BJJから。
足関節三果骨折における後果骨折の骨片は1/4より大きければ骨接合をおこなうと古くから言われて来ましたが、本当にその4分の1にエビデンスがあるかを調べた論文。
Biomechanicsですので、一概に全部の結果を受け入れられるわけではないですが、常識だと思っていることでも疑って調べてみると面白いよ。という論文。
今後自分であれば、後ろ向き研究で後果を止めたものと止めなかったもので臨床成績、X線評価をチェック。可能であれば前向き無作為研究ができるとJBJSも目指せそうですね。
はじめに
本研究の目的は、足関節後果のはたす影響について検討をおこなうことである。今までにしっかりとした科学的な裏付けなしに、1940年代から足関節後果の治療は行われてきた。
方法
12体の屍体をもちいた研究。三果骨折を作成し、内固定を行った。後果を止めた群(1群)と、止めない群(2群)とに分けた。関節内の圧を測定した。
結果
骨折することで、足関節の接触面積は減少した。骨接合をおこなうことで接触面積はほとんどもとのレベルにまで戻った。後果を固定した群で接触圧は有意に減少した。足関節の背屈運動で、荷重中心は2群では後方に、1群では前方に移動した。圧によって破綻するかどうかを調べた研究では二群間に差を認めなかった。
結論
25%以下の小さな後果骨片では、手術をおこなうことで圧力分布は改善するが、足関節の不安定性に影響を与えない。
2018年2月17日土曜日
2018年2月16日金曜日
20180216 J arthroplasty Early Failure of Primary Total Hip Arthroplasty: Is Surgical Approach a Risk Factor?
J arthroplastyから。
THAに対するアプローチの違いによって術後早期の合併症に違いがあるか?という論文
THAでは様々なアプローチが開発されているが、その早期合併症についてはいまだ不明な点が多い。本研究の目的は各種アプローチでの初回THAにおける周術期合併症について検討することである。
方法:後ろ向き研究。High volumeセンターでの2007年から2014年までの初回THAが行われた。THAは手術ごとに分けて検討を行った。前方アプローチ(DAA)と後方アプローチ(PA)に分けて検討した。5年以内の早期再置換の有無をPrimary エンドポイントとした。
結果:6894例のTHAが7年間に行われた。DAA 2431例、PA 4463例であった。103例に対する再置換術が行われた。DAAとPAでの全体の再置換率はDAAが1.69%、PAが1.39%で有意差を認めなかった。大腿骨コンポーネントに関してはDAAのほうがPAよりも早期の再置換が多かった。DAAが35%なのに対してPAが8%出会った。早期の合併症はDAAではDorrAに多かった。PAでの再置換は不安定性に対して行なわれていることが多かった。寛骨臼側の緩み、骨折、感染においては両群で差を認めなかった。
結論 DAAでは大腿骨側コンポーネントのゆるみが原因となるのに対し、PAでは後方不安定性が再置換の原因となった。アプローチ間で統計学的な有意差は認めなかった。
−−−−−
アプローチごとの早期合併症についての検討。
各種アプローチについては、臨床成績にはそれほどの差がでないので、その特徴を捉えてしっかりと習熟をする必要がある。というのが最近の僕の意見です。
DAAでの大腿骨操作は確かに慣れを必要とする。ということなのだと思います。
新しいアプローチがでたからと言ってすぐに飛びつくのではなく、手練のもとで研修を行い。カダバーで練習し、一度手練についてもらって自分で執刀し、症例を選んで新しいアプローチを開始するといった順序は必要でしょう。
THAに対するアプローチの違いによって術後早期の合併症に違いがあるか?という論文
THAでは様々なアプローチが開発されているが、その早期合併症についてはいまだ不明な点が多い。本研究の目的は各種アプローチでの初回THAにおける周術期合併症について検討することである。
方法:後ろ向き研究。High volumeセンターでの2007年から2014年までの初回THAが行われた。THAは手術ごとに分けて検討を行った。前方アプローチ(DAA)と後方アプローチ(PA)に分けて検討した。5年以内の早期再置換の有無をPrimary エンドポイントとした。
結果:6894例のTHAが7年間に行われた。DAA 2431例、PA 4463例であった。103例に対する再置換術が行われた。DAAとPAでの全体の再置換率はDAAが1.69%、PAが1.39%で有意差を認めなかった。大腿骨コンポーネントに関してはDAAのほうがPAよりも早期の再置換が多かった。DAAが35%なのに対してPAが8%出会った。早期の合併症はDAAではDorrAに多かった。PAでの再置換は不安定性に対して行なわれていることが多かった。寛骨臼側の緩み、骨折、感染においては両群で差を認めなかった。
結論 DAAでは大腿骨側コンポーネントのゆるみが原因となるのに対し、PAでは後方不安定性が再置換の原因となった。アプローチ間で統計学的な有意差は認めなかった。
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アプローチごとの早期合併症についての検討。
各種アプローチについては、臨床成績にはそれほどの差がでないので、その特徴を捉えてしっかりと習熟をする必要がある。というのが最近の僕の意見です。
DAAでの大腿骨操作は確かに慣れを必要とする。ということなのだと思います。
新しいアプローチがでたからと言ってすぐに飛びつくのではなく、手練のもとで研修を行い。カダバーで練習し、一度手練についてもらって自分で執刀し、症例を選んで新しいアプローチを開始するといった順序は必要でしょう。
2018年2月15日木曜日
20180215 Injury Risk factors of fixation failure in basicervical femoral neck fracture: Which device is optimal for fixation?
