2021年8月7日土曜日

20210807 JBJS Do Nonsteroidal Anti-Inflammatory or COX-2 Inhibitor Drugs Increase the Nonunion or Delayed Union Rates After Fracture Surgery? A Propensity-Score-Matched Study

 背景

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)/シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬が術後の骨折治癒に及ぼす影響については議論がある。そこで、NSAID/COX-2阻害薬の投与と、術後の骨折の非癒合または癒合遅延との関連性について検討した。また、NSAID/COX-2阻害剤の投与が術後の骨折治癒に及ぼす影響を、共通データモデルを用いて明らかにすることを目的とした。

方法

1998年から2018年に骨折の手術治療を受けた患者を対象とした。NSAID/COX-2阻害剤の投与が骨折治癒に及ぼす影響を調べるために、術後のNSAID/COX-2阻害剤使用者を比較し、非使用者と1:1でマッチングし、3,264名の患者をマッチングした。骨癒合に対する各薬剤の効果は、術後6カ月以上経過した時点で非結節または遅発性結節の診断コードがあると定義された主要アウトカム(偽関節/遷延癒合)に基づいて判断した。副次評価項目は、偽関節/遷延癒合による再手術とした。NSAIDs/COX-2阻害剤の服薬期間による骨癒合への影響を調べるために、Kaplan-Meier生存率分析を行った。結果 解析対象となった8,693例のうち、208例が偽関節(178例、2.05%)または遷延癒合(30例、0.35%)であった。この208名のうち64名(30.8%)が偽関節または遷延癒合のために再手術を受けた。NSAID使用者は、マッチさせた非使用者のコホートと比較して、偽関節のハザードが有意に低かった(ハザード比、0.69[95%信頼区間、0.48~0.98]、p=0.040)が、その他のアウトカムについては、マッチさせた他のコホートとの間に有意な差はなかった。Kaplan-Meier生存率解析では、投薬期間が3週間以下と3週間以上の場合、偽関節/遷延癒合の割合がそれぞれ有意に低く、高くなった(p=0.001)。COX-2阻害薬では、投薬期間による生存曲線は各群間で有意な差はなかった(p=0.9)。

結論 本研究では、NSAIDs/COX-2阻害剤が長管骨骨折の治癒に及ぼす短期的な影響はないことが示された。しかし、これらの薬剤を3週間以上継続して使用した場合、偽関節または遷延癒合の発生率が高くなる可能性がある。

<論評>

管理人は整形外科医になって15年位になりますが、その当時から言われていたことがBig data およびPropensityスコアという統計学的手法によって明らかになったということかなと思います。

長期投与されていた群では長期間NSAIDsの投与がされていたということです。

ただ、偽関節の痛みなどがあれば長期内服せざるを得ないということもありますので、まだ中は読めていませんがここらへんの因果関係についてはどうでしょうか?

まあ、漫然としたNSAIDsの投与は好ましくないよということで良いのでは無いでしょうか。


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