2014年3月22日土曜日

20140322 Modular neck型 人工股関節ステムのRecall!


2014 MarchのJBJS(Am)にModular neck typeステムの 不具合の報告が出ております。

1. Early Corrosion-Related Failure of the Rejuvenate Modular Total Hip Replacement
2. Fretting and Corrosion in Modular-Neck Total Hip Arthroplasty Femoral Stems

ABG2とRejuvenateというともにStryker社製のステムです。
幸い日本では認可されていない模様です。(日本語で調べても出てこなかったから。)

ともにネックとステムの接合部での腐食が原因のようです。

ABG2は15例中7例で内側カルカの骨融解が進行し全例再置換を必要とし、Rejuvenateは104例で4年間の人工関節生存率がわずか40%。。。。ほとんどが2年以内に以上をきたしているということです。

この機種、この会社特有の問題であれば良いのですが、Modular neck特有の問題である可能性も否定できません。
他機種ではどうなっているかという検証が必要だと考えます。





2014年3月14日金曜日

20140314 J Arthroplasty Surfing for Hip Replacements: Has the “Internet Tidal Wave” Led to Better Quality Information

<論評>
インターネットと医学情報の関係についてです。今回はTHAについて読んでみました。
椎間板ヘルニアだと84%が役立たずな情報でした。
THAでは。。。。。。54%で深刻な欠点がみとめられたとのこと。
インターネットにかいてある医学情報を鵜呑みにしてはいけません。ウンウン。
このサイトに書いてあることも。。。笑


本研究の目的はインターネット乗で”人工関節置換術”(THR)と検索したばあいに得られる情報の質について検討することである。インターネット上の情報の質をDISCERNスコア、JAMAスコア、、THAについての内容スコア、HONコードについて評価を行った。商業用サイトが最も多く、政府系またはNPO法人のサイトが最もDISCERNスコアが高かった。HONコードを取得しているサイトでは無いサイトよりもDISCERNスコアとTHRについての内容スコアが高かった。医師がもし患者に進める場合にはHONコードがついているサイトを勧めるようにしたほうが良い。
インターネットの発達によって健康情報はより早く容易に取得できるようになっている。インターネット上の情報はあまりに大量で、その健康についての情報はさまざまなレベルに有る。インターネットから適切な情報を取得することは非常に難しい。
アメリカでは成人の85%がインターネットを利用しており、72%の人が昨年一年間の間に一度は健康または医療情報をインターネット上で検索したと答えている。77%の人がグーグル、ヤホー、Bingで検索を行い、その他13%がWebMDといった専門ページで検索を行ったと答えている。
一方、インターネット上の健康情報には危惧される点も多い。52%もの人がインターネット上の健康情報が信用できる、または大方信用できると回答している。今までの研究結果ではインターネット上の健康情報は多くが不正確であることが示されている。
THAは変形性股関節症の患者にとって有用で、アメリカでは年間30万人がTHAを受けている。Drummondらはインターネット上にあったOTが作成したTHAについてのリーフレットの内容が一部間違っているということを報告している。またオランダでは病院選びの一つの基準としてインターネットが使われていることが報告されている。しかしながらTHAそのものの情報について評価した報告は今までに一つも無い。
対象と方法
グーグル、ヤフー、Bingの3つの検索サイトに”Hip replacement”と打ち込んで検索。
グーグルが検索シェア全体の83%、ヤフーが8%、Bingが5%である。一億7千万サイトの内、最初の40サイトを抽出した。すでに閉鎖しているサイトを除外した。
まず、各サイトの管理者が誰で有るかを調査した。学術機関、商業ベース、医師、非医師、メディア、SNSサイトのグループ、政府系またはNPO法人、その他不明に分類した。
サイトの内容の正確性についてはHONコード、DISCERNスコア、JAMAベンチマーククライテリア、またTHA特有の問題について記載されているかを評価。
HONコードとはそのサイトの情報開示度、確からしさを評価するNPO法人からのお墨付きのことである。
DISCERNスコアはサイトの信頼性、治療方針の決定について15項目の質問、80点満点で評価する方法である。
JAMAベンチマーククライテリアは筆者の来歴、所属、情報開示、金銭面のやりとりについて明らかにされているかを調べる方法である。いつ情報が公開されたのか、広告主とのCOIはどうなのかということについて評価を行った。
表1はTHA固有の問題について評価するために作った項目を示す。30点満点である。
筆者が一人でネットを検索して評価を行った。
結果
表2に検索の結果を示す。52の独立したサイトが示された。図2にそのインターネットサイトがどの表酒によって運営されているかを示した。最も多かったのが企業によるものであった。HONコードによって保証されているサイトは9サイト、17.3%に過ぎなかった。
それぞれの結果を示す。DISCERNスコアは平均46.9点であった。最も高いスコアを示したのはNPO法人が運営するサイトであった。8サイトで全てで63点以上であった。11.5%、6サイトでは26点以下という目も当てられない用な結果となった。
Mediaが発信するサイトは有意にその質が低かった。HONコードで保証されているサイトは有意にDISCERNスコアが高かった。
JAMAのベンチマーククライテリアは4項目について調査いた。著作権について記載されているものが最も多く88%であった。62%のサイトで編集した日時が記載されていた。しかしながらディスクロージャー、広告収入の有無については30%以下のサイトでしか記載がなかった。
THAの内容についての記載は平均14.87点であった。医師が運営するサイトで最も高く、メディアが運営するサイトで最も低かった。HONコードがついているサイトは有意に点数が高かった。
考察
医療は医師中心のパターナリズムから医師患者間で相談しながら治療を進めていくという方向に変わりつつ有る。患者側ワ質の高い情報を希望し、自らの状況について自己決定するための情報を求めている。
DISCERNスコアは平均46.9点であった。これはインターネット上のTHAの情報が中程度のクオリティしか無いことを示している。しかしながらメディアからの情報を除くと平均点は51.1まで上昇し、十分な質の情報であるといえる。関連した情報、情報のバランス、他の治療オプションについての評価は高かった。しかしながらその情報の出どころであるとか、もし治療を受けない場合にはどうなるのか、さらに情報が欲しい場合にはどうしたらよいのかという情報は不足していた。
本研究では政府系またはNPO法人からのDISCERNスコアが最も高いことを明らかとした。企業系のサイトはかたよりがあることがわかった。
Kwongらは表面置換型ジンコウカンセツにおいて40%のサイトでその不利益についてのg言及が無いことを明らかとしている。たにもSaitnaらは80%のサイトで短絡的な結論が導かれており、40%のサイトで合併症の記載がなかった。ある医師が一人で運営しているサイトでは明らかな医療上の間違いもあった。MISについて書かれているTHAのサイトでは91%ものサイトでメリットばかりが述べられ、質が低いことを示している。
本研究では54%のサイトで深刻な欠点が認められた。
HONコードがついているサイトではDISCERNスコアが高かった。HONコードはインターネット上のサイトの質を評価するNPO法人から出されるシールである。HONコードはコードがついているサイトはTHAについての内容も適切であった。これらのサイトは医師患者関係を補完するよりよいツールとなりうるものと思われた。

リミテーションは一人でサイトの評価を行ったこと。検索語がTHAで検索したため股関節置換で検索した結果が出ないこと。他の検索サイトでどのような結果になるかわからないこと。毎日サイトは変化しているためこの結果はすぐ変わりうるということである。