2018年初めての投稿ですね。怠っていてすいません。
2015年頃からナナメ読みと言いながらだいぶ真面目に読んでいましたので、更新速度が遅くなるというデメリットを抱えていました。
2018年はしばらくホントにナナメ読みして、興味があるものを深読みするスタイルに変更します。Facebookにもページを作って、そちらにリクエストが有った場合には深読みします。
興味があってその内容を深く知りたい!というときにはFacebookのナナメ読みのページまでご連絡ください。深読みします。笑
2018年初めての投稿は外傷の老舗 Injuryから
中国の論文です。
大腿骨頚基部骨折は珍しい骨折形態であり、その固定が不安定になることがある。本研究の目的は頚基部骨折の破綻の割合を調べることと、破綻に関連する因子について検討することである。
方法
方法は後ろ向き研究。2003年から2016年の間に手術した3217人の患者のうち大腿骨頚基部骨折と診断された77名。69名が12ヶ月間のフォローが可能であった。まず、破綻した割合を検討し、多変量解析を行い破綻に関わる因子の検討を行った。
結果
69例中17例、24.6%で破綻を認めて、8.6%で再手術が行われた。SlideingHip Screwを使用すると、骨折部の圧潰や、固定部の破綻の独立した因子となった。
結論
Sliding hip screwで固定した場合には、Nailと六角形のBradeで固定する場合よりも破綻率が有意に高かった。頚基部骨折にはSliding hip screwよりもNailのほうが推奨される。
後ろ向き研究です。ひと目でNが多そうに見えますが、実は大したことない。みたいな。笑
13年でこれくらいの症例数であれば、日本でも積極的に股関節骨折を取り扱っている病院でも同じ検討ができるのではないでしょうか。
なぜ六角形のブレードがいいかは深読みしないとわからんす。
2015年頃からナナメ読みと言いながらだいぶ真面目に読んでいましたので、更新速度が遅くなるというデメリットを抱えていました。
2018年はしばらくホントにナナメ読みして、興味があるものを深読みするスタイルに変更します。Facebookにもページを作って、そちらにリクエストが有った場合には深読みします。
興味があってその内容を深く知りたい!というときにはFacebookのナナメ読みのページまでご連絡ください。深読みします。笑
2018年初めての投稿は外傷の老舗 Injuryから
中国の論文です。
大腿骨頚基部骨折は珍しい骨折形態であり、その固定が不安定になることがある。本研究の目的は頚基部骨折の破綻の割合を調べることと、破綻に関連する因子について検討することである。
方法
方法は後ろ向き研究。2003年から2016年の間に手術した3217人の患者のうち大腿骨頚基部骨折と診断された77名。69名が12ヶ月間のフォローが可能であった。まず、破綻した割合を検討し、多変量解析を行い破綻に関わる因子の検討を行った。
結果
69例中17例、24.6%で破綻を認めて、8.6%で再手術が行われた。SlideingHip Screwを使用すると、骨折部の圧潰や、固定部の破綻の独立した因子となった。
結論
Sliding hip screwで固定した場合には、Nailと六角形のBradeで固定する場合よりも破綻率が有意に高かった。頚基部骨折にはSliding hip screwよりもNailのほうが推奨される。
後ろ向き研究です。ひと目でNが多そうに見えますが、実は大したことない。みたいな。笑
13年でこれくらいの症例数であれば、日本でも積極的に股関節骨折を取り扱っている病院でも同じ検討ができるのではないでしょうか。
なぜ六角形のブレードがいいかは深読みしないとわからんす。
2017年12月14日木曜日
20171214 JBJSAm Irrigation and Debridement with component retention for acute infection after hip arthroplasty
THAは整形外科の中でももっとも完成された手術のひとつです。
しかし、感染はいまだ100%制圧できるとはいえません。
アメリカのMayoクリニックから。感染性人工関節に対して、いきなり抜去しなくても洗浄とデブリでも結構いいのかも。という論文です。
感染人工股関節90例中65例、83%が洗浄、デブリのみで、人工関節を抜去すること無く対応できましたよ、あと、全身状態がいい人の方が悪い人よりもうまくいくよ。というお話。それは近年の抗生剤の進歩のおかげですよね。という論旨でした。
