2021年8月22日日曜日

20210822 JBJS One Versus 3-Week Immobilization Period for Nonoperatively Treated Proximal Humeral Fractures A Prospective Randomized Trial

 背景 

上腕骨近位部骨折(PHF)を保存的に治療した場合の固定期間については、コンセンサスが得られていない。本研究の主な目的は,非手術で3週間の固定を行ったPHFと,1週間の固定を行ったPHFとの間の臨床成績の違いを明らかにすることである。

方法

保存的治療を受けたPHFの固定期間(1週間の固定[I群]と3週間の固定[II群])が,痛みや機能的転帰に影響を与えるかどうかを評価するために,前向き無作為化試験を行った。痛みは,骨折後1週間後,3週間後,さらに3,6,12,24か月後の追跡調査時に,10cmの視覚的アナログスケール(VAS)を用いて評価した。機能的転帰は、コンスタントスコアを用いて評価した。また、肩の機能障害を評価するために、肩に特化した自己申告式の質問票、Simple Shoulder Test(SST)を使用した。ConstantスコアとSSTは、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月、24ヵ月後に記録された。また、合併症とレントゲン評価を行った。

結果

143名の患者が無作為に割り付けられ、I群(55名)またはII群(56名)に割り付けられた111名(女性88名、男性23名)が最終的な分析対象となった。患者の平均年齢は70.4歳(範囲は42歳から94歳)であった。いずれの時点においても,VASで測定した痛みについて,2群間に有意な差は認められなかった(1週間後[5.9対5.6;p=0.648],3週間後[4.8対4.1;p=0.059])。 1週間[5.9対5.6、p=0.648]、3週間[4.8対4.1、p=0.059]、3ヵ月[1.9対2.4、p=0.372]、6ヵ月[1.0対1.2、p=0.605]、1年[0.65対0.66、p=0.718]、2年[0.63対0.31、p=0.381])。いずれの時点においても、ConstantスコアおよびSSTスコアに有意な差は認められなかった。合併症の発生率にも有意な差は認められなかった。

結論

PHFの保存治療では、骨折型によらず、短期および長期の固定期間で同様の結果がだった。これらの骨折は、患者の自立性を過度に損なわないために、1週間の短い固定期間でもよい


<論評>

1週間の固定で良いのですね。リハとかどのように介入したのかの興味はありますが。


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