2014年6月17日火曜日

20140617 BJJ Patient-reported outcome is influenced by surgical approach in THR

こんにちは、がみたけです。
ただいま病院の都合でSICUに勤務しておりますのですこーし時間が出来ました。
ということで論文読んでます。

DAAから始まった股関節へのアプローチ、なにがいいのか?ということがここ近年話題になっておりました。
医師側からの評価だと、自分の用いているアプローチがいい、という主張のために結果が変わってくる可能性がありますので、patient-reported outcome measures(PROMs)wお用いて評価してみたという話。
スウェーデンレジストリーから。患者立脚型評価(PROMs)を用いてアプローチごとの比較検討。

抄録
THAを行うときにどのアプローチがすぐれているか?ということは未だ議論のあるところである。今回はスウェーデンの人工関節レジストリーを用いて検討を行った。42233例のTHAから6年間のPROMが完全に取得できた4962例を対象とした。
結果後方アプローチは側方アプローチよりも患者満足度が有意に高かった。後方アプローチの方が術後の疼痛を感じている割合が低かった。EQ5Dも後方アプローチの方が高かった。どのアプローチ方法でもTHAは満足できる結果であったが、側方アプローチは後方アプローチに劣っていた。大規模調査の結果であるので臨床的な差があると言って良いものと考える。

考察
後方アプローチの方が側方アプローチよりも健康関連QOL、患者立脚型機能評価のいずれでも優れていた。(術後6年の段階で)
THAの主要な目的は疼痛を除去、機能回復を目的とする。その機能回復の程度の評価方法は様々なものがある。THAの改善率はとてもよいために”天井効果、頭打ち”現象が起こる。また多用な原因で治療に対する反応性が低下する。
THAでQOL、股関節機能とも改善が認められた。アプローチによって改善の程度には差があること、また以前言われていたのはアプローチの違いは短期的なものといわれていたが、本研究では長期間にわたってアプローチの違いによる影響が出ることがわかった。
本研究をもってすべての患者を後方アプローチで手術すればよいということを言っているわけではない。違いは非常に小さい。また少数の患者が不満を述べているだけだということである。
レジストリーによる大規模調査、6年間という長期にわたっての評価であることが本研究の強みである。
limitationとしては教育、喫煙、社会的な問題などの他因子の影響を評価できていないこと。術者の技量についての評価がないこと、インプラントデザインの問題を考慮して以内ことである。
今回生じた差について、影響していると考えられるのは歩容の問題であろう。また上殿神経の損傷による影響も有るのかもしれない。
今後はこれらの2つのアプローチについてのRCTを考慮する価値がある。

<論評>
残念ながら知りたかった前方アプローチについての記載はありませんでした。
今回興味深かったのは、大規模レジストリーによる評価でもよりエビデンスレベルをあげようと思うとRCTしか無いという記載です。
多施設共同RCTを考慮してもよいかもしれませんね。


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