突っ込みどころは満載です。
1)後ろ向き研究です。最初に筆者らは感染の定義について詳細にのべていますが、ひょっとしたら感染であってもこの定義に当てはまらない症例が除かれてしまっている可能性があります。
2)なぜ、大腿骨頚部骨折の患者と待機的にTHAを受ける患者を同じように取り扱っているのか。明らかにベースが違いますよね。しかも疾患別での検討は忘れてしていないのか、わざとしていないのか。
3)経過中に31例(34.4%)もの患者が死亡して脱落しています。
4)そもそも論として、実際感染性人工関節の治療では、いきなり抜去すること無く洗浄、デブリで経過をみることが多いですから、その経過をみてるだけなんじゃ。。。とも思います。
JBJSですので、いいところもあります。
1)Methodsが詳細。今後後ろ向き研究を英語論文にする人はこれくらい丁寧に書けば良いのだと思います。
2)Staphylococcusが感染の起因菌である場合に、有意差は出ませんでしたがRifanpicin投与によって再手術率が低下しました。骨関節感染症に対してRifanpicinの有用性は言われていましたが、ブドウ球菌属の感染では選択肢のひとつとしてよい薬剤なのかもしれません。
以下サマリ
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- Abstract
- 急性の人工関節感染の患者においてコンポーネントを留置したまま(抜去)洗浄とデブリードマンだけでよいのかどうかというのは議論がある。本研究の目的はTHAの休戦感染症に対して患者の状態、起因菌の状況、抗生剤の種類、インプラントなどの要因がコンポーネントを抜去せずに洗浄とデブリードマンのみを行った場合の成功率とどう関わっているかを明らかにすることである。
- 感染性人工股関節90関節(57関節のTHA、33関節のBHP)。2000年から2012年にかけて感染に対して洗浄とデブリードマンのみでコンポーネントの抜去を行なわなかったものを対象とした。平均フォロー期間は6年。McphersonCriteriaにそって患者を分類した。
- 70%の症例でヘッドとライナーを交換。30%の症例で全く好感をしなかった。77%の患者で慢性感染の状態で推移した。
- 瘻孔の形成、浸出液の持続、疼痛の存在、同じ起因菌からの感染の再燃、コンポーネントの抜去、予期しない再手術、感染に伴う死亡を感染の制圧の失敗と定義した。
- 90関節中15関節、17%で感染の再燃を認めた。感染の再燃のため90関節中9関節でコンポーネントの抜去が行われた。術後早期の感染後の66関節のうち10関節、15%で急性血腫感染の24関節中う5例、21%で感染が再燃した。McPhersonの分類で、宿主のGradeがAの場合に失敗率が8%であるのに対し、GradeBでは16%、GradeCでは44%にのぼった。15例中12例が術後6週以内に再感染が成立した。6週以降では抗生剤の長期投与群が3%、抗生剤の長期投与が行われていない文では11%であった。
- 今までの報告よりも本研究の成功率は高かった。宿主の全身状態が良い症例では治療の成功率が高かった。
- Introduction
- 感染は高い死亡率や追加治療の費用が必要となる。感染の60から70%が急性期の感染であり、これらが早期の人工関節破綻の原因となる。
- 二期的再置換が慢性化した深部感染の治療法として確立しているものの、急性感染におけるコンポーネント留置したままでのデブリードマンと洗浄のみの方法についてはいまだ議論がある。
- 歴史的に、コンポーネントを留置したままでの洗浄とデブリードマンのみの成功率は、失敗率が40%以上と低かった。しかし、抗生剤の発達によって、感染の再置換のタイミングは早くなってきている。
- 本研究の目的はMcPhersonの宿主の状態の分類、感染の菌種、抗生剤、インプラントの状態がコンポーネントを留置したままの洗浄とデブリードマンのみの治療の成功率にどれだけかかわっているかを調べることである。
- Material and methods
- 2000年から2012年までに、単施設で手術された14026例の人工関節患者のうち、感染した116例の患者を抽出。
- 術後1ヶ月以内の感染を急性感染と定義。症状発症から21日以内の感染を血行性感染と定義した。
- 25例の慢性感染患者を除外した。慢性感染の急性増悪と血腫感染とはカルテ上の記載を参考に区別した。
