2018年8月15日水曜日

20180814 CORR Does the Alpha-defensin Immunoassay or the Lateral Flow Test Have Better Diagnostic Value for Periprosthetic Joint Infection? A Systematic Review

背景
関節液内のアルファディフェンシン量の測定は人工関節感染(PJI)の診断の一助となる。関節内中のアルファディフェンシン量を測定するためのキットは、24時間で結果の出る酵素結合免疫吸着型アッセイベースのSynovasureアルファディフェンシンイムノアッセイと20分で結果のでるSynovasureラテラルフローテストの2種類が上市されている。どちらのテストが有用かと言うことを検討した文献はない
臨床上の疑問
イムノアッセイとラテラルフローテストのどちらがPJIの診断に有用か
方法
PRISMAガイドラインに沿って2017年4月までの文献を渉猟した。1578編の論文が渉猟されたが、除外基準に従って除外したところ7編の論文のみが残った。(4編のイムノアッセイと3編のラテラルフローテスト)。アルファディフェンシンイムノアッセイでは482症例、ラテラルフローテストは119例であった。QUNDAS2による論文の質の検討を行い、異質性の調査を行った。感度、特異度、陽性尤度比、陰性尤度比、ROCカーブをそれぞれ計算した。
結果
アルファディフェンシンイムノアッセイはラテラルフローテストよりも優れた診断能力を示した。感度96%対71%。特異度96%対90%。ROCカーブでは0.98対0.75であった。
結論
関節液内のアルファディフェンシンの測定において、ラテラルフローテストより逸無のアッセイテストがより正確な診断が得られた。ラテラルフローテストの感度は低く、感染の除外診断には薬に立たない。一方、特異度が高く即座に結果が得られるため、術中の感染の確定に役立った

<論評>
世の中を席巻?しているアルファディフェンシンの測定についての感度特異度に関するシステマティックレビューです。
ラテラルフローテスト(インフルエンザの診断キットのように関節液を垂らして診断する。本邦でも発売中)の感度は低く、特異度は高いとの結果でした。つまり、陰性だからといって感染が否定できるわけではなく、陽性であれば、検査前確率が十分に高ければほぼ感染と確定診断できるというわけですな。

2018年8月8日水曜日

20180808 J arthroplasty Does Dexamethasone Reduce Hospital Readiness for Discharge, Pain, Nausea, and Early Patient Satisfaction in Hip and Knee Arthroplasty? A Randomized, Controlled Trial.

背景 術後の疼痛、吐き気などがしっかりコントロールされれば早期の退院が可能となり、医療費の削減にもつながる。本研究の目的は周術期にデキサメタゾンを投与することで術後の疼痛、吐き気に与える影響とそれによって早期退院が可能となるかの検討を行うことである。
方法 164例のTHAまたはTKAをおこなった患者を対象。RCT。86例の患者にデキサメタゾン、78例の患者にプラセボを投与した。第一の評価項目は入院期間。第二の評価項目は吐き気、痛みのVAS、吐き気止めの使用、血糖値、患者満足度である。
結果 デキサメタゾン投与群のほうが早期に退院可能であった。痛みのVASは20%減少し、またモルヒネの使用が27%減少した。吐き気に関しては二群間で同様の結果であった。しかし吐き気止の使用についてはデキサメタゾン使用群のほうが少なかった。術後6州の満足度はプラセボ群よりデキサメタゾン群のほうが高かった。合併症率は同等であった。
結論 周術期にデキサメタゾンの静脈内注射を行うと疼痛の軽減、モルヒネ使用量の減少が可能となり早期退院が可能となる。

<論評>
結局なにに効いているかわかりませんが、疼痛コントロールを容易にしたということなんでしょう。そのためにモルヒネの使用量が減り、それに伴う吐き気止めの使用も減ったということなのかもしれません。
周術期に加わる侵襲がステロイドによってカバーされているのかもしれません。
頚部骨折など高齢者でやってみても面白いかもしれませんね。

2018年8月4日土曜日

20180804 BJJ A randomized controlled trial of cemented versus cementless arthroplasty in patients with a displaced femoral neck fracture

目的
本研究の目的は大腿骨頚部骨折の患者に対してセメントステムもしくはセメントレスステムのいずれが有用であるかを比較することである。
患者と方法
141例の患者に対する無作為割付試験。4年間の経過観察。大腿骨頸部骨折の患者を対象。67例のセメントステム、74例のセメントレスステム。THAが58例。BHPが83例。
結果
Harris Hip Score、Musculoskeletal functional assessment score とEQ5Dを用いて比較を行った。48ヶ月間に渡ってこれらの評価項目について、2群間での差を認めなかった。セメントステム群の2例3%、セメントレスステム群の5例6.8%で周術期の人工関節周囲骨折を認めた。P値は0.4であった。その他感染、不安定性などで追加手術を必要とした例はなかった。死亡率、レントゲン評価も両群間で同等であった。
結論
大腿骨頚部骨折にたいしてセメントステム、セメントレスステムの2群間で臨床成績、合併症に差を認めなかった。しかし短期間での評価においてセメントレスステムのほうが臨床評価が低かったので、本研究の見解としてはセメントレスステムは高齢者の大腿骨頸部骨折に対するルーチンの使用を推奨しない。

<論評>
ちょっと本文まであたれていませんが、セメントステム、セメントレスステムで2群間で差がなかったということであれば、そのとおりなので、この結論はややこじつけかなと思います。
レジストリー、他の観察研究からセメントステムの有用性は言われていますが、本研究ではセメントレスステムとの差はなかったというのが正しい結論だと思います。
セメントレスステム、何使ったんやろ。また詳細は後日アップします。

2018年8月1日水曜日

20180801 J arthroplasty Current Trends in Patient-Reported Outcome Measures in Total Joint Arthroplasty: A Study of 4 Major Orthopaedic Journals.

背景
患者立脚型評価(PRO)に注目が集まっている。たくさんのPROがあり、そのPRO間での比較は困難である。今後レジストリーが確立していくなかで最もよりPROとは何かを検証する必要がある。
方法
2004年、2009年、2014年、2016年にJBJS、BJJ、CORR、J Arthroplastyに掲載されたすべての抄録を検索。人工関節手術についてPROで評価が行われたかどうかを検討した。時間による傾向はCoChraneのAmitageテストを用いた。
結果
644編の研究において1073回にわたり、42種類のPROが使われていた。2004年には97編だったものが2016年には228編と増加していた。一つ以上のPROが用いられている研究の割合も2004年には20.6%であったものが、2016年には47.8%と増加していた。KSS、Harris Hip Score、Oxford Knee Scoreの使用頻度が高かった。
考察
どのPROを用いるかは出版されている割合などを考慮して使用しないといけない。将来的にはPRO間の比較を行う必要がある。

<論評>
え、Harris Hip scoreって、PROだったの。。。とびっくりしました。Harris Hip scoreは関節可動域を測定しますので、これは患者立脚型評価ではないですよね。
大丈夫かいなこの筆者。股関節だとWOMACが最多だとおもいますが、WOMACは有料です。
今後股関節の研究を行われる先生に置かれましてはぜひJHEQをご使用下さいませ。笑

2018年7月26日木曜日

20180726 JBJS Risk-Based Hospital and Surgeon-Volume Categories for Total Hip Arthroplasty

背景
エビデンスに基づかない手術数による病院の分類によって今まで手術件数と術後成績評価が行われてきた。このことは手術件数と術後成績との関連について誤った結果を導き出している可能性がある。本研究の目的は統計学的手法に基づいた病院の分類をおこない死亡率、合併症率、再置換率について検討を行うことである。
方法
ニューヨークの州のデータを用いた。90日間の合併症率、2年間での再置換率についての検討を行った。1997年から2014年までで187557件の手術について検討を行った。
結果
年間12例以下、13から25例、26から72例、73例から165例。166例から279例、280例以上の執刀数というように術者を群わけした。病院については年間11例以下、12例から54例、55例から157例、158例から526例、527例以上というように分けた。35%のTHAが、年間12例以下の術者によって行われていた。これらの成績を検討すると2から2.5倍で合併症、死亡率が発生することがわかった。週1回程度のTHAが行われる病院では、たくさん手術が行われる病院と比較して合併症が1.5倍、死亡率が4から6倍になった。いままで用いられていた手法によって検討すると手術件数による差は認められなかった。
結論
正しい統計学的な手法を用いると手術件数と術後合併症、死亡率との間に関連を認めた。手術件数は一つの指標となりうる。

<論評>
手術件数と合併症の関連について。今まで数と合併症は関連がない。という報告が散見されていましたが、本研究では件数が少ない術者、病院だと合併症が多くなると報告していますな。年間500以上の病院(週10件、一日3件ずつ)やる病院と週1回の病院比べるのは酷だとは思いますが。。。
そのうち病院の規模によって診療報酬に差がつく時代が来るのでしょうかねえ。

2018年7月23日月曜日

20180723 CORR Revisiting the Anteroinferior Iliac Spine: Is the Subspine Pathologic? A Clinical and Radiographic Evaluation

背景
腸骨棘でのインピンジメントが股関節の関節外のインピンジメントの原因として認められてきつつある。CTによる分類はなされているものの、単純XpとCTとの間での関連について述べられた報告はない。いくつかの報告ではAIIS(下前腸骨棘)が股関節可動域と関連していると報告しているが、臨床的には信頼性にはかける。単純レントゲンXpにてAIISの形態評価が可能となればCTでの必要性が低下して、放射線被曝の軽減につながる。
臨床上の疑問
本研究では、(1)症状のあるFAI患者において、AIISのサブタイプの割合を確認すること。(2)股関節正面像と、False profile像とCTとの間での画像の関連を調べること。(3)AIISのサブタイプと股関節機能との関連を調査することを目的とした。
方法
後ろ向き研究。FAIに対して関節鏡を受ける患者を対象とした。2013年から2016年。601例の患者を対象とした。立位の単純股関節XpとFalse profile像が撮影された。また3DCTも撮像された。601例中う145例が本研究で対象となった。54%(145例中78例)でCTが撮像されており、63%(145例中92例)が女性であった。3DCTの所見に基づいてAIISの分類が行われた。また二人の整形外科医によって股関節正面像とFalse profile像のAIISの評価が行われた。それぞれの評価の一致率は股関節正面像で0.0.382,False profile像にて0.372、3DCTにて0.325と低い一致率であった。検者内での繰り返しでの評価は股関節正面で0.516、False profileにて0.915、3DCTにて0.915で高い一致率を示した。これと股関節の可動域とAIISの分類の調査をおこなった。
結果
3DCTによるAIISの分類でType1が56%、Type2が39%、Type3が5%であった。単純XPでのAIISの評価は股関節正面像ではType1が64%、Type2が32%、Type3が4%であった。False profile像ではType1が49%、Type2が48%、Type3が3%であった。3DCTをゴールドスタンダードとしたときに股関節正面像よりもFalse profile像のほうが正確であった。感度、特異度ともFalse profile像のほうが優れていた。股関節可動域とAIISの形態とは関連を認めなかった。
結論
AIISの評価には股関節単純正面像よりもFalse profle像のほうが有用であった。AIISと股関節の可動域と理学所見とは関連を認めなかった。いままでのAIIS分類の利便性には疑問が生じる。

