2012年12月17日月曜日

20121216 25th AADO-OLC comprehensive bioskill course on fracture fixation その4


変形治癒偽関節
変形治癒偽関節について明確な定義はないなにをもって骨癒合とするかとい定義もはっきりとしたもはない関節内変形が残存することが基本的には許されていないだろといがコンセンサス

外傷後関節感染
開放骨折は全身状態悪化軟部組織防御組織破綻出血など感染が成立しやすいすべて要素を備えている
とにかく抗生剤投与は早く開始すること3時間以内が望ましい基本的にはCEZGM投与香港先生たちはこれにシプロキサンを加えていたが別にエビデンスは無さそ
骨折部強固な固定軟部良好な再建が必要である

cadaverワークショップ
脛骨内後方へアプローチ縫工筋前後で分けてダブルインドとして侵入することも可能

後側方アプローチ幸いにして今までそこまで重症な骨折にであったことはないただ三次で外傷を取り扱先生には必要なアプローチなだろ

sural frap, medial gastrochnemius flap, soleal flap一応勉強していたつもりであるが全く刃が立たなかった。。。もしおこなといことであるならば皮弁を体系的に学ばないと行けないだろと思った。今の自分の実力では無理ですね。。

講義の内容は日本で散々セミナーに出席してきたので、びっくりするような目新しい内容はありませんでした。
しかしながらこの香港の外傷チームは外傷チームとしてそれぞれ役割を与え、教育システムを構築し、このようなセミナーを世界向けに行なっているところが素晴らしいと感じました。

日本で漫然と聞いているのよりは刺激にもなりますし、是非次の機会もあれば参加したいものです。




20121216 25th AADO-OLC comprehensive bioskill course on fracture fixation その3

さてはて、このコースも2日目。

このセミナーの時間のルーズさにはびっくり。笑
まったく予定通りに講義が終わりません。まあ、こんなものかもしれませんね。
講義をしてくれるのはprofecerから若手まで。
若手の先生が自信をもって自分の担当分野を講義する様子に感銘を受けました。
英語の勉強にはなるし、プレゼンテーションの練習になるし一石二鳥ですね。

日本でこのようなセミナーが行われない理由は言葉の壁が大きいそうです。。。。
同時通訳をいれるとものすごくセミナーへの参加費が高くなってしまうそうです。
英語でもいいから、いい話を聞きたいんだ!という強い気持ちを持つことが大事ですね。

創外固定の基礎と合併症
ピンが太く、ピンとピンの間が広く、ピンの数が多いこと、骨とロッドの間が短いことで固定性が増す。
ピンサイトの感染が0−15%で発症。またピンのゆるみ、創外固定器による褥瘡の出現。(特に骨盤創外固定)には注意。

大腿骨転子部骨折の過剰なスライディングの話。
患者側の要因よりも手術での整復が髄内型、外側型になっていることが問題であると。おこがましですが統計学的検定が惜しいなあと。整復などは骨折型と交絡が否定できませんので因子間の調整を行った上でlogistic multivariate regressionを行うべきであると考えました。

膝蓋骨骨折
全人口の1%にみられる骨折であるが未だにcochraneにのるような質の高い研究は無い。とのこと。皆が経験的に治療をしている。
横骨折であればtension band wiringは効果的であるが、斜骨折、少しでも粉砕があるような場合には有効ではないので注意。私が普段おこなっているk-wireをもちいたtension band wiringはmodifiedだったのですね。。。。
皮切は縦が良いのか横が良いのか、K-wireをどれだけ入れいるのか、いつリハビリを開始するのか、術後の固定は必要か、免荷はどうするのかといった内容に答えは未だ見つかっていないと。
香港の先生は経皮的なwiring、関節鏡下での整復位確認などを行なっているということでした。変わったことするなあと。笑。けど、面白い目の付け所だと思います。
distal pole fracture(sleeve fracture)はpartial paterectomyをするとのこと。へえ。

足関節骨折
三角靭帯は距骨の動的安定性に関わっている。Micheal PらのArch orthopでの内反受傷型の足関節骨折のreviewでは4ミリ以上の内側関節開大、ストレステストでの5ミリ以上の関節開大があれば三角靭帯の再建を追加すると良いとのこと。
Syndesmosis screwの話。骨折型を評価して前脛腓靭帯が5ミリ以上開いていれば固定術を。アメリカではスクリュー4,5本で、ヨーロッパ、香港では1本のスクリューで止めることが多いと。
この部分の関節はなかなか上手に整復、固定できていいないことがおおいと。術後CTで確認すると脛腓靭帯の亜脱臼が50%以上に見られる。

