2021年4月11日日曜日

20210410 Factors influencing periprosthetic femoral fracture risk A GERMAN REGISTRY STUDY

 目的

大腿骨周囲骨折(PPF)は人工股関節全置換術(THA)の重篤な合併症であり、高齢化に伴い人工関節再置換術の適応となるケースが増加している。本研究では、レジストリデータの分析に基づき、PPFの潜在的な危険因子を特定することを目的とした。

方法

ドイツ人工関節登録(Endoprothesenregister Deutschland (EPRD))にPPFを人工関節再置換術の主要な適応症として記録された症例、および患者の保険記録にある国際疾病分類(ICD)コードに従ってPPFを有すると分類された症例を、EPRDに登録された249,639件の人工関節再置換術の全データから同定し、分析に含めた。

結果

PPFの発生率は、PPFを再置換の主な理由として挙げているEPRDの年次報告書の報告率(10.9%、654件)よりも高かった(24.6%、1,483件)。骨折の大部分は術中に発生したもので、移植の過程に直接関係していた。高齢者、女性、または合併症を持つ患者は、PPFのリスクが高かった(p < 0.001)。年間の一次手術件数が300件未満のドイツの病院では、PPFの発生率が高かった(p < 0.001)。セメント製およびカラー製の人工関節を使用した場合、非セメント製およびカラーレス製の人工関節と比較して、それぞれ骨折リスクPPFが低かった(いずれもp < 0.001)。カラー付きの人工関節は、固定方法や病院の手術件数にかかわらず、PPFのリスクを低減した。

結論

術中骨折の割合が高いことから、外科医のトレーニングと手術手技を改善する必要性が強調された。レジストリのデータは、施設間でコーディング基準が異なる可能性があるため、慎重に解釈する必要がある。


<論評>

最近レジストリーベースのPPFの研究が盛んです。

PPFは比較的頻度の低い合併症であるため、このようなレジストリーベースの研究が性に合うのでしょう。

セメントレスステムはやはり骨折しやすいので、注意が必要です。特に年齢が低い患者でも骨折が起こっており、骨質だけの問題ではなさそうです。

だからセメントステムを使えと言うているではありませんか。笑


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