2015年6月12日金曜日

20150612 JBJSAm Weight changes After THA or TKA

  • THAまたはTKAの術後に体重が減少するかどうかというエビデンスには乏しい。本研究の目的はTHAまたはTKA術後の患者さんでの術後体重の変化について調査し、THA,TKAの手術に与える影響について調べることである。国家規模のレジストリーを用いてOAでTHAまたはTKAの手術を受けた患者さんのBMIを測定した。5%以上の変化があったものを有意な変化があるとした。結果 3893例のTHAの患者、3036例のTKAの患者について検討をおこなった。THAの73%の患者、TKAの69%の患者で体重の変化を認めなかった。TKAの患者の方がTHAの患者よりも体重の減少を認める患者数が多かった。体重減少群では臨床成績がよかった。体重増加と臨床成績の低下の間には相関を認めた。肥満、TKA、女性は体重減少と関連があった。術前の機能の良さは術後の体重増加と関連があった。多くの患者がTHA,TKA術前後で体重の変化を認めなかった。もともと太っているTKAを受ける女性患者では術後痩せる可能性が最も高い
  • 考察 人工関節置換術後で体重が増減するかどうかについては今までいくつかの報告がある。多くの研究はサンプル数が少なく、術前、術後の体重がどう変わったかだけを示しているものであった。本研究では690例の人工関節置換術を受けた患者を対象として、臨床的に意味がある体重の変化のみを観察対象としている。またその体重減少が臨床成績にどのように影響したかを検討した。本研究にはいくつかの限界がある。まず患者が自己申告した身長体重がまちがっている可能性がある。特に太った患者では自分の体重を過少申告されることが多い事が報告されている。本研究ではそのような間違いを出来るだけ減らすためにICCを計測し、そのICCが0.95と高かったため自己申告による体重で問題ないものと考えた。また別の問題としてアメリカの都会にある大病院での単施設研究である為人種、教育に偏りがあった。本研究ではTHAを受けた患者の73%、TKAを受けた患者の69%が体重が変化しなかった。ただし太った女性でTKAを受ける患者さんでは有意な体重減少を認めた。また高度の肥満がある群の方が術後体重減少し易かった。これらの結果は他の研究とも一致する結果であった。逆にやせた男性でTHAを受けた患者では体重は全く増えなかった。TKAの方がTHAよりも体重が減る事が多かった。女性の方が体重減少する事が多かった。また体重の変化と臨床成績の間には相関がみられた。THAでは体重が減ると成績が良く、また体重増加している群では成績が不良であった。TKAでは体重増加が臨床成績の悪化と関連していた。


<論評>
4000というn数を出されたらかないませんわ。 この論文を書いている当人たちも『本研究の強みはnが最大であること』とのたまわっておられますし。
体重増加したから臨床成績がわるいのか。手術がうまくいかなくて太ったのかは分かりませんが、n数の多さでここら辺の議論を封殺しております。
日本で同様な研究をしても勝ち目はないですね。
さて、自分が勝負する分野はどこにしようか。。考えないと。。。


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