コンパートメント症候群
とにかく痛がるので、痛がったら内圧はかって筋膜切開。

神経血管損傷、軟部組織再建
神経血管損傷を起こしやすい脱臼、骨折を知っておく。(膝関節脱臼と膝窩動脈、上腕骨骨折と撓骨神経麻痺みたいな。)。骨折にともなって起こる神経麻痺は時間はかかるものの基本的には予後良好なことが多い。ただ整復で骨折部に巻き込んでいないかの確認は必要。
軟部組織再建は”reconstruction ladder”の原則を知っておく。VACによる陰圧療法はやはり有効であるとの認識。
ただfree flapなどが不要になるわけではない。

2012年12月16日日曜日

20121215 25th AADO-OLC comprehensive bioskill course on fracture fixation その2

プレート理論
プレートの理論はAO principleで聞いた話とほぼ一緒。むしろAO principleのほうが体系だっていて良いと感じた。
自分が使っているプレート、スクリューの意味を考えながら使用すること。
compressionによる一次骨癒合を目指しているのか、それともbridgingによる二次骨癒合をさせようとしているのか。
コーティカルスクリュー、ハーフスレッドスクリューなどの使いわけ。
Plate-Span ratio, Plate screw ratio。
骨折部をまたぐだけの十分な長さ(2倍から3倍)のプレート。骨幹部でスクリュー穴の50%、骨幹端部は75%を固定。骨折型によって固定するスクリュー数を決定。
ロッキングスクリューは先端のセルフタップの部分での固定性が低いので長さに注意。

髄内釘
もっとも患者にたいする侵襲のすくない手術の一つ。筋肉の付着部を考えると転位する方向がわかるので整復の際によく考えること。

ワークショップ
cadaverを使用したアプローチ、固定法の実際。

膝蓋骨固定。十分な幅をもった8の字締結。

大腿骨外側プレート固定。
大腿骨からGardy結節までの長軸方向の皮切。
脛骨のプラトー骨折でも同様。脛骨プラトー骨折の時にはGardy結節からITBをはがして外側半月板を持ち上げて骨折部を直視でみて整復することが重要。

足関節の展開。
外側後側方アプローチ。なれると腓骨筋腱をその腱鞘からはがすだけで早く展開できる。そのまま脛骨後方の固定までいけるので三果骨折のときには有用。

Cadaverはほんとにわかりやすく、今後もそのような機会が得られるのであれば是非体験したいものですね。

20121215 25th AADO-OLC comprehensive bioskill course on fracture fixation その1

ブログの更新も学会などで滞っておりましたが、只今ブログ主は香港に来ております。
香港で25th AADO-OLC CBCFF 2012に参加させていただいております。

AADOーOLCは日本でいえばJABOにあたるものです。
JABOはStr◯ker社が主催する骨折の勉強会の一つです。大腿骨頚部骨折のような誰もが経験する骨折からpilon骨折のようなすこし難しい骨折まで体系だって勉強できる良い機会だと思います。
受講されていない方は是非Stryke◯社の関係者もしくはHPから問い合わせて参加されることをオススメいたします。

AADOですが、JABOのアジア版といった趣の会です。
JABOとの違いは
1.当然英語。
2,cadaverによる実習が体験できる。
ことです。

医療は文化、その国の背景に大きく左右されるところはありますが、それでもタメになりましたので、いくつか覚書程度に残して参ります。

福田先生の大腿骨転子部骨折と整復の評価
AP、MLそれぞれを3つずつ分ける。AP像でmedial, anatomial,lateral
ML像でintramedullary, anatomical, extramedullary
それぞれ近位骨片が遠位の骨片に対してどの位置にあるのかを評価。レントゲン評価でlateral, intramedullaryタイプが最もスライディング量が多い≒整復損失が多い。

そこでk-wireを用いた整復。
前方から先を少し曲げたk-wireを挿入。カパンジー法に準じて回転させながら整復。近位骨片が遠位骨片に対して内側、そして髄外型になるように整復する。

手術計画
レントゲン写真だけでなく患者の状態などもすべて勘案し手術計画をたてる。手術は手術室(Theatre)で行われるので、台本とリハーサルが必要である。
計画は起こり得ることをすべて考えておく。PlanA,B,Cといくつも考えておく。
自分の経験。手術室の設備、周囲の経験量などをふまえて手術は可能な限りのところまでとする。5時間も6時間もかかって整復固定し、感染させるくらいなら創外固定で帰ってくるという選択肢があってもよい。

MIS
傷が小さいことをめざす必要がない。正しく整復、固定できることが重要。

Damage control surgery
Hong KongのQueen Elizabeth Hospitalのtraumatologyの治療の変遷、その治療成績の話。
最近はnon responderに対する治療としてRCC,FFP,Pltを1:1:1の割合で大量投与開始。まずはとにかくペルビックバインダーを装着。FAST陽性であればそのまま回復の準備へ。FAST陰性であれば後腹膜ガーゼパッキング。その後創外固定、TAEを考慮と。これによって死亡率が70%台から40%台までさがったということであった。
治療方法をプロトコールとして院内に周知徹底しておくことが大事。