背景
ハードウェアの除去は、患者の機能を改善する可能性がある一方で、予期せぬ結果をもたらすリスクがある。整形外科手術の中でも最もよく行われる手技であるにもかかわらず、その合併症の発生にはほとんど注意が払われていない。
方法
米国整形外科学会(ABOS)の2013年から2019年までのPart II手術症例リストの非識別データベースに、米国医師会のCurrent Procedural Terminology(CPT)のインプラント除去コード(20680、20670、22850、22852、22855、26320)を照会した。他の同時進行の手技を伴わずに行われたハードウェア除去手技(「HRのみの手技」)について、関連する合併症の有無を調べた。
結果
解析した7年間で,13,089件のHRのみの処置が行われ,その期間の総手術件数609,150件のうち2.1%(95%信頼区間[CI],2.1%~2.2%)を占めていた。そのうち、1,256件の手術で何かしらの合併症が発生し(9.6%[95%CI,9.1%~10.1%])、1,151件の手術で外科的合併症が発生した(8. 8%[95%CI,8.3%~9.3%])。
医療・麻酔合併症は196件(1.5%[95%CI,1.3%~1.7%])であった。創傷治癒遅延・不全(2.1%[95%CI,1.8%~2.3%]),感染症(1.6%[95%CI,1.4%~1.8%])が多かった。 8%])などが報告されましたが、その他の重篤な事象として、予期せぬ再手術(2.5%[95%CI,2.2%~2. 7%])、予期せぬ再入院(1.6%[95%CI,1.4%~1.8%])、継続的な疼痛(95%CI,1.2%[1.0%~1.4%])、神経損傷(0.6%[95%CI,0. 4%~0.7%]),骨折(0.5%[95%CI,0.4%~0.6%]),生命を脅かす合併症(0.4%[95%CI,0.3%~0.5%])もあった。
結論
ハードウェアの除去は、最もよく行われる整形外科手術の1つであり、米国で最近トレーニングを受けた整形外科医のコホートにおいて、全体の合併症率は9.6%(95%CI、9.1%~10.1%)であった。感染症、骨折、神経損傷などの特定の合併症の発生率は比較的低く、生命を脅かす関連合併症が発生することはまれであると報告されているが、外科医と患者は、ハードウェアの除去には確実なリスクが伴うことを認識すべきである。
<論評>
抜釘にともなう合併症は約10%!!どうしても気軽にやりがちな手術ではありますが、合併症について患者さんによくお話しておく必要はありますね。
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