<論評>
最近股関節鏡の発達とともにAIISに注目が集まっています。本研究はAIISと臨床評価を行った論文です。
AIISでいままで提唱されてきた分類に疑義を呈しております。分類は臨床上の意味があって初めて意味をなしますので、このような論文には大変意味があると思います。
新しい分類考えないといけません。

2018年7月16日月曜日

20180716 CORR Is There a Cardiotoxicity Associated With Metallic Head Hip Prostheses? A Cohort Study in the French National Health Insurance Databases

背景
摺動面には大きく4タイプが使用されている。メタルーポリエチレン(MoP)、セラミックーポリエチレン(CoP)、メタルーメタル(MoM)、セラミックーセラミック(CoC)である。メタルヘッドを用いた摺動面(MoMまたはMoP)ではヘッドとネックの嵌合部の摩耗によって析出されるコバルトによって心毒性が懸念される。しかしこの疑念に対する研究は今まで存在しない
臨床上の疑問/目的
本研究の目的はフランスの国家保険データベースを用いてメタルヘッドを用いた摺動面のTHAと拡張型心筋症と心不全(DCM/HF)と関連があるかを検討することである。
方法
2008年から2011年。フランスで行われた55歳以上の初回THA.399,968例。127,481 例をTHAの理由により除外した。17137例がDCM/HFの既往歴を有していた。
255350例を対象。43%が男性。平均年齢72±9歳。92376例(37%)がMoP、58095例(23%)がCoP、11298例(4%)がMoM、92376例(36%)がCoCであった。2015年までのフォローでDCM/HFで初回入院したかどうかを調べた。MoPまたはCoPは高齢者に用いられることが多く、MoM、CoCは若年者に使われることが多かった。摺動面の組み合わせをサブグループ解析にて行った。一人でMoPとCoPが行われた患者ではMoMとCoCの患者とそれぞれ組み合わせた。DCM/HFの危険性について金属骨頭と非金属骨頭の間で比較して検討した。Coxのモデルを用いて年齢と性別で調整を行った。
結果
DCM/HFの発生率はMoP2.4、CoP1.8、MoM1.2、CoC1.1であった。金属骨頭は有意にDCM/HFのリスクが高かった。(ハザード比1.08または1.11)。女性においてはMoMはCoCのほうが有意にリスクが高かった。。(ハザード比1.16または1.20)
考察
金属骨頭は有意にDCM/HFのリスクを高くした。特に女性、高齢者でその傾向が高かった。交絡因子を除外してもすべての交絡因子を除外できるわけではない。金属骨頭を用いた患者では心機能の変化をモニタリングすることが必要である。他国のレジストリーとの比較が必要である。


<論評>
いわゆる数の暴力ですな。ハザード比1.2倍ってどれだけの差ですかね。ハザード比は相対的な発生率をみているので、イベントの発生率が低いとハザード比が大きくなってしまいますな。
しかもアウトカムがDCM/HFの初回入院ってさすがにそれは関係しないと思いますけど。。
すこし本文に触れてみないとわかりませんね。

2018年7月9日月曜日

2017年度のインパクトファクター

インパクトファクターだけで雑誌の質を測れるわけではありませんが、一つの参考にはなるのかなと思います。
整形外科分野でのインパクトファクターランキング 10位まで

1 American journal of sports medicine 6.057
2 Osteoarthritis and Cartilage 5.454
3 Journal of bone and joint surgery (American volume) 4.583
4 Journal of physiotherapy 4.542
5 Arthroscopy 4.330
6 Clinical orthopedics and related research 4.091
7 Bone and Joint Journal 3.581
8 Journal of orthpaedic research 3.414
9 Journal of arthroplasty 3.338
10 Knee surgery sports traumatology arthroscopy 3,210


普段このブログで取り上げている雑誌として
JBJSはこの3年はインパクトファクターが徐々に低下してきています。これは月間だったものを隔週発行にしたことも影響しているのかもしれません。
それに対して、CORR、BJJ、J arthroplastyは着実にインパクトファクターを上昇させています。
確かに、このブログでも数年前よりはJBJSよりもこれら三誌を取り上げることが増えました。よりよい論文がたくさん投稿されているのでしょうね。

雑誌の種類もハゲタカジャーナルを含めて増える一方です。
せめてPubmedくらいには掲載されるような雑誌に投稿、掲載されたいものです。

2018年7月8日日曜日

20180708 Resident Participation is Not Associated With Worse Outcomes After TKA

背景 アメリカでは整形外科手術の3分の1が教育病院で行われている。しかしながらその手術にレジデントが参加することでTKAの術後成績が変化するかどうかといった研究はない。
クリニカルクエスチョン (1)レジデントの参加はTKA術後の患者立脚型評価に影響するか(2)レジデントが参加することで手術時間が延長するか(3)レジデントが参加すると術後の入院期間は延長するか(4)レジデントが参加すると患者の退院先が自宅ではなく施設に変わるのか
方法 2011年から2016年。単施設。1626例のTKAについての検討。手術時間、入院期間、退院先、患者立脚型評価について調べた。レジデントが参加したかどうかは手術記録から抽出した。多変量解析を行い、レジデントの参加とレジデントの年数が関連するかを調査した。
結果 レジデントの有無で、患者立脚型評価、退院施設の変更、入院期間は影響を受けなかった。手術時間は卒後1から4年目のレジデントがついていると有意に手術時間が延長した。
結論 レジデントの有無では入院に係る費用についての項目での差は認められなかった。今後は膝疾患特異的な患者立脚型評価を行う予定である。患者のケア、安全に影響を与えることなくレジデントの教育をさらに効果的に行うか決定することが必要となる。

<論評>
アメリカはたいていオペナースとオペレータプラスアルファでやっていますのでレジデントが入ることでだいぶ差がでてくるのかなと思います。おsれが手術時間の差に影響したのでしょう。それ以外の項目はTKAそのものの質を問うているものですので、当然差が出ないのではないでしょうか。
手術のすべての責任はオペレータにあり。

2018年7月4日水曜日

20180704 JAMA Effect of Negative Pressure Wound Therapy vs Standard Wound Management on 12-Month Disability Among Adults With Severe Open Fracture of the Lower Limb: The WOLLF Randomized Clinical Trial.

背景
開放骨折は皮膚を突き破って骨折部が外界に露出するという状態を指す。多くの合併症を生じ、それは人生を変えうる。
目的 
重症の開放骨折に対する陰圧療法(NPWT)と一般的なデブリとの間での機能障害の評価、深部感染の発生率、QOLの違いについて調査すること
デザイン
イギリスで行われた多施設無作為割付試験。2012−2015年に16歳以上460例の患者をリクルート。2016年にデータを解析。72時間以上経過した創、アンケートに回答できない症例は除外
介入方法
NPWT226例。デブリのみをおこない、陰圧療法を行わなかった通常治療234例。
主要評価盲目
12ヶ月後の機能評価指数を評価。0−100点。最小の臨床的に意味のある違いは8点。
深部感染の発生率、QOLの評価を行った。
結果
460例の患者がRCTに組み込まれた。平均45.3歳。74%が男性。88%の患者が最終フォローまで追跡可能であった。
12ヶ月後の機能評価指数はNPWT群と通常治療群の間に機能評価指数の間に有意差はなかった。(45.5対42.4 P=0.13)。
感染率は7.1%対8.1%。QOLも差を認めなかった。
結論
重症開放骨折においてNPWTの使用は、使用しない場合とくらべ1年後の機能障害の程度に差を認めなかった。

<論評>
結構衝撃的な論文ですね。あの会社もこの会社も『ええっ』って思ったのではないでしょうか。
機能評価指数の間のP値が0.12と、日本の学会などだと『傾向があった』と結論づけそうなところですが、最小の臨床的に意味のある違い(MCID)がすでに8点と出ているので、
これだけ高価なものをつかう意味はないよ。ということでしょうか。
まずは徹底したデブリが必要ですよね。
湿潤療法の先生方はどのようにお考えなのでしょうか。



2018年7月3日火曜日

20180703 J arthroplasty Variation in Use of Postoperative Precautions and Equipment Following Total Hip Arthroplasty: A Survey of the AAHKS and CAS Membership.

背景 THAの術後脱臼を減少させるために、昔から術後の脱臼注意と補装具の処方が行われてきた。本研究の目的は北アメリカの人工関節を行う整形外科医が術後どのように脱臼への注意と補装具の処方を行っているかを調査することである。
方法 AAHKSに所属する整形外科医にメールで調査。実際に患者にどのように脱臼の防止指導をしているのか、また補装具を処方しているのかを調査した。また普段使っているアプローチ、外科医の背景についても調査をおこなった。
結果 44%の外科医が脱臼防止指導を行っている一方、33%の外科医が全く注意を行っていなかった。後方アプローチの仕様、外科医の経験年数、大径骨頭の仕様が注意をおこなうかどうかで有意な差を認めた。DAAを用いる外科医では脱臼防止指導、補装具の処方が有意に少なかった。
結論 術後の脱臼指導は未だにある一定の割合で続けられているが、余計なリハビリ、余計な補装具の購入についてとまた患者満足度減少との関連はまだ十分な研究がない。今後この分野における精査が必要であろう。

<論評>
最近話題ですね。脱臼予防はどれだけ必要かという問題です。
エビデンスとしては2009年にARDで患者指導を行うと脱臼が減少するというエビデンスがあるだけです。この数年はこのブログでも取り上げていますがBJJなどでも過剰な指導は不要ではないかという論調になってきています。
これは大径骨頭の使用などで早期脱臼が予防できると感じているからでしょう。
まったくしなくてもよいか。というのはまた難しい問題です。起こりうる合併症ですので脱臼しないとは言えませんのでどこまでどのようにいうかでだいぶ違ってくるのではないでしょうか。

2018年6月29日金曜日

20180629 JBJS A Locked Intraosseous Nail for Transverse Patellar Fractures

背景 転位した膝蓋骨骨折は観血的整復と内固定の適応となる。古来からTension and band wiring(TBW)が行われてきた。この方法はしばしば転位の再発、インプラントの埋没、創遅延などの合併症を生じる。筆者らは膝蓋骨用の髄内釘を開発した。本研究の目的はその髄内釘のバイオメカニカルな強度について検討を行うことである。

方法 7体の新鮮屍体の膝を用いた。膝蓋骨を横切することで骨折を作成。スクリューを用いた内固定と髄内釘を用いた内固定をそれぞれに無作為に行った。5000回の屈曲運動を加えた。100、500、1000、2500、5000回の時点でどの程度骨折部が転位しているかを測定した。

