要旨
骨粗しょう症を伴った大腿骨遠位部骨折はいまだにその治療に難渋する。この研究はさまざまな内固定材のその生体力学的な特徴を検証することである
方法
AOC2の骨折型を作った骨モデルを用いて、3つの髄内釘型の内固定材、1つのプレート型の内固定材で固定し、軸圧と回旋力に対するその抵抗力を測定した。
結果
プレート型の内固定材はほかの内固定材に比べてその回旋抵抗力が有意に高かった。4つのロッキングスクリューでとめるタイプがそれに続いた。軸圧に対してはプレートタイプがもっとも弱く、4つのロッキングスクリューでとめるタイプがもっとも大きな抵抗を示した。繰り返しの回転力をかけ続けるテストでは4つのロッキングスクリューでとめるタイプがもっともその破砕までの回転数が多く、プレート、ブレードでとめるタイプ、二つのロッキングスクリューでとめるタイプの順となった。
結論
生体力学的には4つのロッキングスクリューでとめる内固定方法が、軸圧にも強く、プレートについで回旋力にも強いのでこのような内固定材が薦められる。
図1 四つの内固定材 A:ストライカーT2大腿骨用髄内釘 B:ストライカーのsupracondyl nail C:Synthesのブレード付ネイル D:大腿骨遠位端用のLCP
図2 作成した骨折モデル
図3 力を実際に加える機械
図4 回旋力を加えた場合:Dが最強。Cが最弱
図5 ROMについての中立的な場所。Cがもっともスクリューを打つ範囲に自由度があり、Dがもっとも小さかった。
図6 実際の骨と骨モデルとの間での違い。有意な差が出るほど大きな差がある。
図7 繰り返しの力を加えてどこで破綻するか。Bがもっとも優秀であった。
ストライカーから研究委託を受けて行われた研究。Sy社のブレードなどよりもストライカーのsupracondyle nailがいいよ、という結論が出た。
優秀な機械であることは否定しないですけど。
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