には通じません。

    でも、「クラウド」というのが、まだみんなに伝わりにくくて、苦戦してます。Dropboxなんかも、みんなあまり使ってないですしね~。
    ただ、クラウドってすでにみんな知らないまに使ってますよね。
    銀行なんかも、いってみればクラウドだと思うのです(笑)

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  2. >杉本先生
    先生のお仕事にはいつも刺激を受けています。

    少し新しい試みをしてみたいと思いますので、先生のご意見をまたいただければと思います!笑

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