背景
NSAIDsは鎮痛薬として術後の疼痛管理にも頻回に用いられている。しかしながらプロスタグランディンを抑制する働きが有るために骨折の治癒を阻害するのではないかと言うことが危惧されている。
方法
”NSAIDs”と”骨折治癒”でシステマティックレビューを行った。
結果
315編の論文が該当した。大部分の論文が小規模の研究でまた観察研究、もしくは後ろ向き研究であった。
結論
動物実験レベルではCOX-2が早期の骨癒合を阻害するということが知られている。しかしながらこのことを実証するようなヒトを対象としたエビデンスは殆ど無い。今回のシステマティックレビューで
短期間のNSAIDsの使用が骨折治癒に与える影響について強固なエビデンスはない。ということであった。骨折治癒を阻害しないように適切な鎮痛剤の使用を行う必要があるものと考えられた。
【論評】
JBJSの契約の切り替えが上手く行かず、内容が読めないでございます。。。
うさぎだかラットの研究でCOX-2で骨折治癒が遅延すると言う話は聞いたことがあり、話半分に聞いていましたが、systematic reviewと言う方法をもちいて熱心に調べられる方も世界にはいらっしゃるのだなあと感心しきりです。
このかたが指摘していらっしゃるように、前向きの研究をデザインする必要がありそうですね。
なのでおもむろにデザインしてみましょう。
脛骨骨折は遷延癒合、偽関節になることが多い。ということが知られていますので、脛骨骨幹部骨折を例にとってみたいと思います。
そこでこんなPECOをつくってみました。
前向き、RCT。出来れば評価者は術者以外とするシングルブラインド研究。(患者さんは何を飲んでいるか知っていても良いと思います。)
P:脛骨骨幹部骨折の患者(病的骨折は除く。開放骨折も含みますかね。)
I:NSAIDsによって鎮痛を図る。(ソレこそセレコ◯クスの大量投与)
C:アセトアミノフェン、ペンタジンなどで疼痛コントロールした群
O:プライマリーアウトカムとして偽関節の発生の有無
セカンダリーアウトカムとして1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月でのX線上の仮骨形成の状態
VASスケール。
SF36などのQOLスコア
復帰状態
http://www.davidlnelson.md/COX2Inhibitors_&_Fracture_Healing.htm
先行研究によって、
NSAIDsによって鎮痛した群と、別の鎮痛剤を用いた群とでは偽関節となったのが17%と4%であったとの報告があります。
そこで、αエラーを0.05、検出力を0.8と設定して、片側検定を行うとすると、、、、、、、
その必要症例数は 85例となりますね。(Rにより計算)
脱落を考えて各群100例は欲しいところですね。。。。
これは多施設研究するしかないっしょ!!!
ということでこの話をきいて多施設研究をしてみたいとおもった方をゆるーーーく募集いたします。笑
施設数がたくさん集まって、やれそうだなあと思ったらUMINに申請してみます。
初めて計画を立ててみましたので、穴があるかと思いますのでご指摘ください。
連絡先は
gamitake1919あっとまーくyahoo.co.jpでございます。
よろしくお願いしまーす。
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