- 急性感染で大腿骨コンポーネントを抜去した患者1例は除外した。
- McPhersonの分類に従い分類を行った。4週以内の感染を急性感染、4週以降の感染を血行性感染。患者の全身状態(Grade A、B、C)と局所の状態(Grade 1,2,3)について分けた。GradeA、25関節、B56関節、C9関節。局所の状態はGrade 1が40関節、Grade2が47関節、Grade3は3関節であった。急性の血行感染のうち3例が術後1年以内に発生した。
- 血腫感染の定義は、デブリードマンした部位から2検体以上から同じ菌が検出されること、炎症反応の上昇、滑液中の白血球数が3000以上。好中球の割合が80%以上、膿瘍の存在。菌体の培養、病理組織で位置視野に5つ以上の好中球の存在をもって急性血行性感染とした。
- 急性感染の定義は、ESR44以上、CRP93以上、関節液内の白血球数が12800以上、好中球の割合が89%以上とした。
- 平均年齢は70±14歳。OAが47例、大腿骨頚部骨折が32例。RAが6関節、ONFHが4関節、転移性骨腫瘍が1関節であった。
- BMIがは33±12。66例が急性感染で24例が急性の血行性感染であった。手術までの期間は急性感染群で22日、急性血行性感染で発症から6日であった。急性血行性感染は術後平均2.4年で起こっていた。
- 28%の症例でMSSAが起因菌であった。10%の症例で培養が陰性であった。17関節でコンポーネントを留置したままでの再洗浄とデブリードマンが行われた。再洗浄までの期間は11日であった。2例でセメントビーズを留置。9例で培養が陰性であったが、創表面の洗浄。6例で深部までの洗浄を行った。
- 経静脈的な抗生剤投与を5.5週間。平均フォロー期間は6年。術後2年以内に人工骨頭を行った13例、THAを行った2例が死亡した。31例の患者が研究期間内に感染と関係のない理由で死亡した。7例が心不全、6例が心筋梗塞、4例が肺疾患。
- 84%の患者が抗生剤の長期投与例であった。
- 洗浄はイソジンなどを混ぜずに、6から9リットルの生殖で洗った。パルス洗浄以上の侵襲は加えなかった。骨頭は脱臼させ、コンポーネントの固定性を確認した。急性血行性感染の患者では目視で確認した。
- 70%の症例で骨頭とライナーを交換した。30%の症例では洗浄のみを行った。
- 術後は感染専門医によって抗生剤の投与が行われた。6週間の治療が完遂できた例では抗生剤の投与が追加された。(69例)
- 結局78例の患者が抗生剤治療を完遂し、うち9例が抗生剤の長期投与を諦めた。
- 術後フォロー中に2例の患者で再置換が行われた。1例は恒常性脱臼で、1例は骨折であった。
- 予期せぬ再手術、同菌による感染、瘻孔の形成などを認めた場合には治療の失敗とみなした。
- 結果
- 90関節中9例で感染の再発を認めた。3日から3.2年。加えて6例の患者で再洗浄が行われた。再洗浄した例では感染の再燃に至った例はなかった。
- 起因菌はMSSAが7、MRSAが2,MRSEが2,GBSが1、腸球菌が2,エンテロバクターが1であった。
- 10関節15%の急性期感染、5関節21%の血行性感染で再置換が必要であった。この2群間に有意差はなかった。
- リスクファクターとして、McPherlenの宿主の状態別に分けた。GradeAが8%、GradeBが16%、GradeCが44%再発した。局所の状態ではGrade1が18%、Grade2が15%、Grade 3が33%感染したものの群間での有意差はなかった。THAの感染は21%で、BHPの感染は9%だった。
- 抗生剤の長期投与について、6週間経静脈的に投与した。69例が長期投与が行なわれ、うち2例で再発した。長期投与が行なわれなかった9例中1例で再発した。
- 60例の患者でブドウ球菌が存在していた。リファンピシンを投与するとP=0.09であるが、29例中3例の再発にとどまった。(投与しないと31例中6例)
- 考察
- 感染性人工関節の治療は未だに難渋する。その成功率は14から90%と様々である。本研究では人工関節の抜去を行なわず洗浄とデブリードマンだけで成功率は83%であった。McPhersonの分類でGradeAの患者は92%であった。
- この治療成績は今までに存在するコンポーネントを留置したままデブリだけ行ったものよりも優れている。この理由のひとつは急性感染症の定義が厳密であることなのかもしれない。
- また宿主の全身状態が治療成績と関連していた。
- ブドウ球菌群に対して、リファンピシンを使うレジメではやや再発率が低い傾向にあった。
