大腿骨転子下骨折の治療には難渋する。近位骨折の転位が大きく難渋する。Clamp-assisted法にて手術を行った症例について報告する。2003年から2007年までの間の55例の転子下骨折症例。44症例について報告。27例の男性。17例の女性。平均年齢55歳。リーミングを用いた順行性の髄内釘を挿入した。外側に小切開をおき、Clamp-assisted法にて治療を行った。9例にはワイヤリングを追加。レントゲン評価をおこなった。44例中43例が骨癒合を得た。すべての例で5度以内に解剖的整復位まで得られた。38例は解剖学的に整復された。6例は内反。合併症なし。Clamp-assisted法は有効な方法である。
Synthes large Bone Clampを用いて外反、外転、屈曲した近位骨片をつかみ内転、牽引、内旋する。(図1、2)クランプを用いて正しい位置まで近位骨片を移動する。イメージ下にて確認し、正しい整復位が得られていればガイドピンを挿入。髄内釘を挿入。(図3,4,5)整復位が得られない場合には血腫が整復の阻害因子となっている可能性があるので血腫を吸引する。小転子が折れている場合には骨頭をつかんで整復する。
考察大腿骨転子下骨折は癒合率は高い。髄内釘を挿入するポイントが外側に行き過ぎることがある。整復することで正しいエントリーポイントを得られる。ワイヤリング自体は骨癒合に不都合であるとすることがあるが今回はそんなことはなかった。大腿骨転子下骨折に対するこの方法は有用である
別にびっくりするような新しい方法でもないが症例数がある程度あること、やはり形として残すことが重要なのかもしれない
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