2010年9月12日日曜日

20100911 12th JOTS(日本整形外傷セミナー) その1

救急に従事する整形外科医に求められるもの
・多発外傷のマネジメントが行える
・基本的な集中治療が行える
・災害医療の基本的な対応が行える

寛骨臼骨折の分類
寛骨臼骨折は寛骨臼にかかる軸圧によって生じる。
解剖学的な寛骨臼ではなく、外科的寛骨臼と言う概念で見る。
基本はJedet-Letournel分類、その修正版としてのAO-OTA分類
1)前柱、後柱に骨折はあるか?(iliopectineal lineとilioishial line)
2)閉鎖孔に骨折は及んでいるか
3)腸骨に骨折は及んでいるか
4)Obuturator oblique view にてSpur signの有無をチェック

画像診断の進め方
術中は単純写真で評価せざるをえないので、単純xpの読み方に精通しておく必要がある.
AP、iliac oblique view、obuturator oblique view

Landmark
- iliopectineal line
- ilioischial line
- tear drop (寛骨臼の落ち込み)
- anterior lip
- posterior lip

Obuturator oblique viewにてSpur signの有無.両柱骨折、Foating acetabularであることを示唆。
Gull sign Roofの不整。高齢者であれば予後不良

8つのチェックポイント
1)閉鎖孔に骨折が及んでいるか
2)ilioischial lineの破綻はないか
3)iliopectineal lineの破綻はないか
4)腸骨翼の骨折はないか
5)posterior lipの破綻はないか
6)臼蓋そのものに骨折ラインはないか、またそのラインの向きは上下方向、前後方向ともどうなっているか
7)仙腸関節と臼蓋の連続性はたもたれているか、またはSpur signの存在は指摘できるか
8)CTにて骨折自体をチェック

治療方針の決定
下手な手術をするくらいであるならば保存療法のほうがまし。手術をするのであればExpertに指導を仰ぎながら治療を進めてゆく.
・関節面の適合性
・5mm以上の転位
・横骨折、T字骨折の場合
・両柱骨折のある場合
・中心性脱臼
・骨頭骨折の合併
・股関節の安定性が不良な場合

関節面の適合性
両柱骨折を除いて、Roof arc angleが有用.これが45度以内であれば保存療法で良い成績がえられる.

股関節の不安定性を評価
両柱骨折の場合 step offがなく、wideningのみであれば保存療法でいけることがある。
後壁骨折の場合20%以下なら安定。50%以上なら不安定.
20-50%のときどうするか?股関節屈曲40度まで曲げて関節裂隙の拡大を見てみる.

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