2018年8月15日水曜日

20180814 CORR Does the Alpha-defensin Immunoassay or the Lateral Flow Test Have Better Diagnostic Value for Periprosthetic Joint Infection? A Systematic Review

背景
関節液内のアルファディフェンシン量の測定は人工関節感染(PJI)の診断の一助となる。関節内中のアルファディフェンシン量を測定するためのキットは、24時間で結果の出る酵素結合免疫吸着型アッセイベースのSynovasureアルファディフェンシンイムノアッセイと20分で結果のでるSynovasureラテラルフローテストの2種類が上市されている。どちらのテストが有用かと言うことを検討した文献はない
臨床上の疑問
イムノアッセイとラテラルフローテストのどちらがPJIの診断に有用か
方法
PRISMAガイドラインに沿って2017年4月までの文献を渉猟した。1578編の論文が渉猟されたが、除外基準に従って除外したところ7編の論文のみが残った。(4編のイムノアッセイと3編のラテラルフローテスト)。アルファディフェンシンイムノアッセイでは482症例、ラテラルフローテストは119例であった。QUNDAS2による論文の質の検討を行い、異質性の調査を行った。感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比、ROCカーブをそれぞれ計算した。
結果
アルファディフェンシンイムノアッセイはラテラルフローテストよりも優れた診断能力を示した。感度96%対71%。特異度96%対90%。ROCカーブでは0.98対0.75であった。
結論
関節液内のアルファディフェンシンの測定において、ラテラルフローテストより逸無のアッセイテストがより正確な診断が得られた。ラテラルフローテストの感度は低く、感染の除外診断には薬に立たない。一方、特異度が高く即座に結果が得られるため、術中の感染の確定に役立った

<論評>
世の中を席巻?しているアルファディフェンシンの測定についての感度特異度に関するシステマティックレビューです。
ラテラルフローテスト(インフルエンザの診断キットのように関節液を垂らして診断する。本邦でも発売中)の感度は低く、特異度は高いとの結果でした。つまり、陰性だからといって感染が否定できるわけではなく、陽性であれば、検査前確率が十分に高ければほぼ感染と確定診断できるというわけですな。

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