背景
人工股関節全置換術(THA)は、若年層やスポーツ選手の間で行われることが多くなっています。レギュラーゴルファーや競技ゴルファーは、術前のプレーレベルに戻れるかどうかを気にしている。この研究の目的は、一次THAがゴルファーのプレーに与える影響を、最低2年間の追跡調査で評価することである。
方法 フランスゴルフ連盟のゴルフ会員にアンケート用紙を送付した。40歳以上で片側の一次THAを受けた人は、人工股関節置換術前と術後の、プレー復帰の時期、ゴルフ中の痛み、移動手段、ドライバーの飛距離、ハンディキャップ、週のプレー時間などの情報を提供した。さらに、手術方法に関するデータも収集した。
結果 883名の競技ゴルファーがアンケートに回答し、そのうち599名が対象となった。18ホールのフルコースを回れるようになるまでの平均期間は4.73ヵ月(SD 4.15、範囲:0.7~36)であった。THA後2年以上経過した参加者は、ハンディキャップが1.8向上し(P < 0.01)、週の平均プレー時間が8.8時間から9.3時間に増加した(P = 0.24、NS)ことから、手術前よりも高いレベルでプレーしていた。88%の人が、ドライバーの飛距離が伸びた、または変化がなかったと報告した。ゴルフプレー中の股関節の痛みは術後に減少した(visual analog scaleで6.8から2.5、P < 0.001)。
結論 本研究では,人工股関節置換術によって,レギュラーゴルファーや競技ゴルファーが,手術前よりも快適なゴルフ環境でコースに復帰でき,ドライビングディスタンスとプレーレベルが客観的に改善されたことが強調された。
<論評>
研究手法がよいですよね。一般的には患者さんにアンケートを送るのですが、この研究ではゴルフ協会経由でおくることでゴルフに特化したアウトカムを得ることができています。
確かに自分が手術した患者さんでもゴルフの成績が向上したということですので、股関節が悪く悩んでいるゴルファーには朗報かもしれません。
テニスとかでもできますかね。笑