結果 関節面のズレは、68%、60%、72%、76%、81%髄内釘のほうがTBWよりも少なかった。2500回以上の運動後に有意に転位に差が生じてきた。

結論 バイオメカニカルな視点からみると、膝蓋骨髄内釘はTBWよりも強固に固定が可能である。



<論評>
スイスのAOグループからの報告です。
本文読みましたが、、、、これはあかん。苦笑。
角度のズレについては、髄内釘が明らかに大きいのですが、エラーバーが大きいために有意差が出ていないのです。それを黙ってだすとは。。。
論文は斜めに読むだけではなく本文もね。。



2018年6月24日日曜日

20180624 Int orthop Osteoarthritis is associated with increased failure of proximal femoral fracture fixation.

本研究の目的は、大腿骨転子部骨折を起こした際に、変形性股関節症が併存していた場合に、CHSやPFNで固定した場合の固定が破綻するリスクが上がるかどうかの検討を行うことである
方法:後ろ向き研究。455人の女性、148人の男性。平均年齢83.8歳。大腿骨転子部骨折に対してCHSまたはPFNで治療された症例を検討。術前写真で変形性股関節症の有無について評価。偽関節、大腿骨頭壊死、インプラント破綻、THAへのコンバージョンを治療の破綻と定義した。4から7年のフォローアップ。TAD、年齢、性別、整復の質、インプラントタイプ、骨折型、破綻までの期間を交絡因子として検討を行った。
結果:5.3%、32例で破綻が認められた。12例で変形性関節症が認められた。交絡因子を排除すると、オッズ比3.26で変形性関節症が存在すると破綻のリスクが高いことがわかった。
結論:OAがある場合には骨接合の破綻のリスクが高まる。

<論評>
高齢化社会を迎え、OAの有病率は高くなっています。変形性股関節症についても同様の傾向があります。
OAを合併すると、股関節可動域の制限が生じますので、頚部骨折よりは転子部骨折のほうが圧倒的に多いという個人的な印象を持っています。
OAが存在する場合の転子部骨折の治療は難しいです。
本研究はTHAにコンバージョンしたら破綻。と定義していますが、そもそも最初からTHAにしておけばどうなのよ。というのは突っ込みどころだと思います。
骨折と手術侵襲によって筋力低下をきたしますので、OAにともなう障害が悪化することはしばしばありますので、骨折後普通の骨接合より成績が低下し、OAが存在するためにTHAにするというのは普通に考えればありえるシチュエーションだと思います。
破綻するから骨接合やめておこう。ではなく、何がよい治療なのか。をよく考えなさいということだと思います。


2018年6月23日土曜日

20180623 僕が良かったなあと感じた本



つい先日、代務先で「お世話になりました。開業します。」と内科の先生からご挨拶いただきました。
その先生から、「がみたけ先生に、田舎で教えて頂いたことが今でも胸に残っています。言われたことを噛み締めて働いてきましたし、これからも働きたいです。本当にあのとき田舎に研修にいけてよかったです。」といっていただけました。

その内科の先生と知り合ったのは僕が僻地勤務をしていた7,8年前になります。
その内科の先生は、地域医療研修で1ヶ月間の研修のために愛知県の山奥まで来られました。
地域医療研修といっても、普段の診療の様子を見せる程度で、とくに変わったことはしていなかったと思います。(当地に研修に来られた先生ならわかると思いますが)

残念ながら、その内科の先生が僕から教わったこと。ということの詳細をすっかり忘れておりまして、何をいったんだか。という感じでした。苦笑。

そんな中で寺澤先生の書かれた本を手に取る機会がありました。

この、「話すことあり、聞くことあり」は寺澤先生の普段の診療に対する姿勢、思いについて述べられた本です。

大学病院に勤務して数年になります。確実に診療技術、手術の腕、研究に対する考え方などはレベルアップした自分がいます。

ただ、この本の中には自分が田舎にいるときに持っていて、いまは失いつつあるものが書いてありました。
自分が医師としてどうあるべきか。という根本を見直すことができます。

いい省察の機会をいただきました。

僕のようにすこしやさぐれてきている先生方におすすめです。

今なら、またその内科の先生にかけてあげられる言葉が見つかりそうです。





2018年6月20日水曜日

20180620 J arthroplasty Short Stems Versus Conventional Stems in Cementless Total Hip Arthroplasty: A Long-Term Registry Study

背景 THAにおいてショートステムは徐々に使用が増加している。その目的は信州が小さいこと、またコツ温存が可能であるということが考えられている。しかしながらまだ長期の成績については不明である。本研究の目的はレジストリーをもちいたショートステムの長期成績について検討することである
方法
2000年から2016年。RIPOというセメントレスTHAのレジストリーをもしいた。12センチ以下の長さのステムをショートステムと定義。頸部温存型ショートステムをA群、通常頸部骨きり型ショートステムをB群、通常型ステムをC群とした。A群1684例、B群2727例、C群57359例。ステムの生存率について検討を行った。
結果
ショートステムは若年患者、正常股関節形態で用いられていることが多かった。その生存率は15年で90%以上であった。B群で不安定性を理由に再置換が有意に多かった。痛みによる再置換は統計学的に有意ではなかったが多かった。
結論
ショートステムの長期成績は信頼できるものであった。今までのステムと比較しても特にゆるみ、術中骨折のリスクを高くすると言うことはなかった。疼痛、不安定性による再置換率は高かった。これは今後の臨床研究で検討される必要がある。

<論評>
レジストリー花盛りですね。イタリアからの報告ですね。
ショートステム(12センチ以下)の長期成績の報告。
本文当たれていませんが、ショートステムとアプローチは関連しているかもしれませんね。
N数がだいぶ違います。すなわちショートステムはエキスパートが使用していてもこれくらいの成績しかない。ということなのかもしれません。一般にエキスパートが使用したあとに一般整形外科医向けに販売されますので、この成績はより低下する可能性のほうが高い。と考えます。
痛み、不安定性の原因は何なんでしょう。奇になります。
今までのストレートステム、セメントステムでいいじゃん。というのが論者の結論です。

2018年6月16日土曜日

20180616 CORR Do Patients Live Longer After THA and Is the Relative Survival Diagnosis-specific?

背景:人工関節置換術は、疼痛、動作の改善、QOLを可能とする。しかしながら、THAが生命予後を伸ばすかどうかは不明である。また診断、社会経済的問題、手術の要素がどのように影響するかも不明である。

臨床上の問い:1)年齢と性別を調整したあとに、一般人口よりもTHAを受けた人が生命予後を伸ばすことができるのだろうか。2)患者に関連した背景因子を調整したあとに、スウェーデンで行われたTHAで疾患別の違いがあるかどうか

方法:スウェーデンの国家レジストリーを用いた研究。1999年から2012年までの間に行われた131,808例のTHA。21,755例がフォロー中に死亡した。患者、手術の要素と社会経済的要因を検討。スウェーデンの統計と比較してTHAの患者の生存率を計算した。

結果:THAをうけた患者は一般人口よりも術後10年での生存率が改善した。術後1年では期待生存率は1%上昇していた。5年では3%上昇していた。10年では2%で、12年で変わらなかった。一般的なOAと、小児期からの変形の場合は違いを認めなかった。ONFH、炎症性関節炎、続発性関節症では生存率は低かった。合併症などは生存率と負の相関を認めた。低い教育レベル、また独居も同様に負の関係を認めた。

結論:THAの生存に関わる影響は術後10年間は認められた。特にOAの患者においてその傾向があった。手術が社会経済活動に与える影響についての検討が更には求められる。


<論評>
OAの患者は一般人口よりも死亡率がたかいとする報告がありますから、THAによって改善が得られれば改善するのかなあと漠然と思っていましたが、それを明らかに下研究です。
社会経済的な要因にも目を向けると今までと違った見方ができるかもしれません。

2018年6月13日水曜日

20180613 CORR Perioperative Inpatient Use of Selective Serotonin Reuptake Inhibitors Is Associated With a Reduced Risk of THA and TKA Revision

背景:うつ状態は一般の母集団の中でもコモンな病態であり、それはTHA,TKAを受ける患者の中でも同様である。うつ状態は周術期の患者立脚型評価の低下、術後の合併症の危険性を挙げると言うことが示唆されている。抗うつ剤はうつ状態を改善し、THA、TKA術後の患者の機能予後を改善する可能性がある。
臨床上の問い:本研究では(1)THA、TKA患者において、周術期のうつ状態はすべての理由における再置換、無菌性ゆるみ、感染と関連するかどうか(2)周術期の抗うつ剤の内服はTHA,TKA患者において再置換、無菌性のゆるみ、感染と関連するかを検討することが目的である
方法:アメリカの大規模な病院で行われたTHA,TKA20,112例を対象。2002年から2009年までの間での検討。各病院のレジストリーを用いて手術の種類と臨床成績を調査した。抗うつ剤は入院中に内服していたかどうかをカルテを用いて調査を行った。4466例、22%の患者がうつの診断が下っており、5077例、25%の患者が抗うつ薬を内服していた。コックスハザードモデルによる解析を行い、抗うつ薬の使用が再置換のリスクと関連するかを調べた
結果:うつ状態であることはすべての理由の再置換、感染と関連した。(それぞれHR1.73、2.23)。周術期の抗うつ剤の内服は、感染とは関連しなかったが、SSRIを内服しているとすべての理由での再置換、無菌性のゆるみが減少した(HR0.77、HR0.72)
結論:うつの診断が下っているとTHA,TKAにおいて再置換の危険性が高くなる。周術期にSSRIを内服していると危険性は下がる。どうしてTHA,TKAの患者で再置換率が下がるのかの検討は今後の課題である。


<論評>
うつ状態にある患者さんは痛みを感じやすいと言われていますので、百歩譲ってすべての原因での再置換が増加するのはまだ理解ができる(何かの痛みを強く感じてしまっていて、術者が再置換に踏み切る)ますが、感染に関連すると言うのはねえ。
SSRIに体内の免疫を活性化させるような何か効果があるとでも言うのでしょうか。
製薬会社とのCOIはなさそうですが。

2018年6月9日土曜日

20180609 CORR Can Patient Selection Explain the Obesity Paradox in Orthopaedic Hip Surgery? An Analysis of the ACS-NSQIP Registry

