2012年2月25日土曜日

20120225 Up to date Treatment of neck pain



頚部痛症候群

頚部痛の原因については、頚部捻挫、頸椎椎間板の痛み、頸椎椎間関節症候群、むちうち症候群などさまざまなものがあるが、まずはその重症度判定を行いいかに対応すべきかを決める。

まずは重症度判定をおこなう
・グレード1 明らかな臨床症状がなく、日々の生活もそれほど制限されない
・グレード2 明らかな臨床症状がないが、日々の生活に影響があるほどの痛み
・グレード3 神経症状をともなう(=神経根障害あり)
・グレード4 頸椎の不安定性や感染症など緊急に治療が必要な病態である

頚部痛に対する治療
頚部痛の原因は多岐にわたりまた複雑に絡み合っている。どの治療法も単独で他の治療法に勝るということもないので本人の症状の訴えの強さ、症状のある期間について勘案し、個々に適した治療を提供する。

急性期
・姿勢制御
姿勢について指導することは治療のなかでも重要な位置を占める。座位をとるときには肩と背中が同じ位置にくるようにする。運転中はアームレストなどをもちいて少し休めるようにする。キャリングケースや肩かけかばんは避けるようにする。

睡眠中の姿勢もまた重要である。小さな枕を首の下にひいて寝るようにするとよい。背中はまっすぐにして、太ももを少し持ち上げるように枕を入れる。頸椎が過度に伸展することは避けることが重要。

座りっぱなしでの仕事もよくない。パソコン業務、長時間の電話などは時間制限を行ったほうがよい。定義頸椎の自然な運動ができるように立ったりウオーキングをしたりすることを勧める。

・薬物療法
アセトアミノフェン、NSAIDsは軽度から中程度くらいの疼痛には有効である。とくに強い疼痛を訴える場合にはトラマドールやオピオイドの使用も考慮する

夜間のベンゾジアゼピン(デパス®)を使うことで、筋肉の攣縮による疼痛を軽減できるかもしれない。ただ、NSAIDsよりもエビデンスはない。日中も使用するようであれば5㎎を3回投与することを検討。

・運動療法
運動療法は可動域の保持と患者の活動性を保つためにも必要となる。頚部、肩甲骨周辺の愛護的なストレッチや運動を考慮する

写真のような運動をお勧めする。このほかには頸椎の前屈、後屈。肩の回旋運動などがある。

温めてから動かすほうがよい、ということをお勧めしておく。行うのは朝と夜寝る前の2回をお勧めしておく。症状がとれてからも週に3回は運動を継続するようにおすすめしておく。

・整体
急性期の疼痛に、整体が有効であるとするエビデンスはほとんどない。症状の悪化する可能性も考えれば、急性期の疼痛で整体はお勧めできない。保存療法に抵抗するような頚部痛で運動療法、薬物療法と並行して行うような整体であれば推奨できるかもしれない。

・頸椎カラー
頸椎カラーのルーチンでの使用はお勧めできない。ルーチンに使用すると日常生活への復帰を遅くすることが知られている。
頸椎のソフトカラーは安全でまた安価である為疼痛が強い時期には有効化もしれない。特に夜眠れないという場合には有効である。ただし装着はできるだけ短い時間にするように指導する。

・低レベルレーザー治療
原理も何もわかっていない。ただ、この治療が有効であるとする報告もあり今後さらなる研究が必要である。


慢性の頚部痛はまた次回。


--------------
頚部痛についてのまとめ、です。
その疼痛のメカニズムがよくわかっていないということもあり、さまざまな治療法があります。
患者さんに合わせて提供していくしかないのかもしれませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