- なぜ、長期投与しなかった患者とした患者の間で有意差が出なかったのかはわからない。
- サンプルサイズが小さいこと、THAと人工骨頭をわけていないこと、モジュラーステムがどうだったかはわからないこと、セメントビーズを留置したままの症例があることなどが本研究の限界である。
- 症例を選べばコンポーネントを留置したままの洗浄デブリは有用である可能性がある。
2017年11月19日日曜日
20171119 J arthrop Solid Cup Versus Cluster Hole in Total Hip Arthroplasty: A 10-Year Randomised Control Trial
ソリッドバックカップとクラスターカップのRCTによる比較。
近年ポリエチレンの改良により、Osteolysis(骨融解)が著明に減少しています。
本研究はわざわざ無理にソリッドバック(スクリューホールがない)カップをもちいなくても良いのではないかということを検討しています。
結論として、差がないのでどちらでもいいんじゃね?という結論です。
論文の内容としては結構微妙。突然スクリュー群が出てきたり。フォローアップ率が50%台だったり。1例骨融解をきたした例を除外してみたり。。。。。
10年にわたるRCTなのにねえ。
まあ、結論としては妥当かなと思いますが、鵜呑みにしないようにしましょう。
- Abstract
- 寛骨臼側の骨融解は人工股関節全置換術(THA)の主要な合併症のひとつである。これはWeaしたポリエチレンのカス(デブリス)によって生じる。いままで寛骨臼側コンポーネントのスクリューホールを通じて春日寛骨臼に侵入すると考えられていた。そのためスクリューホールのないコンポーネント(ソリッドバック)がもちいられていた。しかしながら近年ポリエチレンの改良によりカスがほとんど出なくなっている。本研究の目的はソリッドバックのコンポーネントとスラスターホールのコンポーネントを比較して、ソリッドバックで実際に骨融解が減るかを貯めるすことである。これによってスクリューが必要なときに使用できるようになるかもしれない。
- 100例のTHA。Highlyクロスリンクポリエチレンをもちいた。CTにて術後5年、10年で評価を行い、骨融解の量を評価した。
- 100例のTHAの内、14例でスクリュー固定を必要とした。これらはプロトコールに従ってスクリュー群に移動した。10年後で18.2%の患者に骨融解が認められた。クラスターホール群とソリッドバック群の間に有意差を認めなかった。
- THA術後10年で骨融解の発生頻度は低かった。ソリッドバックの優位性はなかった。ただし、クラスターホールでは必要に応じてスクリューオーギュメンテーションを要する。
- Introduction
- THAでセメントレスコンポーネントは多く使われている。未だに骨融解は再置換の大きな原因のひとつである。そしてその骨融解はコンポーネントのスクリューホールと関連している。
- それゆえにスクリューホールのないソリッドバックがその予防として使用されてきた。しかしながらソリッドバックではスクリューによる補強ができないため、早期のカップのルースニングなどの合併症が生じていた。
- 近年ポリエチレンの改良、寛骨臼側コンポーネントの改良により固定力の強化が得られている。そして従来のポリエチレンよりもWearが減少し、骨融解の頻度も低下している。
- すなわち、スクリューホールを通じたバックサイドウエアの可能性も低下しているため、わざわざソリッドバックを用いる必要性は低下している。しかし今までにクラスターがた寛骨臼コンポーネントの有用性をのべている報告はない。
- 本研究の目的はランダム割付をもちいてTHA術後10年間の評価をおこなうことである。
- 方法
- OAまたはRAの患者を対象とした。寛骨臼形成不全の患者、外傷性OAの患者は除外している。
- 単施設によるRCTである。
- 介入方法
- 2005−2007年。1人の外科医によって行なわれた後方アプローチのTHA。
- S&N社(Smith & nepew社)のReflectionカップ。1ミリのアンダーリーミングでカップを設置。ポリエチレンはクロスリンクポリエチレン。ステムはセメントステム。
- カップを設置した際に不安定であれば、どちらの群に割り付けられていようとスクリュー固定を追加した。これらは新しくスクリュー固定群とした。
- 主要評価項目
- 10年後にCTによる評価を行った。
- 骨融解の有無。