背景:いわゆる”Obesity paradox(肥満パラドクス)”とは、肥満でない患者に比べて、肥満の患者のほうが術後の死亡率、機能障害の率が低いことが今までの研究で示されていることを指す。肥満患者のほうが創治癒遅延、心血管系の問題が肥満と関連するリスク因子であると臨床医が感じていることがこのパラドクスの主因である。筆者らはこのパラドクスは選択バイアスの結果として生じているのではないかと考えた。つまり肥満でも健康な患者が手術を受けているのではないか。また肥満でない患者は健康でない患者も含まれているためにこのパラドクスが生じているのではないかと考えた。筆者らは、患者を慎重に選ぶことができる待機的な手術ではこのパラドクスが生じる一方、選ぶことのできない緊急手術ではパラドクスが生じないのではないかと考えた
臨床上の疑問:1)待機的手術、緊急手術で、肥満と術後死亡との関連はあるか。2)待機手術、緊急手術でそれぞれの術後合併症に肥満はどのように関連するのか。3)待機手術、緊急手術において術後死亡と合併症と低体重とはどのように関連するのか
方法:2011年から2014年にかけてAmerican College of Surgeons National Surgical Quality Improvement Project (ACS-NSQIP) に登録された63148例の待機的股関節手術と29047例の緊急手術とを検討した。ロジスティック回帰分析を用いて、年齢、性別、麻酔のしるう、合併症とBMI18.5以下の低体重群、18.5ー24.9の標準体重群、25−29.9の軽度肥満群、30−39.9の肥満群、40以上の病的肥満群との分けて、術後30日以内の死亡率、合併症の有無についての検討を行った。
結果:回帰分析の結果、待機手術においては、標準体重群に比べ、肥満群では30日以内での死亡率が低かった。(OR:0.12)。ここでは肥満パラドクスの存在が認められた。緊急手術を受けた患者群では標準体重群と肥満群とで30日以内の死亡率は同等であった。待機手術群、緊急手術群のいずれにおいても病的肥満群では創部の合併症が多かった。(OR:4.93、3.79)
低体重群では標準体重群と同等の死亡率であった。
結論:待機手術では肥満患者で死亡率の低下が見られたが、緊急手術ではそうではなかった。筆者らの結果からは、肥満パラドクスは術者による選択バイアスの結果健康な肥満患者ばかり選ばれて手術されていることがわかった。術者は肥満による合併症の影響を慎重に考慮して手術を行うべきである。

<論評>
たしかに肥満患者でかえって死亡率がさがるという論文は散見されていました。本研究は大規模データを用いて肥満についてのリスクの検討を行った。
研究手法がユニークで、最初のデザインで選択バイアスを明らかにしたところが白眉でありますな。

2018年6月5日火曜日

20180605 BJJ Joint aspiration, including culture of reaspirated saline after a 'dry tap', is sensitive and specific for the diagnosis of hip and knee prosthetic joint infection.

本研究の目的は関節内に生食入れた場合と入れなかった場合での関節内培養の正確性を検討するものである。
対象と方法:580例の膝と股関節で感染性関節炎が疑われる患者が対象。再置換のルーチンとして術前の関節穿刺を行った。4つの施設での検討である。
結果:313例(54%)で関節穿刺によって関節液が採取された。267例(46%)では一度の穿刺では関節液が採取されなかったので生食を注入して関節液の採取を行った。全体の感度は84%、特異度は85%であった。生食を注入して行うと感度は87%、特異度は79%となり、直接採取した場合には感度81%、特異度90%であった。
結論:関節穿刺と培養は感染性関節炎患者で診断をつけるために必要である。もし関節炎が引けなくても、生食を追加して採取することによってその関節液を培養すると正確な情報が得られる。

<論評>
確かに関節を穿刺してもまったく引けないことは時々経験します。このような場合には生食を追加して採取すると普通に関節液を採取するのとほぼ同等の結果が得られますよというお話。ただし、この研究は検査前確率が高いことが影響していると思われます。

2018年6月3日日曜日

20180530-0601 欧州整形外科学会(EFORT)に参加してきました。

すっかり更新を怠っておりました。
5月30日から6月1日までスペインバルセロナで行われたEFORTに参加してきました。
そこで感じたもろもろを備忘録として。

・学会会場
会場は日本整形外科学会の1.5倍程度の広さでした。Oralの会場はとにかくひろい!一方ポスターは隅っこに追いやられていました。
・演題総数は3220演題。日本からの演題は176演題(5.5%)で全体で5番目の多さでした。
・ポスターの演題を股関節だけ拝見しましたが、日本整形外科学会で採用されるレベルのものであれば通る印象。奇をてらったような演題、目をみはるような演題はそれほど多くありませんでした。
・THAはやはり数ではかなわないですね。DDHのようなComplexTHA、脱臼股。あとは合併症などで勝負したほうが良さそうです。

・ポスターセッション1日目。まさかの座長来ず。ヨーロッパの学会ではままあるとのこと
・自分のポスターウオークでは座長としみじみお話できてよかったです。

・学会
・海外学会の良いところは、海外に来られた日本の先生方とコミュニケーションを濃厚に取れることだと思います。
・また、札幌医大の名越先生、金沢医大の兼氏先生のOralの発表には会場からたくさんの質問が飛んできていました。この分野のトップは日本だなと感じることができたのが良かったです。
・EFORTは演者のスライドを自分で探すシステムで、スピーカーがすべて聴衆の方を向いているので、質問が何をいっているのか聞き取りづらいのが問題ですね。

・学会以外の活動
・バルセロナはやっぱりたのしー!!めしうまー!!今後バルセロナでなにか関係学会があればぜひまた参加したいです。
・ガウディ関連はすべて抑えて置きたいところ
・お土産は空港で買うとぼったくり感あり。旧市街またはスーパーマーケットで購入すると6割位の値段で空港と同じものが購入できる。
・公共交通機関は危険。学会参加した日本人がiPhoneをすられました。盗難保険には入っておくこと。バス、地下鉄は要注意。
・グーグルマップ最強説。言葉は通じなくてもスマホを見せればタクシーの運ちゃんがつれていってくれる。

また思いついたら記載します。
とにかく、海外学会はまず出すこと。出してからあとは考えましょう。
ちなみに来年はリスボンです。


2018年5月23日水曜日

20180523 JBJS Impact of Clinical Practice Guidelines on Use of Intra-Articular Hyaluronic Acid and Corticosteroid Injections for Knee Osteoarthritis

背景
変形性膝関節症に対するステロイドやヒアルロン酸の関節内注射の効果には疑問が持たれている。AAOSではこれらの注射の効果については疑問があるとガイドライン上で発表した。その後の効果について専門性によって違いがあるかについての検討を行った
方法
2007年から2015年に変形性膝関節症と診断されたHumanaというデータベース上の患者。
変形性膝関節症に対して関節内注射を行った割合について年度別の検討を行った。segmented regression analysisという方法をもちいてAAOSのガイドラインのインパクトについて検討を行った。また専門性による注射の実施についても検討した。
結果
1065175例の変形性膝関節症の患者に対して、405101例(38%)の患者がヒアルロン酸の注射を、137005例の患者がヒアルロン酸の注射を受けていた。変形性膝関節症に対するヒアルロン酸の使用の割合はガイドライン発表後、100患者中0.15から0.07に減少していた。(P=0.02)。二回目のガイドライン発表後に0.12の減少を認めた。一方ステロイド注射は1回目のガイドライン発表後に0.12まで減少した一方二回目のガイドライン発表語では変化がなかった。整形外科専門医やペインクリニックの医師の間でヒアルロン酸の使用が減る一方、プライマリーケアの医師や筋骨格の専門ではない医師では使用が減らなかった。
考察
2回のガイドライン発表とともにヒアルロン酸の使用、ステロイドの使用は有意に変化した。ガイドラインは注射の使用に対して影響を与えていた。変形性膝関節症の患者により価値のある治療を提供するためにはガイドライン以外の方法も検討されねばならない。


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アメリカでは関節注射にはエビデンスがないよーというお話何だと思いますが、患者背景がどのように検討されたたが気になるところであります。
プライマリーケアなどにかかるということはその人のOAは整形外科専門医にかかるOAよりも軽症である可能性が高いわけで。
川口浩先生も、軽症OAにはヒアルロン酸が有効であるというお話をされていましたし、そのお話を裏付ける結果なのかもしれないなと思いました。
まあ、進行したOAに漫然と注射しているのはどうかと思いますが。


2018年5月19日土曜日

20180519 東京大学康永先生の講義を聴講してきました。

たまたま大学で康永先生の講義を聴講する機会があったのでいってきました。



康永先生の著書をしったのは、この「かならずアクセプトされる英語論文」をたまたま手にとってからです。
この「赤い本」がよいのは、英語論文を書き始めから、2本目を書こうか、という人が対象だと思います。 とくに秀逸なのがIntroductionやDiscussionの部分の書き方です。
 痒いところに手がとどく感じで、以下にいらない文章を削りながら必要な情報を入れるか。その上で整った論文にするためのノウハウが余分なことが書かれずに記載されています。
最初の文体はつっけんどんな感じもありますが、実際に参考書代わりに使い始めると自分の英語論文が整って行くのが実感されます。 

ということで、今回は「臨床研究デザイン」を聴講してきました。 

・臨床研究の90%は観察研究 ・
RCTが内的妥当性では最強であるが、外科系では難しい(手術をするかどうかをRCTで決めるのは倫理に悖る)
・そのためには観察研究。ただししっかりデザインをすること
 ・デザインといっても、研究の形から入るのではなく、何を明らかにするかをはっきりとすること。
・交絡が観察研究の最大の敵。そのためには先行論文を網羅して交絡の可能性を除去するよう調べる前にしっかりと調査項目を決定しておくこと 


などのお話をいただきました。 内容は「青い本」にほとんど書いてあります。



臨床研究をはじめなさいと言われた若い先生、そういう若い先生を指導しているが今ひとつ結果が出ていない中堅の先生方にはヒントになるのではないでしょうか。 

最後に。見た目よりも優しい先生でした。笑

2018年5月16日水曜日

20180516 Int orthop Nationwide multicenter follow-up cohort study of hip arthroplasties performed for osteonecrosis of the femoral head.

背景
大腿骨頭壊死症の大規模コホートにおける術後の脱臼と再手術の関連因子について検討すること
方法
4995例の人工関節置換が行われた。THAが79%。17%が人工骨頭挿入術、3%が表面置換、1%が大腿骨頭表面置換であった。
結果
ステロイド使用が56%と多かったものの、感染率は比較的低かった(0.56%)。術後の脱臼率は4.3%であった。再置換を要したのは3.9%であった。脱臼に関して、THAは5.2%、人工骨頭が0.9%、表面置換は0%であった。6ヶ月以上のフォローが可能であった症例(THA3670例、人工骨頭159例)について検討したところ、術後脱臼の危険因子は40歳以下もしくは62歳以上。BMIが高いこと。後方アプローチ。小さな骨頭が関連した。再手術に関してはBMIと手術のタイプがリスクファクターとして抽出された。
結論
脱臼率は5.2%と高かった。THAを選ぶと脱臼率が高かった。人工物の生存率について表面置換が人工骨頭またはTHAに劣った。BMIは人工物の生存率に影響した。


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本邦の大腿骨頭壊死研究班の20年以上にわたる緻密な仕事の一つの結果です。
このような緻密なコホートが今後も継続することを望みます。

2018年5月13日日曜日

20180513 BJJ Displaced femoral neck fractures in patients 60 years of age or younger: results of internal fixation with the dynamic locking blade plate.

