2021年10月30日土曜日

20211030 JBJS The Use of Computer Navigation in Total Hip Arthroplasty Is Associated with a Reduced Rate of Revision for Dislocation A Study of 6,912 Navigated THA Procedures from the Australian Orthopaedic Association National Joint Replacement Registry

 背景 

コンピュータナビゲーションを使用すると、ナビゲーションを使用しない人工股関節全置換術(THA)と比較して、カップの位置がより正確になることが示されているが、これまでのところ、臨床転帰に対する効果を示す証拠は限られている。本研究では、Australian Orthopaedic Association National Joint Replacement Registryのデータを分析し、THA後の全原因による再置換および脱臼による再置換の割合に対するコンピューターナビゲーションの影響を評価した。

方法

2009年1月1日から2019年12月31日までにオーストラリアで変形性関節症のために行われたすべての非ナビゲーションおよびナビゲーション付きの一次THAのデータを調べ、再置換率を評価した。ナビゲーションが再置換の割合、理由、タイプに及ぼす影響を分析した。年齢、性別、頭部サイズで調整したCox比例ハザードモデルによるハザード比(HR)を利用した。アウトカムにはインプラントの違いがあることが知られているため、ナビゲーションで最もよく使用される5つの寛骨臼と大腿骨コンポーネントの組み合わせについて、さらなる分析を行った。結果 コンピュータナビゲーションは変形性関節症に対する一次THA 6,912件で利用され、ナビゲーションの利用は2009年の1.9%から2019年には実施された一次THA全体の4.4%に増加していた。グループ全体で見ると、ナビゲーションを使用したTHAとそうでないTHAの間で、全原因の再手術率に差はなかった。ナビゲーションTHAコホートでは、脱臼による再置換率が低かった。10年後の脱臼による累積再置換率は、ナビゲーションTHAが0.4%(95%信頼区間[CI]、0.2%~0.6%)であったのに対し、ナビゲーションTHAは0.8%(95%CI、0.8%)であった。 年齢、性別、ヘッドサイズで調整したHRは0.46、95%CIは0.29から0.74、p=0.002)。ナビゲーションで最もよく使用される5つのコンポーネントの組み合わせでは、これらのコンポーネントをナビゲーションで使用した場合に、ナビゲーションを使用しなかった場合と比較して、全原因による再置換率が有意に低かった。これらの5つの人工関節を合わせた10年後の累積再置換率は、ナビゲーションを使用した場合、使用しなかった場合に比べて2.4%(95%CI、1.6%~3.4%)であった。 4.2%(95%CI、4.0%~4.5%)であった(HR、0.64;95%CI、0.48~0.86;p=0.003)。

結論 

本研究では、コンピュータナビゲーションの使用が、THA後の脱臼による再手術率の低下と関連していることが示された。さらに、ナビゲーションで最もよく使用されるコンポーネントの組み合わせでは、全原因による再置換の割合も減少した。


<論評>

結構衝撃的な結果だと思います。コンピューター支援手術(CAS)の有用性が10年フォローで明らかとされたわけで、今までさまざまなインプラントの違いによって生じていた結果よりもCASの有無で結果が生じるわけですから。

CASの種類について(CT  basedか、CTを必要としないか)についても比較が必要でしょう。

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