- PROとしてOHSとSF12,術後1,2,5,10年で評価。
- ランダム化
- 術直前にコンピューターにて行った。
- 盲検化
- 読影した放射線科医はどちらのカップがもちいられているかはわからないようになっていた。
- 統計学的検討
- 新しく作ったスクリュー群を加えて検討。
- 結果
- 48例がクラスター群、52例がソリッドバック群。
- クラスター群の2例を除外。1例は術中骨折。1例はPaget病が見つかった。
- 14例(クラスター群の3例、ソリッドバック群の11例)でスクリュー固定を必要として、新たにスクリュー群とした。
- 6例が10年後のCT撮像が困難であった。44例中18.2%で骨融解を認めた。
- ソリッドバック群の13%、クラスター群の23.8%に骨融解を認めた。有意差はなかった。
- ソリッドバック群の25%、クラスターホール群の40%でスクリュー固定を必要とした。
- 巨大な骨融解をきたした1例を除いて、検討すると3群間に有意差を認めなかった。スクリュー群で骨融解が多い傾向にあった。
- 機能的評価には有意差を認めなかった。
- 考察
- THA後10年で13-24%に骨融解を認めた。ソリッドバック群とスクリュー群で差を認めなかった。骨融解の量にも有意差を認めなかった。
- 本研究はクラスターとソリッドバックを直接比較した初めての論文である。
- 以前の報告よりも骨融解の率は低い。スクリューの有無で検討した論文がある。これらもスクリューの有無での骨融解の差が出なかった。
- 幾つかのLimitationがある。まずは35%もの患者が死亡し、フォローができなかったこと。続いてスクリュー固定群という新しい群をもちいたことがある。
- 結論
- ソリッドバックを用いる利点はとくにない。
2017年9月18日月曜日
20170918 JBJS Am Patient-reported outcomes after total knee replacement vary on the basis of preoperative coexisting disease in the lumbar spine and other nonoperatively treated joints: the need for a musculoskeletal comorbidity index.
JBJS Amから。
ヨーロッパの多国間多施設共同研究です。(EUROHIP)
アメリカでも骨切りの多施設研究(ANCHOR)が報告しています。
小さな島国のなかで、お山の大将が、「うちの治療がいいんだて!」という時代はすでに終わっています。
新時代に何をしていくのか。10年後の後輩たちのために何を残してあげられるのか。
そんなことを考えながら当直しています。笑
術前の患者の状態を他関節罹患、脊椎疾患に罹患しているかどうかで4群に分けて検討。1関節だけ罹患している場合には脊椎と他関節まで罹患している場合よりも術後の成績が良いですよ。そんなGradingをつくりました。というシンプルなお話です。
抄録のResultをみていただければ驚愕しますよ。
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ヨーロッパの多国間多施設共同研究です。(EUROHIP)
アメリカでも骨切りの多施設研究(ANCHOR)が報告しています。
小さな島国のなかで、お山の大将が、「うちの治療がいいんだて!」という時代はすでに終わっています。
新時代に何をしていくのか。10年後の後輩たちのために何を残してあげられるのか。
そんなことを考えながら当直しています。笑
術前の患者の状態を他関節罹患、脊椎疾患に罹患しているかどうかで4群に分けて検討。1関節だけ罹患している場合には脊椎と他関節まで罹患している場合よりも術後の成績が良いですよ。そんなGradingをつくりました。というシンプルなお話です。
抄録のResultをみていただければ驚愕しますよ。
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- 脊椎疾患、他関節疾患がTHAの臨床成績に影響することが知られているものの、いままでに他疾患の機能障害について評価されてくることはなかった。本研究の目的は脊椎、多関節の状態がTHA術後1年後にどのような影響をあたえるのか。ということを調べることである。