本研究の目的は若年の大腿骨頚部骨折の患者に対してDynamic locking blade plate(DLBP)をもちいて骨接合を行った成績を明らかにすることである。
60歳以下の大腿骨頸部骨折患者。1年未満のフォローを除外。2010年から2014年。
骨癒合の有無、骨頭壊死の有無。再手術の有無について調査
106例の患者を抽出(平均年齢52歳、46%が女性)。破綻したのは106例中14例(13.2%)。大腿骨頭壊死を11例、10.4%。偽関節を6例5.4%。2例が固定が破綻した。
結論 DLBPの結果について報告した。今後RCTが必要となる

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論評

なぜこの程度の論文がBJJにのるのか全くわかりかねます。比較試験でもないですし。
強いて言えば若い頚部骨折患者に使ったということが物珍しい程度でしょうか。
新規インプラントですけど、この程度のインプラントならいくらでもありそうですし。
書いたもんがちということなんでしょうか。

2018年5月10日木曜日

20180510 J arthroplasty Does Patients' Perception of Leg Length After Total Hip Arthroplasty Correlate With Anatomical Leg Length?

背景
本研究の目的はTHAを受ける患者が自覚する脚長差と、解剖学的な脚長差、骨盤、膝、足部のアライメントとの関連を調査検討することである
方法
101例のTHAを受けた患者。EOSによる立位での評価をおこなった。3D評価と患者の自覚的脚長差との検討を行った。
結果
本研究の結果、解剖学的脚長差と患者の自覚的脚長差の間には関連を認めなかった。脛骨中心から地面までの距離では関連を認めた。また矢状面での膝のアライメント、骨盤の傾きが自覚的脚長差と関連があった。
考察
脚長差は他因子に渡る合併症である。解剖学的な大腿骨の長さはTHAで調整可能であるが、その長さは自覚的脚長差において重要な因子ではなかった。脊椎の変形、骨盤の傾き、外転筋力、膝のアライメント、足部の変形などの評価も必要である。


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THAにおいて脚長差は無視できない合併症の一つとなっています。
本研究はEOSをもちいて全身のアライメントを測定しそのアライメントと自覚的脚長差について評価を行った興味深い研究だと思います。
ただ、この結論をもちいてどないすればいいねん。というところが問題なわけで。
膝の高さはTHAでは変えられないし。骨盤の傾きは手術で変えられない因子なわけですし。まだまだ研究が必要です。

2018年5月7日月曜日

20180507 JBJS Am Quality of Care in Hip Fracture Patients The Relationship Between Adherence to National Standards and Improved Outcomes

背景
大腿骨近位部骨折の患者において、適切な周術期の治療、看護が行なわれることが重要である。スコットランドでは国単位でケアの方法(SSCHFP)を設定した。その方策の結果について報告することが本研究の目的である。
方法
後ろ向き研究。スコットランドの大腿骨近位部骨折のレジストリー。スコットランドの21の病院。2014年9ヶ月の評価。30日と120日での死亡率、入院期間、退院場所を検討した。
結果
1162例の患者。SSCHFPに従って治療を行わない群では30日、120日での死亡率が高かった。(オッズ比3.58)。SSCHFPに従わない群の方が入院期間は短かったが、より高次の医療機関への転院を必要とした。早期からのリハビリ介入、作業療法の介入は高次医療機関への転院を減らした。
結論
SSCHFPに従うことで患者のアウトカムの改善が認められた。大腿骨近位部骨折の患者においてSSCHFPの導入は一つの基準となりうる。


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国家単位で周術期ケアを定めた場合にどうなるかとする論文。
しっかりとエビデンスに基づいて治療を行ったほうが予後がよかったよ。という結論です。中身を読んでいませんので、なんともいえませんが、バイアスとしては、もともとこのようなケアの対象外になるような重症なひとがバリアンスとして除外されていた可能性は否定できませんね。

2018年5月3日木曜日

21080503 JBJSAm Alpha Defensin Lateral Flow Test for Diagnosis of Periprosthetic Joint Infection: Not a Screening but a Confirmatory Test.

背景
関節液中のアルファディフェンシンの検出が人工関節感染の診断に有用かどうかを検討する。本研究の目的はアルファディフェンシンテスト(ADLF)が関節液中の白血球数と比較してどの程度の能力かを検討することである。
方法
股関節又は膝関節の再置換症例で関節液を吸引した。一般的な検査に加えてADLFを追加した。MSIS、IDSA、EBJISの基準に従って感染を定義した。ADLFと白血球数をMcNemarのカイ二乗テストで比較を行った。
結果
212例の患者。151例が膝の感染。61例が股関節の再置換であった。MSISの基準で45患者(21%)が、IDSAの基準で55例(26%)、EBJISの基準で79例(37%)の患者で人工関節であるとそれぞれ定義された。ADLFはMSIS基準で84%、IDSA基準で64%、EBJIS基準で54%の患者で陽性であった。一方ADLFは3つの基準全てで96−99%と高い特異度を示した。とくに術後早期ではより特異度がました。EBJIS基準では白血球数のカウントがADLFよりも感度が高かった。(86%対54%)。とくに慢性感染では白血球数のほうが感度が高かった。
結論
ADLFは感染の診断で高い特異度、低い感度であった。スクリーニングには不適で、むしろ感染の確定診断に向いている。


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論評

メーカーさんのパンフレットをみると、感度特異度とも90%以上やで!!と記載されております。
また、小さな研究会などにでると”アルファディフェンシン最高””これからはアルファディフェンシンを信じて感染かどうか考えます”みたいな発表が散見されまして、おいおい、大丈夫かよ。と思っていました。
今回の報告は僕のその感覚に近いものです。疑っている症例に対して使って陽性だったら、感染だったね、やっぱり。という使い方をしようということだと思います。

2018年4月30日月曜日

20180430 Arthritis Rheumamtol. Leg Length Inequality and Hip Osteoarthritis in the Multicenter Osteoarthritis Study and the Osteoarthritis Initiative.

背景
2センチの脚長差があると膝関節OAになるリスクがあると言われている。本研究では股関節OAと脚長差の関連について調査を行った。
方法
MOSTとOsteoarthritis initiativeと呼ばれるコホート研究に参加した被験者から、両下肢全長と股関節のX線写真を取得。3から5年毎にフォローアップを行った。横断的、縦断的な評価を行った。脚長差がない群と短い脚の群と長い足の群で比較を行い、ロジスティック回帰分析を行い検討を行った。
結果
1966例と2617例の検討を行った。12%の患者が1センチ以上の脚長差を有し、1%で2センチの脚長差を有していた。脚が短いことは、1センチ以上の脚長差がある群、2センチ以上の脚長差がある群のいずれでもOAの独立した因子であった。1センチの脚長差ではオッズ比1.39であるものが、2センチの脚長差では4.20と短い方の脚ではOAのオッズ比が上昇した。長い方の脚ではOAの危険因子の増加を認めなかった。
考察
2センチの脚長差があることはOAのリスクである。


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股関節の場合には股関節OAそのもので脚長差が生じえます。
また脊椎側湾の影響も無視できません。
どの様んい測定したかはまた一度本文まで当たる必要がありそうです。

2018年4月28日土曜日

20180428 CORR Is Cemented or Cementless Femoral Stem Fixation More Durable in Patients Older Than 75 Years of Age? A Comparison of the Best-performing Stems.

背景
THAの大腿骨側インプラントがセメント固定か、セメントレス固定かということは未だ議論の的である。セメント、セメントレスともいずれも高いステム生存率を示している。しかしながらレジストリーデータではセメントレスステムのほうが再置換率が高いと言うことを示している。再置換率の差が、固定様式の差なのかインプラントのRangeを反映しているのかは不明である。
臨床上の疑問
(1)75歳以上のTHAを受けた患者を対象として、一つの最も優れたセメントステムと、3つのセメントレスステムとの間で再置換率に違いはあるか。もし差があるとすればそれは術後早期なのか術後1ヶ月以上経過した場合なのか
(2)3つの優れたセメントレスステムの内、3つのセメントステムよりも優れた成績がでるような疾患の違いはあるか
(3)患者の性別によって違いはあるか
方法
オーストラリアの国家レジストリーデータから3つの優れたセメントステムと3つの優れたセメントレスステムを選択。基準としては10年間の再置換率が低く、また1000例以上で使われたものとした。カプランマイヤー曲線で生存率を検討した。OAと骨折で分けて検討を行った。
結果
再置換をエンドポイントとした時、セメントレスステムよりもセメントステムの方が有意に再置換率が低かった。(ハザード比3.47、P=0.001)。早期の再置換については、セメントステムよりもセメントレスステムでは9.14倍であった。疾患別に検討をおこなうと、セメントレスステムがいずれもセメントステムよりも1ヶ月の時点での再置換率が高く、OAでハザード比8.82、大腿骨頚部骨折でハザード比27.78であった。性別での検討を行ったが、男性、女性にかかわらずセメントステムの方がセメントレスステムよりも術後1ヶ月の時点での再置換率が低かった。男性でハザード比0.42、女性でハザード比0.06であった。
結論
75歳以上の患者において、セメントレスステムは術後1ヶ月の段階での再置換率がセメントステムよりも高かかった。これはともに最も生存率が高いステムをもちいた結果である。このレジストリーデータからは次世代の股関節外科医にはセメントステムのトレーニングをおこなう必要があろう。しかしながら、THA術後3ヶ月の段階では二群間に差を認めなかった。これは外科医の技術、大腿骨の形状に応じて適切なセメントレスステムを選ぶことができる。

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論評

オーストラリアの国家レジストリーから。術後早期の大腿骨再置換はセメントステムよりもセメントレスステムが高いという結果となった。
しかしながら、この様な結果にもかかわらずセメントステムの使用は減り、セメントレスステムの使用は増加の一方である。
ひょっとしたらセメントは限られた術者が使うのでより成績が上がっているというバイアスはあるのかもしれない。
ただ、ボク個人としてはこの結論に賛成でセメントステムはもっと見直されて、若手の先生方はセメントの手技を身につけるべきだと思います。


2018年4月25日水曜日

20180425 CORR Crosslinking reduces THA wear, osteolysis, and revision rate at 15-years followup compared with noncrosslinked polyethylene

