2009年7月2日木曜日

JBJS 2009 complication rates following open reduction and internal fixation of ankle fractures

足関節骨折に対する手術療法の合併症の割合Abstract背景 足関節の骨折はよく起こる骨折のうちの1つである。この研究の目的は手術を行った患者の合併症の割合を調査することである。方法 カリフォルニアの退院データベースを利用した。1995-2005年までに57183人の足関節骨折に対し治療を行った患者を対象にした。退院後90日以内の合併症を短期合併症とした。足関節固定術と足関節形成術をおこなった患者を中期合併症とした。ロジスティック解析を用い様々な要因を調査した結果 短期合併症が起こる確率は低かった。肺塞栓が0.34%、死亡率が1.07%、創部感染が1.44%、切断にいたったものが0.16%であった。再手術は0.84%の症例に行われていた。中期合併症が起こる確率もまた低かった。5年間で0.96%の患者に対して足関節固定術または足関節形成術が行われていた。開放骨折であること、年齢、合併症の存在は短期合併症との強い関連が認められた。DM、血管病変の合併は特に強い因子であった。中期合併症のうち、三顆骨折と開放骨折は足関節固定にいたることが多かった。経験症例数が少ない病院であっても合併症の発生率とは関係がなかった。結語 開放骨折であることとDM、血管病変の存在は合併症の発生と強い関連があった。また骨折型は中期の合併症との関連が認められた。病院の大きさは合併症の発生と関係がなかった。図1 各骨折型の症例数図2 患者背景図3 骨折型、合併症、病院の種類による短期合併症の発生率図4 ハザードratioによる短期合併症の発生との関連開放骨折かどうかということと強く関連している。骨折型との関連はほとんどない。切断となったり感染したりといった患者はDMの患者に多い(3.86%、7.71%)。血管病変を有するものでも同様。(3.44%、6.87%)。高齢者のほうが感染、死亡率が高い(2.37%、4.91%)。病院の規模は関係がなかった。図5 中期合併症三顆骨折であると再手術率が上がる。開放骨折も同様。DMの有無は合併症が起こるかどうかの重要な要素である。手術はどんな規模の病院で行っても中期成績も変わらない考察合併症はおこりにくい。しかしDM、血管病変をもっていると感染、切断を含めた重篤な合併症を発症しやすい。病院の規模は関係がなかった。足関節骨折において術後合併症が少ないことはよく知られている。高齢者でも少ないということをKOVALらが明らかにしているがこの研究によってどんな年代でも合併症が起こりにくいということが示された。塞栓は起こりにくい。塞栓にたいする予防策がとられたかどうかは不明。0.34%であることがこの研究でわかった。致死例の報告は時になされているが言うほどではない。VTEの調査を行った研究があるが遠位の塞栓症が起こるのは20%であったが、近位塞栓はヘパリン群で3%、プラセボ群で4%であった。DVTは高率に起こるがほとんどが無症候性で予防薬は効果がなかった。カリフォルニアでどれくらいの患者が塞栓の予防療法を受けているかはわからないが、80%以上の術者が行っていないという報告がある。起こるリスクの高い患者だけが予防薬投与を受けている可能性がある。リスクが高い群には注意を払っておいたほうがよい。この研究ではDMがあったり血管病変を有する群では明らかに短期合併症を起こしやすい。感染は7.71%対1.44%。切断に至る可能性は3.86%、(健常群は0.16%)。健常群で切断にいたる例は本当にまれである。B/K切断が行われている。DMはとにかくいかん。そのような合併症がある患者では適切な対応が必要となる。中期合併症についてははっきりとしない。0.96%が再手術を受けた。開放骨折か骨折型が粉砕しているものが予後不良であった。前もって患者に話しておくことが重要である。病院の規模では変わらなかった。THA,TKAでは普段行っていない病院で行うと合併症が多くなることが知られている。どこでも同じようなことが行われているからだろう。この研究は退院データベースに基づいており、予後についてはまったく不明である。また長期予後についても述べること賀でいない。どのように外来で扱われていたかもわからない。タバコ、アルコールについても調査していない。

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