- EUROHIPというヨーロッパ20施設の多施設前向き研究に参加した1327例のTHAを受けた患者。WOMACという患者立脚型評価をもちいて術後1年での臨床成績を測定した。患者をmusculoskeletal morbidity score(MMS)という指標をもちいて4群に分けた。1,単関節のみ罹患、2,多関節を罹患、3,単関節と脊椎を罹患、4,多関節を罹患。年齢、性別、BMI、居住状況、股関節痛の期間、ASA、うつの有無、術前WOMACについての調査を行った。
- 845例の患者で1年後のフォローが可能であった。平均年齢は65.7才、55.2%が女性であった。
- 今回の分類でもちいたMMSという指標で、術後1年のTHAの成績には差があった。効果料は他の評価よりも大きかった。MMS4でも74%の患者で充分な手術の効果があった。
- Introduction
- THAは標準の術式であるが、他の関節症状、身体症状がある患者でその臨床成績がどう代わるかと言うことは明らかではない。
- 一般的にTHAによって良い成績が得られる患者は84%から93%と報告されている。成績不良因子としては高齢であること、もともとの活動性が低いこと、BMIが高いこと、合併症が多いこと、脊椎疾患など多関節の症状があること、うつがあることが上げられている。
- 筋、骨格系の問題は成績不良因子の1つであることが知られているが、それがどれくらいどの程度影響しているかは知られていない。HawkerらはTHAをうける患者の81.2%が他の大関節にも障害を抱えており、その臨床成績は多くで不良であったことを報告している。
- QuintanaらはTHA患者の42.9%で反対側にもOAがあることを氏名。54.5%の患者で腰痛を訴えたことを示し、またそれらの患者では術後6ヶ月での患者立脚型評価の回復が不十分であったことを示している。
- Ayersらは、他の関節、脊椎などの合併症評価としてMuscloskeltal cormobidity indexを作成し、評価をしようとしている。また、Chrnley、Katzらも他の関節についての評価を行っているが、充分とは言えない。
- 本研究の目的は他関節、脊椎の影響についてヨーロッパの他施設共同コホートにてTHA術後1年の患者を評価することによって検討することである。
- 12カ国、20病院。1327例の患者。2004年から2006年。図1のようにして患者をEnroll.
- WOMACによる評価。REPP(術前−術後/術前)を求めて、0.2を満たしているようであれば治療効果あり。
- 4群に分けた。1,股関節のみ、2、股関節と他の大関節、3,股関節と脊椎、4,股関節と他の大関節と脊椎のいずれも
- 結果
- 年齢分布はいずれの群でも同じであった。
- 表3に各郡間の比較を示す。術前の状態はいずれも有意差を認めなかった。
- 図3にREPPを示す。1が最もよく、4が最も悪かった。
- ロジスティック回帰分析を行い、このGradingが有意な因子であることを確認した。Group4と1の間でのみ、RRが0.82となった。
- 考察
- 筋骨格系の合併症はTHAの術をに影響を及ぼす最も大きなパラメーターである。本研究の強みは複数の国にわたる多施設共同研究であることである。
- この4分類で、術者は患者の術前の期待に対してあるていどの回答を与えることができる。他関節、脊椎に問題を抱える患者ではそうでない患者よりも回復が悪い。それゆえに他関節、腰椎の状態についての評価をおこなうことは重要である。
- この方法は他の大関節置換の場合でも同様に用いることができそうである。酷寒説のみならず膝、肩など両側の関節が罹患するような場合には同様に考慮することが考えられる。ただし、膝と肩の場合には同様のコホート研究が必要となる。
- 本研究で予想しなかったことは68%の患者が他関節、または脊椎に問題を抱えていたことである。もうひとつ驚いたことには患者の割合に4群間で差がなかったことである。
- WOMACは膝と股関節を同時に評価してしまうのが問題である。今後は新しい患者立脚型評価について検討を行っている。
- 幾つかのLimitationがある。まず、選択バイアスがかかっている可能がある。研究に参加したのが調子の良い患者ばかりである可能がある。WOMACが膝と股関節を同時に評価するために、反対側の状態を詳細に評価できているわけではない。反対側の膝の状態について適切な評価を行ったわけではない。またこの4群わけのValidityはとれていない
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