貴重なRCTの長期フォローアップ。せめてレントゲンがあれば。

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背景:クロスリンクポリエチレン(XLPE)ライナーは10年のフォローで、従来のノンクロスポリエチレン(CRE)ライナーよりも低い摩耗率を示している。しかしより長期のフォローアップでこれらのインプラントがどうなのか、またXLPEライナー骨融解発生の時期が遅れるのか、、骨融解の発生率が低いのかということについてはいまだ質の高いエビデンスはない。また長期間に渉フォローによる摩耗の減少とそれに伴う長期の置換率の減少についてもどの程度化は不明である。
臨床上の疑問:(1)XLPEは摩耗と関連する再置換率を低下させるか。(2)摩耗率を低減させるか(3)CPEと比較して骨融解の頻度を低下させるか
方法:1999-2000年。XLPEとCPEの無作為割付に参加した226人の患者236例の初回人工関節。28ミリ骨頭、4ミリの外方化ライナーを使用。6例が術中の何かしらの理由によって除外された。最終的に220人、230関節を対象とした無作為割付試験となった。手術時平均年齢は62歳。年齢、性別、BMIに有意差を認めなかった。14年後にレントゲン写真の撮影が可能だったのが85関節。XLPEが46例、CPEが39例であった。ポリエチレンの摩耗量、再置換直前もしくはもっとも直近のX線写真による評価を行った。再手術または骨融解の発生をエンドポイントとした累積危険率の検討を行った。
結果:摩耗を理由とした累積危険率はXLPEが0%、CPEが12%で有意にXLPEが低かった。(P<0 .001="" mm="" p="" year="">結論:本研究は以前の研究の連続となる長期フォローである。XLPEは再置換の減少、摩耗量の減少、骨融解の減少と関連していた。長期間のフォローアップでXLPEライナーの摩耗率が低く、機械的破綻がないことは、酸化防止剤を配合していないライナーでも高い耐久性があることを裏付けている。 骨溶解はまったくないわけではないが、まれにしか発生せず、これまでに臨床的な問題を引き起こしていない。

2018年4月22日日曜日

20180422 J Orthop Trauma Factors Associated With Revision Surgery After Internal Fixation of Hip Fractures

背景 大腿骨頚部骨折において内固定をおこなった群ではある一定の割合で人工関節への置換が必要となる。FAITH Trial(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ノルウエイ、ドイツ、イギリス、インドの多国籍前向き大腿骨頚部骨折共同研究)をもちいた研究。大腿骨頚部骨折のインプラント、その他の因子について、再手術の必要性、骨折治癒、2年後の機能回復の程度について検討を行った。加えてインプラント抜去したかどうか。インプラントをTHAやBHPに置換したかどうかを検討した。
方法 1079例の患者を対象。再置換の危険因子と考えられる15項目の因子について検討を行った。7項目は内固定材の抜去について、14項目はインプラントの置換についての項目である。Cox比例ハザードモデルをもちいて検討を行った。
結果 再置換に至る危険因子は女性であること、(HR1.7)。BMIが高いこと(HR1.19)。転位型の骨折であること(HR2.2)。インプラントの設置不良(HR2.7)であった。また喫煙患者がCCHSまたはCHSで治療された場合も成績が不良であった。(HR2.9)。さらに10歳ごとに年齢が減少することで39%ずつインプラントを抜去するリスクが高くなった。
結論 本研究で明らかとなった危険群には最初からTHAなどの選択をおこなうとより適切な治療が行えるであろう。

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FAITHTrialは小生が知る限りで、多国籍前向きの唯一の大腿骨頚部骨折の研究であると認識しています。
そこからの研究。
前向きで1079例という多数の患者を対象としていることから、得られた結果にはなるほど。と頷く結果が提示されていると思います。
昨今積極的内固定を否定するような論文が散見されます。THAの性能が向上したことに大きく影響されているのでしょうか。

2018年4月18日水曜日

20180418 J arthroplasty Conversion vs Primary Total Hip Arthroplasty: Increased Cost of Care and Perioperative Complications.

背景
大腿骨近位部骨折は増加しており、骨接合術後のTHAも増加傾向にある。以前の研究では骨接合術後のTHAでは合併症が高いことが報告されている。ただ、以前の研究ではこの2つの方法間でのコストの検討が不足していた。MedicaidとMedicareの保険で疾患の重症度をマッチさせて、病院への支払いについて検討した。
方法
2012年から2015年までに163例の骨接合術後のTHAが存在した。術中合併症、出血、手術時間、術後合併症、周術期のコストについてPrimaryTHAを行った群で、マッチさせて検討を行った。
結果
骨接合術後のTHAでは初回THAよりも直接のコスト、中間の介護コスト、リハビリ、レントゲンなどで有意に初回THAよりも高かった。加えて骨接合術後THAでは出血、手術時間、入院期間、術後合併症も多かった。
結論
骨接合術後THAは初回THAに比べて手術時間が長く合併症が多かった。患者の選択バイアスから生じる追加の出費を防ぐために、骨接合術後のTHAでは評価項目の再評価が必要である。


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最近の流行りのコスト談義だと思います。
骨接合術後の骨頭壊死もしくはインプラント穿破からでTHAが必要になる症例と、転位が大きいからTHAにしましょうという症例が同じなわけがなく、手術時間だって抜釘していれば自然に延長するものと思います。
そもそもこの2群を比較してあなたは何をいいたいのかとつっこんでみたいものです。

2018年4月12日木曜日

20180412 CORR Risk of complication after THA increases among patients who are connected with HIV and Hepatitis C

背景 HIVとHCVの両方に感染している患者は増加傾向にある。HIV、HCVそれぞれ単独感染についてのエビデンスは構築されつつあるが、両方共感染している場合の報告はない
臨床上の問い 感染のない患者と比較して、患者背景は合併症の有無に違いがあるのではないか。再入院などのリスク、合併症の発生が多いのではないか。とくに(1) HCVとHIVの両方に感染していると年齢、性別、医療保険に違いがあるのではないか。(2) 合併症の有無に違いがあるのではないか(3) 術後の早期がペイ性が多いのではないか。 (4) 再入院の率が高いのではないか について検討を行った
方法 2010年から2014年 ニューヨーク州のデータベースを使用。感染なし群、HIVのみ感染群、HCVのみ感染群、HIV、HCV共感染群の4群に分けた。2010年から2014年までに80722例の患者がTHAを受けた。98.55%の患者が感染が無かった。HCVまたはHIVに感染している患者は0.66%。HIVとHCVの共感染は0.14%であった。多変量解析を行い各群間の比較を行った。
結果 共感染群は他の群より若く、男性が多かった。またMedicaid(公費)の使用割合が高かった。基礎疾患がONFHであることが多く、またホームレスであることも多かった。また共感染群はアルコール、喫煙歴が高く、精神疾患を合併している率も高かった。入院期間も長くなる傾向にあった。入院中に合併症を発生することも多く、再入院率も高かった。
結論
HCVとHIVの共感染の割合は増加しており、今後整形外科医が対応を迫られる場合も増加する。患者背景、社会的問題についても術者は考慮すべきで必要があれば精神科コンサルトや退院支援、感染症専門医の介入を要請する必要がある。そうすることでHIV、HCV共感染の患者にかかるコストを減じることができるであろう

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最近アメリカで流行っている「コスト」話ですね。
アメリカでは関節症疾患に対する治療費の増大が国家的な問題になっていて、それにどのように対応するかというのがAAOSなどでも議論になっています。
その流れに乗った論文ですが、いわゆる記述統計であり、因果関係もへったくれもありませんな。じゃあどうするの?という結論がないところがミソです。苦笑。

2018年4月7日土曜日

20180407 CORR Cardiovascular and Cerebrovascular Events Are Associated With Nontraumatic Osteonecrosis of the Femoral Head

背景
血管内皮の障害がONFHの病因の1つと考えられている。また脳血管障害、心血管障害も血管内皮障害にておこる。しかしながら今までにONFHとこれらの血管障害との発生頻度の報告を行ったものはない。
問いと目的
ONFHとマッチさせたコホート軍を設定。年齢、性別、経済的要因を一致させてハザードRatioを検討。交絡因子を調整したあとにONFHと血管障害との関連を調査。両群での血管障害の発生率について調査を行った。
方法
1997年から2010年までの台湾の国家レジストリーをもちいた後ろ向き研究。2300万人の台湾人と在留外国人を含む。99.5%がアジア系。100万人から心血管イベントを起こしていない1562人のONFHを同定。15620人のONFHでないコントロール群を選定。
結果
ONFH群は非ONFH群よりも血管イベントの発生率が高かった。(19%と14%)調整後のハザードRatioは1.34から1.27であった。交絡因子を調整した上での検討をおこなってもONFHは独立した危険因子であった。累積危険率はONFH群で非ONFH群の方が有意に高かった。
結論
ONFhは血管障害と関連していることが明らかとなった。これは血管内皮障害の可能性が存在することが示唆された。ONFH群は相対的に若年であるが、これらの心血管イベントの発生について慎重に経過観察することが必要である。

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台湾からの報告

住民レベルのでコホートで検討したところONFH群は血管障害を引き起こすような疾患の可能性が高いことがわかったとのこと。
ONFHは原因不明の疾患であるが、このような疫学的な検討から病因に少しでも迫れるとよいですね

2018年4月5日木曜日

20180405 Factors associated with health-related quality of life, hip function, and health utility after operative management of femoral neck fractures

背景
本研究の第一の目的は大腿骨頚部骨折患者の健康関連QOLと関連する因子についての検討であり、第二の目的は精神的QOL、股関節機能と関連する因子の同定をおこなうことである。
対象と方法 FAITHという前向き研究に参加した患者。SF12、WOMAC、EQ5Dを取得。混合モデルにて解析を行った。
結果 高齢、女性、BMI高値、ASA3以上、骨折の転位が大きいものが術後のQOLとの関連として挙げられた。
結論 大腿骨頚部骨折患者において上記のような因子が術後のQOLとかかわっていた。


まあ、そうだよね。。。。。苦笑。

2018年4月3日火曜日

20180403JBJSAm Does Vancomycin Powder Decrease Surgical Site Infections in Growing Spine Surgery?: A Preliminary Study

脊椎手術でバンコマイシンパウダーを創部に散布すると術後の感染が減りましたとする報告。
この絶妙なP値がなんともいえません。笑
RCTはあるのかな?ぜひとも前向きでの検討をお願いしたいものです。

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背景 バンコマイシンパウダーは小児においてもその安全性が確認されている。しかしながら今まで早期発生の側湾手術の手術関連感染SSIを減らすかどうかは検討されていなかった。
方法 2010年から2016年。側弯症の患者を対象。後半でバンコマイシンパウダーを使うようになった。コントロール群と投与群に分けて検討。最初の設置時、延長手技時、最終的骨癒合時を含む。SSIの発生についての検討を行った。
結果 191例中36例の患者で基準を満たした。研究期間中36例中14例39%で感染を認めた。2例が多発感染であった。コントロール群が87例中12例の感染なのに対して、バンコマイシン投与群は104例中5例であった。有意にSSIが下がっていた(P=0.038)。10.9倍バンコマイシンは感染を減らすと言える
結論
早期発生の側弯症で延長ロッドを用いるような手術でもバンコマイシンパウダーは感染抑制に有用であった。

2018年3月25日日曜日

20180325 J arthroplasty How Much Pain Is Significant? Defining the Minimal Clinically Important Difference for the Visual Analog Scale for Pain After Total Joint Arthroplasty.

