2010年9月12日日曜日

20100911 12th JOTS(日本整形外傷セミナー) その2

--骨盤骨折の手術アプローチの決定--

原則は損傷されている側から進入.
悩んだ時には前方=>後方、単独皮切=>前後方組み合わせ=>陳旧例など難易度が高いときに限って拡大進入.

単純横骨折は骨折の回旋に依存.T型骨折は骨折型によって進入路を決定.
後壁骨折は側臥位でK-L法。後柱骨折は腹臥位でK-L法。

T型骨折が一番難しい.ilioinguinalからK-Lに変更.側臥位で手術.

--寛骨臼骨折の整復--
2週間以内に行うほうがよい。
Ball spike pusherが手術には必須.
・後壁骨折 伸展、外旋で容易に整復
・後柱骨折+後壁 後柱から止めるべき。横骨折に対してはプレートを少しoverbendingにする。
・前柱骨折 pusherとシャンつピンによる整復.Colinear reduction clumpが有用。

Stoppaアプローチを用いると前方からquadolateral surfaceがみえる.

・T型骨折 前方から手術したほうがやさしいか?

--Kocher-Langenbeckアプローチ--
サザンアプローチによく似ている.
坐骨切痕の上に行くと上澱動脈の枝があるので注意が必要。
梨状筋、上双子筋、下双子筋を切離.内閉鎖筋と大腿方形筋は原則切離することはない.
Short rotatorsは内側回旋動脈保護のために大腿骨から1.5センチは残して切る.

--ilioinguinal approach--
中枢速の皮切では恥骨結合の2横指上.あまり低いと浅鼠径輪がイキナリ出てくる。
lateral window 上前腸骨棘から外側へ。腸骨稜2/3。腸骨筋を切離して腸骨との付着部を鈍的に剥離.出血したら骨蝋とガーゼパッキング。
外腹斜筋筋膜を切離。コッヘルをかけて尾側に引っ張るようにして展開.
大腿動静脈、大腿神経を同定。腸恥筋膜を切離。
外側大腿皮神経鼠径靭帯の直下。上前腸骨棘から3センチ以内にある.50%くらいで見つからない.術前に神経障害の可能性についてよくお話しておく必要がある.

--Stoppaアプローチ--
覆布で覆うときにはへそを出しておく.(正中が分かるようにするため、ilioinguinalでも一緒.)
ヘッドライトは準備しておくと良い.
白線は分かりにくい。筋の走行方向をみて決定.
腹膜前脂肪層までしっかり開ける.
Corona mortisに注意.閉鎖動脈と外腸骨動脈のバイパス.見つけたらサージカルクリップ、血管クリップでしっかり止めておく。

このアプローチの注意
あくまでもilioinguinalのMIS。ilioinguinalができるようになってからする方が良い.(そうしないとトラブルに対応できない.)
大腿静脈に注意。万が一損傷した場合には結紮。(ただしものすごくむくむ.)
弓状線より下を切開。


前柱、前壁の骨折には使いにくい。

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