2010年4月12日月曜日

2010.4.12 JBJS(Am) Ergometer Cycling After Hip or Knee Replacement Surgery

要旨
背景
THA、TKAの術後で適当な方法は明らかになっていない。THA,TKAの術後にエルゴメーターによるリハビリテーションを行いQOLと患者満足度を調査した。
方法
62人の患者を無作為にエルゴメーター群と非エルゴメーター群に割りつけた。エルゴメーター群は術後2週間エルゴメーターを行った。患者主体型QOL評価とWOMACによる評価を術後6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月の時点で行った。結果は最小限の臨床上の重要な改善について公表されたしきい値で比較された。
結果
二群の背景はほぼ一致していた。THAの術後ではフォロー中のすべてのチェック時においてエルゴメーター群が上回っていた。3ヶ月と24ヶ月の時点で有意な差を認めた。エルゴメーター群の方がとても満足とする割合が多かった。主要アウトカムではその要素が2.0となった。TKAでは二群の間に違いは認められなかった。
考察
エルゴメーターはTHA施行後の患者でQOL、患者満足度の点で有効であると言うことがわかった。しかしTKAでは明らかにならなかった。

考察
エルゴメーターは関節機能、患者満足度、などにおいて基本的な治療方法として用いられてもよいと言うことがわかった。
この研究はTHAの患者においてエルゴメーターがQOLに寄与するという強いエビデンスと成っている。二つのことを強調しておきたい。まず一つ目は2.2の要素で臨床上の最小限の重要な改善が現れたということ。もうひとつが術後2年間続けて臨床上の差が現れていたということである。
患者数が少ないと言うことを言うかもしれないが、患者満足度を見て欲しい。とても満足しているという群が92%もあるのだ。
初めての置換か、再置換なのか、合併症を有しているかなどによって術後のQOLは差が出る。これらは術者にとってどうしようもできない因子である。また、いろいろなインプラントで治療を行うことは患者のQOLを大きく損なう可能性がある。入院でのリハビリと自宅でのリハビリの間に違いはないとする報告もある。最近手術数と患者中心の評価方法との間に関連があるといわれている。この研究の最初の目的は手術数と患者満足度との間に関連があるか調べることであった。
3ヶ月後と6ヶ月後の評価はQOLの評価として適当かと考え行った。12ヶ月後と24ヶ月後は一般的に人工関節置換術後のフォローとして一般に行われている。
この研究は多施設研究なので、単独施設研究よりも様々な患者をフォロー出来ていると考える.
エルゴメーターでよく動かすことが関節などに効果的であるのはよくわかるのだが、TKAで差がでないのはどうしてであろうか。膝の場合は動かすことで膝周囲の軟部組織が腫れたりすることで疼痛が出たためではないかと考える.
この研究の問題点はフォロー率が悪いことである。最終フォロー時は77%まで低下してしまった。また、この研究は片方の脚に行った初回の関節置換についての研究であるので、再置換例、や両側例では不明である。
エルゴメータはTHAで有用であるので使ってみる価値はある。

<論評>
まあ、やってみても悪くはないのでは無いでしょうか。どんな施設でもエルゴメーターはやっているような気もしますが。

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