背景 人工関節置換術後の疼痛の変化は術後疼痛の管理を考える上で必須である。VASについてのMICD(臨床的に意味のある違い、変化)は今まで検討されたことはなかった。本研究の目的は人工関節置換術後の患者においてのVASを検討することで明日。
方法 139例のTHA、165例のTKAの患者を対象とした。患者ごとに入院時のVASを取得。最終フォロー時にもVASを取得。線形混合分析を行った。患者がよくなった、もしくは悪くなったと申告した時点をMCIDのアンカーポイントとした。
結果 THAの平均の疼痛VASは35から50.4ミリ、TKAでは42.6から61.1ミリであった。最小変化量はTHAで14.9ミリ、TKAで16.1ミリであった。MCIDはTHAで18.6ミリ、TKAで22.6ミリであった。逆に疼痛悪化時のスコアは23.6ミリから29.1ミリであった。
考察 人工関節置換術後の患者において、THAとTKAのMCIDには違いがある。THAでは18.6ミリ、TKAでは22.6ミリの違いがでることが必要であった。

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MCIDについてです。
いわゆる統計学的な有意差はT検定などででますが、その統計的な差が臨床的に意味があるかわからないよね。ということで考えられた手法がMCIDになります。
MCIDを超えないと統計的には差はあるけども、臨床的には意味がないんじゃないかというように捉えられます。
だいたいVASで20ミリ超えれば疼痛の改善がある。と認められるわけですので、1つのめやすとして考えればよいのかなと思います。

2018年3月20日火曜日

20180320 J arthroplasty Measurement of Patient's Perception on Limb-Length Discrepancy Compared With Weight-Bearing Orthoroentgenography in Total Hip Arthroplasty: A Prospective Study

  • 本研究の目的は、THA術後の立位のレントゲン写真と患者の自覚的脚長差について比較検討をおこなうことである
  • 方法は前向き研究。既にTHAを受けた患者を対象とした。足にブロックを挟むことで自覚的脚長差を測定した。立位全長、骨盤のレントゲン写真をX線学的パラメーターとした。違い、相関、信頼性についての調査を行った。
  • 結果 68例の患者が対象となった。立位全長レントゲン写真、自覚的脚長差、骨盤のレントゲン写真それぞれでの脚長差は60%、57.4%、52.9%存在していた。それぞれの長さの違いは充の方法で有意差を認めなかった。感度、特異度を測定したところ、立位全長では感度61%、特異度48%。骨盤のレントゲン写真では感度78.1%、特異度85.2%であった。立位全長と患者の自覚的脚長差の間にはほとんど相関を認めなかった。(相関係数0.22)しかしながら、立位全長と骨盤正面との間には高い相関を認めた。(相関係数0.85)。
  • 結論 患者の自覚的脚長差は立位全長との間に相関はなく、またその信頼性も低かった。術者はレントゲン写真によって脚長差を評価すべきである。


THAの術後に脚長差が生じないように股関節外科医は心を砕きます。
まずは脚長差とは何か?ということを調べた論文である。というように理解しました。
脚長差には自覚的脚長差とレントゲンによる他覚的脚長差(骨盤もしくは両下肢全長)があります。
本研究では、他覚的脚長差と自覚的脚長差の間には相関がなかった。そこで自覚的脚長差は信頼性に乏しいと結論づけています。
いやいや、ちょっと待ちなさい。
脚長差で困っているのは患者さんであり、自覚的脚長差と他覚的脚長差の間に相関がなければ、その測定方法に問題があると考えるべきではないでしょうか。

2018年3月15日木曜日

20180315 CORRThe Safe Zone Range for Cup Anteversion Is Narrower Than for Inclination in THA

CORRから

いわゆるLewinnekのSafe ZoneはSafeじゃないよね。といままでみんなが思っていたことを明らかにした論文です。
検定手法には疑問が残りますが、新しい検討方法として一考の余地があります。

  • 背景 カップの不適切な設置は、インピンジメント、ROM制限、Wearの進行、ライナーの破損、不安定性のゆ様な原因である。今までいわゆる”Safe zone”は2Dでの評価が行われていた。本研究はCTをもちいてTHAにおけるカップのSafe zoneについて安定したTHAと不安定なTHAでの検討をおこなうことである。
  • 臨床上の疑問 (1)CTで測定すると、不安定なTHAと安定したTHAの間には測定した値に違いはあるか(2)CTで測定した値はTHAにおける歴史的なSafe Zoneをサポートするか
  • 方法 2003年から2017年。頻回脱臼に対して再置換術を行った34例。175例の安定したTHAの患者に対して反対側の術前計画、術中ナビゲーションのCTを検討した。検討項目はカップの位置、大腿骨前捻、Combined anteversion、骨盤後傾、Total オフセット、骨頭頚、年齢、性別、BMIだった。これらの値を安定したTHAと不安定なTHAの間で測定を行った。術中の測定はすべてRadiographicに換算した。。不安定な股関節がLewinnekのSafeZoneに入っている割合を検討し、新しいSafe zoneについての検討を行った。
  • 結果 前方脱臼する関節では安定した関節よりも術中の前方開角が大きかった。骨盤後傾を修正した前方開角、Conbined anteversionも大きかった。後方脱臼するTHAでは安定した関節よりも前方開角が小さく、また骨盤後傾、解剖学的カップの前方開角も小さかった。脱臼した関節の32%はLewinnekのSafeZoneにあった。安定しているTHAでの術中の外方開角が43度±12度、前方開角31±8度であった。
  • 結論 LewinnekのSafezoneは将来に渡って安定しているとは言えない。骨盤後傾を修正した術中の前方開角、外方開角が脱臼しない関節となった。骨盤後傾を修正した前方開角は脱臼した関節とそうでない関節の間で有意に違っていた。すなわち術前の骨盤後傾の計測が必要である。患者特有のカップの設置位置について、CTによる評価が新たなSafezoneを導き出すものと考えられる。

2018年3月12日月曜日

20180312 CORR CORR Dual-mobility Constructs in Revision THA Reduced Dislocation, Rerevision, and Reoperation Compared With Large Femoral Heads

CORRから。
頻回脱臼に対する再置換術は非常に悩みます。設置の異常が原因であれば正しいインプラントの設置によって対応が可能となりますが、設置の異常がはっきりとしない場合には骨頭径の拡大にて対応せざるをえないと考えます。
最近Dual Mobilityが上梓されました。このような頻回脱臼の症例には有用なのかもしれません。ただし、あくまでも後ろ向き研究であり、そのフォローも短いことからその適応については慎重にあるべきと考えます。

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  • 背景 人工股関節再置換術後の主要な合併症の1つに脱臼がある。Dual mobilityは2つのコンポーネントによって制限なく、脱臼のリスクを低下させると考えられている。しかしながら大径骨頭による再置換よりもDual mobilityによる再置換が有用であるというのは明らかとなっていない。
  • 臨床上の疑問 大径骨頭よりもDual mobilityの方が再置換における脱臼を減少させるか
  • 方法 2011年から2014年。Dual mobilityによって再置換された146例、40ミリ骨頭によって再置換された209例。置換の基準は術者によって決定された。匡史Dual mobiltyは脱臼の危険が高いと考えられる患者で多くもちいられた。Dual mobility群は146例中二0例が術後2年のフォローが出来なかったものとDual mobilityをセメント固定したものを除外した。Dual Mobility 群は3.3年±0.8年、大径骨頭軍は3.9年±0.9年のフォローだった。Primaryエンドポイントは脱臼、脱臼にともなう再置換、または再手術とした。年齢、BMIは二群間で違いを認めなかった。Dual Mobility群で女性の割合が多かった。Dual Mobility群の33%が反復性脱臼によるものであったのに対し、大径骨頭群では9%であった。
  • 結果 脱臼の頻度はDual Mobility群が3%、大径骨頭群が10%と有意にDual Mobility 群が低かった。脱臼にともなう再再置換術の頻度はDual Mobility群が1%、大径骨頭群が6%であった。すべての理由による再手術はDual Mobility群が6%に対して大径骨頭群が15%であった。両群で合併症の発生率の差をみとめなかった。
  • 結論 Dual Mobilityによって再置換された患者群では第京骨頭によって再置換された群よりも脱臼率、脱臼にともなう再々置換術、あらゆる理由による再置換術のリスクが低かった。選択バイアスの存在にもかかわらず今回の結果が得られた。これらの結果を踏まえて脱臼による再置換術においてDual Mobilityの適応が拡大するのかもしれない。

2018年3月11日日曜日

20180311 JBJSAm The Acetabular Fossa May Not Be Located at the True Center of the Acetabulum: A Detailed Analysis Using Preoperative CT Images.

  • 信州大学からの報告。
  • 寛骨臼窩は寛骨臼の前の方についているんだよ。ということを明らかにしました。たしかに、その通りだと思います。
  • リーミングの際に寛骨臼窩をほぼ中心としてリーミングを行っていますから、このような報告は普段の自分の手技を見直すきっかけになります。
  • また、この研究の目の付け所の良さが素晴らしいですね。感服いたしました。

  • 背景 寛骨臼窩は寛骨臼の中心にあると考えられており、THAにおける寛骨臼の掘削の際にはそこを中心としてリーミングを行ってきた。しかしながら形成不全がある場合での寛骨臼の位置は不明である。本研究では家性不全の有無にかかわらず寛骨臼窩は寛骨臼の中心にあるのではないかと仮説を立てた
  • 方法50人の正常股関節とDDHに対してRAOを行った50人の股関節と、THAを行った46人の股関節をCTで評価を行った。大腿骨頭の中心を通るラインでの寛骨臼の前後縁から寛骨臼中心を求めた。角度と寛骨臼窩からの距離を求めた。前方からの距離と寛骨臼の大きさの比でも評価した。
  • One-wa ANOVAで三群間を比較した。
  • 結果 三つの群すべてで寛骨臼窩は中心よりも前方に位置した。寛骨臼の中心角は14度±3.8度、15.2度±5.6度、14.9度±5.5度であった。寛骨臼窩からの距離は5.6ミリ±1.8ミリ、5.8ミリ±2.3ミリ、6.1ミリ±2.2ミリであった。寛骨臼窩の平均センターは38.8%±3.3%、38.5%±4.2%、38.3%±3.9%であった。
  • OAのあるなしにかかわらず、寛骨臼窩は寛骨臼の中心より全ポイに位置していた。寛骨臼窩を寛骨臼の中心としてリーミングをおこなうと前方の壁の欠損につながる危険性がある。

2018年3月7日水曜日

20180307 CORR Randomized Clinical Trial of Direct Anterior and Miniposterior Approach THA Which Provides Better Functional Recovery?

