背景
人工関節感染にて二期的再置換を行う際に適切なバイオマーカーはなにかということについてのコンセンサスはない。
目的
感染性人工関節の二期的再置換で人工関節再置換の最も適切なタイミングを検討すること
方法
MEDLINE、Cochraneなどのデータベースから論文を抽出。THA,TKAについて感染後の再置換について報告された論文について抽出。12論文が最終の検討に残った。1047例の検討。4論文が再置換の際のバイオマーカーについて、12論文全てで、ESR、CRP、白血球数がカウントされていた。また関節液のグラム染色、細菌培養、超音波にて破砕したあとの細菌培養、関節液中の白血球数、好中球数、組織のグラム染色、組織培養、骨シンチなどが各論文で検査として行われていた。これらについてQUADAS2を用いてメタアナリシスを行った。
結果
組織培養が感度0.82、特異度0.91で最も高かった。関節液中の白血球数、関節液培養はそれぞれ感度0.77,特異度0.74。感度0.64、特異度0.96と補助的な検査として位置づけられた。その他の感染の指標としてESR、CRP、関節液中の白血球数は感度0.56、特異度0.60、感度 0.53、特異度0.72、感度0.37特異度0.49とその意義が少ないものもあった。
結論
メタアナライシスの結果感染の診断にはいくつかのマーカーを組み合わせて行うのが基本であると考えられた。更に多数の検討が望まれる。
<論評>
人工関節置換術後に何を基準として再置換したほうが良いかは議論があります。一般的には二期的再置換であれば抜去後6から8週間経過したあとに、血液検査でCRP陰性。かつ穿刺して陰性であれば許されるようなところはあると思います。
このようなメタアナライシスは有用なのでぜひ今後もあると良いと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