2019年2月23日土曜日

20190223 JBJS Development Of Squat-and-smile Test As Proxy For Femoral Shaft Fracture-healing In Patients In Dar Es Salaam, Tanzania

背景
医療資源の乏しい地域では、外傷後の骨折治癒を評価する方法がない。今回スクワットアンドスマイルテスト(以下S&Sテスト)が医療資源の乏しい地域で行われた髄内釘の骨折治癒評価として妥当かどうかの検討を行った。
方法
S&Sテストはスクワットの深さ、スクワットに補助が必要か、あとは表情の3つの項目にて評価する方法である。大腿骨骨幹部骨折の患者に対して術後6週、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の時点でS&Sテストを実施した。二人の検者が写真で評価を行った。EQ5DとS&Sテストの相関を検討した。また検者間、検者内誤差の検定のためにκ検定を行った。感度と特異度についての検定を実施した。
結果
231患者の609例の写真についての評価を行った。S&SテストとEQ5Dとの間には相関が認められた。スクワットの深さとスクワットに補助がいるかどうかは再手術の必要性と相関を認めた。3項目全てで高い検者内、検者間の一致度を認めた。
結論
S&Sテストは低所得の国において大腿骨骨折の治癒を評価することのできるツールである。携帯やテキストメッセージによる遠隔地からの評価も可能とする。

<論評>
タンザニアで行われたスタディをアメリカから報告したものです。
現在の地球の人口70億人。その多くが発展途上国に在住しています。日本のような体系だった保健医療が受けられるのはほんの一部だと認識しています。
レントゲン写真もろくに撮れないような国でどのように術後評価をするかという論文です。
論者はいままでに、東南アジアの国ではイメージを使わず手術を行い髄内釘が髄外釘になっていたという笑えない話や、これとは別に、中央アジアの国では髄外釘にしないようにするために開放骨折部から上にまずネイルを挿入してそのネイルに遠位の骨片をさしこんでいたと言う話も聞きました。
いま自分が行っている医療が当たり前のものではない。ということを知るためにも海外に積極的にでかけ見聞を広めることは重要だと感じています。

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