2020年7月26日日曜日

20200726 JBJS Risk of Nonunion with Nonselective NSAIDs, COX-2 Inhibitors, and Opioids

背景
シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)が骨折の治癒に重要であることがわかっている。シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)は動物モデルにおいて骨折治癒に重要であることが明らかになっており、骨折後の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や選択的COX-2阻害薬の使用が懸念されている。我々は、NSAIDs、COX-2阻害薬、オピオイドと長骨骨折後の非骨折との関連を評価した。
方法
 2000年1月1日から2015年9月30日までの間に、Optumの非識別化されたClinformatics Data Martデータベースから得られた民間健康保険請求データを用いて、1年間の追跡データが利用可能な長骨骨折の成人を同定した。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、骨折後のNSAID、COX-2阻害薬、またはオピオイドの処方箋と、骨折後1年以内の骨癒合不全のリスク(骨癒合不全を治療するための処置を受けたものと定義)との関連を検討した。
結果。
偽関節を治療するための処置を伴う骨癒合不全の診断は、339,864例の骨折エピソードのうち2,996例(0.9%)の後に確認された。その割合は骨折部位によって異なっていた。この転帰のリスクは、COX-2-阻害薬を処方された患者(修正オッズ比=1.84[95%信頼区間=1.38~2.46])またはオピオイドを処方された患者(1.69[1.53~1.86])では高かったが、骨折後に非選択的NSAIDを処方された患者(1.07[0.93~1.23])ではそうではなかった。
結論。
COX-2阻害薬は、非選択的NSAIDsではなく、骨折後の非骨折のリスクの増加と関連していた。オピオイドの処方を受けている患者はより重度の骨折を罹患しているかもしれないが、オピオイドも骨癒合不全のリスクと関連していた。

<論評>
今までも言われていたことを大規模な保険データベースを用いて検討したものになります。
アメリカではオピオイドの過剰処方が問題となっています。すこしでも痛いというとオピオイドが処方されるのでしょうか。
オピオイドの骨癒合に関する基礎的知見に興味がわきますね。


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