2010年5月5日水曜日

2010.5.1 JBJS(Am) The Risk of Revision After Primary Total Hip Arthroplasty Among Statin Users

要旨
スタチンは骨代謝とその炎症の抑制に効果があると言うことが知られているが、THAを行った患者に対してその効果がどのようなものであったかと言うことを調べた報告は今までない。
方法
1996年から2005年までにデンマーク股関節登録センターに登録されたプライマリーTHAが行われた2349例についての検討。propensity score matchingという手法を用いて、同様の背景をもつ2349例をコントロール群として多変量解析を用いてスタチンを使っていることが有意に再置換のリスクを減らすかどうかを検討した。
結果
57581例のTHA患者のうち、8.9%が10年積算で再置換を要した。術後にスタチンを用いた群での再置換に対する相対危険度は0.34であった。この他、感染、ゆるみ、脱臼、人工関節近傍骨折の危険性も低かった。
結論
スタチンはプライマリーでTHAが行われた症例に対してその再置換を減らす効果がある。しかしながらそのメカニズムが明らかになるまでは健康な成人に対して人工関節の延命を目的としてスタチンを投与することが適当であると言う事は言えない。

<論評>
propensity scores matchingという方法を用いた解析によってスタチンがTHAの長期生存に有効に働くのではないかと言う事を示唆した文献。
この解析方法が面白いと思いましたし、また同様に日本でもregitration systemを作って同じような発表ができればと願います。

0 件のコメント:

コメントを投稿