  • どのアプローチをえらぶかというのは未だに議論のあるところである。幾つかの報告では後方アプローチに比べてDAAの萌芽筋肉のダメージが小さいと言うことを報告している。しかしながらDAAは技術的に難しく、コンポーネントのマルアライメントや合併症と関連していることから本当に早期の復帰が可能かといったエビデンスは殆ど無い。
  • 臨床上の問:1)DAAは後方アプローチに比べて早期の日常生活への復帰を可能とするか。2)後方アプローチよりもDAAのほうが患者立脚型評価がたかいのか。3)後方アプローチよりもDAAのほうがレントゲン評価ですぐれるか4)DAAは後方アプローチよりも合併症が少ないか
  • 方法 2013年から2016年。116例の片側初回THA。DAAと後方アプローチが無作為割付された。15例が無作為割付後に辞退した。1例が術後6ヶ月で脳梗塞のため死亡した。DAA群52例。後方アプローチ群49例。割付後に、DAAは1人の医師が、後方アプローチは3人の医師が行った。年齢、性別、BMIでは差を認めなかった。機能評価としては補装具無しでの歩行可能時間、痛み止めの使用なしで要られた時間、歩数計、日常生活強度を比較した。臨床評価としてはWOMAC,SF12、HHSにて評価を行った。最小評価期間は365日であった。
  • 結果 歩行器が外れる時間、補装具無しで歩ける時期についてDAAは後方アプローチよりも優れていた。術後1年での歩数計の結果は変わらなかった。レントゲン写真上の評価は変わらなかった。脚長差、インプラントの設置、オフセットなどでは大きな以上を認めなかった。合併症についてもDAAと後方アプローチ感では差を認めなかった。
  • 結論 DAA、後方アプローチのいずれも合併症率が低い結果となった。DAAの方が復帰がやや早い傾向にあった。歩数計によるデータでは術後2ヶ月で差が見られなくなった。DAAはまだ充分研究されたアプローチとは言えないので、1年以降で合併症が発生している可能性があり、定量化が重要で、もしかすると早期の有利な点を相殺する可能性がある。
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よく練られたRCTによってDAAと後方アプローチを比較した論文。
Primaryエンドポイントが何かわかりませんが、もし合併症であるならばもっとN数が必要だと思います。
得られた結論は妥当だと思います。




2018年3月5日月曜日

20180305 Acta orthopedica A randomized controlled trial on maximal strength training in 60 patients undergoing total hip arthroplasty.

昨年JBJSででた、”THAの患者にリハビリしても意味ないんじゃない?”に対するCounterpartだと思います。
http://orthotraumaresidency.blogspot.jp/2017/05/20170506-jbjsam-formal-physical-therapy.html


普通のリハビリで意味がないのなら、強化リハビリすればよいやん。というのが本研究の目的です。
強化リハビリを行って、外転筋力、下肢の挙上筋力が増しましたよ。はいいのですが、その他の臨床検討項目で差がないというのは少しさみしいですね。。。筋力の測定方法について記載がありませんが、測定方法に対する慣れ、不慣れでも結果が変わってきますし。

もうひと工夫あってもよいのかな。と思いました。


  • THA術後の患者では筋力が低下していることが知られている。以前の研究で術前4週間の強化トレーニングを行ったという報告がある。本研究の目的は、一般的なリハビリと、強化リハビリ群の間での筋力を評価することである。
  • 60例の患者。患肢の外転と術後週3回のリハビリテーションを受けた。もう一郡はリハビリによって今まで通りのリハビリを受け、余計な荷重をかけないようにして行った。術前、術後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月で筋力を測定、疼痛、6分歩行、HHS、HOOSを測定した。
  • 27例の患者が研究を完遂した。強化リハビリ群の患者の萌芽術後3ヶ月、6ヶ月での外転筋力が高かった。術後1年の時点では差を認めなかった。その他の値には違いを認めなかった。
  • 強化リハビリをおこなうことで術後6ヶ月までは筋力の上昇が認められた。THAの患者において強化訓練は受け入れられ、日常診療の中でも実施することが可能であろう。

2018年3月1日木曜日

20180301 CORR Do Stem Design and Surgical Approach Influence Early Aseptic Loosening in Cementless THA?

CORRから。
たしかに実際に手術をしているとこのあたりは当たり前だと思いますが、それを国家レジストリーで明らかにしたところが良い論文だと思います。
詳細は別に記載します。

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背景
幾つかの研究で、初回THAにおける前方または前側方アプローチでの早期のステムの緩みが報告されている。一方、アプローチは他の因子についてはリスクファクターとはなっていない。ステムデザインについて、いわゆるアナトミック(近位外側が曲面、または鈍角となっているデザイン)またはショルダー(肩の部分が直線的になっているデザイン)が初回THAの早期のステムルースニングと関連しているのかもしれない。しかし今までにそれらの危険性についてなされた研究はない。
臨床上の問い/目的
本研究では国家レベルのレジストリーを用いる。そのうえで、アプローチ別でのショルダータイプのステムとアナトミックステムとの間での早期のルースニングについて比較をおこなうこと
方法
オランダの人工関節レジストリー。2007年から2013年までの間の初回THAのうち、全ポウまたは前側方で手術が行なわれた63354例を調査。最低フォロー期間は2年間。アナトミック、ショルダー、その他の3つに分類した。47372例のTHAがショルダーまたはアナトミックで手術がされていた。1195例、2.5%がなにかしらの理由で再置換が行なわれており、340例、0.7%が無菌性の緩みを理由に再置換されていた。1558例の患者がフォロー期間中に死亡していた。後方アプローチと比較して、前方または前側方アプローチでのアナトミックまたはショルダーでの早期緩みについてハザード比を求めた。
結果
性別、ASA、手術の既往、ステムの材質、コーティングについて調整を行った後に、ステムとアプローチとの関連について調査を行った。後方アプローチを使用した場合に比べて、ショルダーでは前方アプローチ、前側方アプローチでの再置換率が高かった。(前方アプローチ HR 10.47、前側方アプローチ HR 2.28)。
結論
セメントレスTHAにおいて、ショルダーは後方アプローチに比べて前方または前側方アプローチでは早期の緩みと関連することがわかった。前方または前側方アプローチではアナトミックのほうが好ましいかもしれない。前方アプローチでのショルダーステムについての更なる症例の集積が必要である。


2018年2月26日月曜日

20180226 Osteoarthritis and Cartilage Biomechanical change and recovery of gait function after total hip arthroplasty for osteoarthritis: asystematic review and meta analysis

背景
変形性股関節症術後の歩行のバイオメカニクスの変化を評価するため、術前の歩行状態との比較、健常者との比較を行った。
方法
システマティックレビューとメタアナライシスにてTHAの術前の比較と健常人との比較をそれぞれ行った。キネマティクスとカイネティクスのパラメータの評価を行った。
結果
2477例の患者。術後6週で歩行スピード、ストライド、歩幅、外転角度の改善が認められた。股関節の可動域は術後3ヶ月から改善が認められた。術後12ヶ月で歩行スピード、ストライド、片脚起立時間、関節可動域が健常人とほぼ同等レベルまで回復した。
結論
OAに対するTHAでは早期に術後から歩行にかんする改善が認められた。THAの患者では12ヶ月で健常人とほぼ同レベルまでの改善を認めた。

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歩行能力に関するメタアナライシスはありませんので、珍しい研究だなと思います。
研究ごとでの患者背景の違いはあるのではないかと思いますが、一般的なお話としてお伝えするには耐えうる内容ではないかと思います。

2018年2月25日日曜日

20180225 Osteoarthritis and Cartilage The association between ambulatory activity, body composition and hip or knee joint replacement due to osteoarthritis: a prospective cohort study.

OARSIからの報告。
前向き研究。OARSIは統計家の関与がない論文は既に受け付けてもらえません。
普段から統計家と呼ばれる人たちと何かしらのカタチでコミュニケーションを取れるようにしておくことは臨床家にとって必須です。

背景
本研究の目的は変形性関節症のために人工股関節全置換術または人工膝関節全置換術に至ることと、歩行能力、体の組成についての関連を調査することである。
デザイン
1082人の地域住民患者。50−80歳までを対象。歩行能力は万歩計で測定し、体内組成はDEXAをもちいて測定を行った。人工関節置換術を受けたかどうかをレジストリーから確認。年齢、性別、レントゲン写真上の変形の程度、疼痛で調整して歩行能力、体内組成について人工関節置換置換をエンドポイントとしたロジスティック回帰分析を行った。
結果
13年間のフォローアップ。74例、6.8%の患者がTKAを、4.7%の患者がTHAを受けた。歩行能力はTKAのリスクを高くし、THAのリスクを下げた。BMI,総脂肪量、体幹の脂肪量、腹囲はTKAのリスクを高くしたが、THAとは関連しなかった。
結果
歩行はTKAのリスクを高くしたものの、THAのリスクとは関連しなかった。体内組成はTKAと関連したものの、THAとは関連しなかった。日常生活動作や肥満に関しての指導は罹患した関節ごとに異なった指導が必要となる。

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膝に比べて股関節はもともとの形態が、将来の変形に影響することが大きな関節です。
長期間のフォローアップによってそれを明らかにした研究だと思います。
日常生活動作、一般的な指導についてもどのようにおこなうかということは現在のところ充分に研究されたとはいい難いのが実情です。
今後日本からそのような保存療法についてのエビデンスを多く発信していければと思います。。。。。

20180225 人工関節学会に出席してきました。

人工関節学会に出てきました。

股関節学会もそうですが、玉石混交。
今すぐにでも英文雑誌に投稿できそうな演題がある一方、まったく演題としての形態をなしていないものもありました。

とくに残念だったのが、前向きに無作為研究をやったとの報告。

内容は非常によい。手間暇も充分にかかっている!素晴らしい!とおもったのですが、無作為前向き研究のお作法がわかっていない。。。。。もったいなさすぎる。

まずは、無作為研究をするときには、Primaryエンドポイントを決めて、そこから算出されるサンプルサイズを計算しましょう。Primaryエンドポイト以外の内容はあくまでもおまけです。
除外もしっかりと決めておくこと。
あとは有害事象についてもしっかりと検討をしておかないといけません。
一般病院だと難しいですが、今時は臨床統計家の関与は必須ですし、前向きであればUMINへの登録が必要です。

演者の先生に質問しましたが「はあ?サンプルサイズ?全例なんだけど」みたいな顔をされていましたので、多分つたわらなかったなあ。。。。
せめて共同演者の先生には出てきてほしかった。まだ遅くないと思うので、指導の先生とともに研究を組み直していただければと思っています。

このブログで、この2年間で中国からの情報発信のエネルギーの凄まじさをひしひしと感じています。
せっかく時間をかけて、手間暇をかけたからこそ、カタチにして世界に発信していければ。



2018年2月23日金曜日

20180223 JBJS Am Perioperative Allogeneic Red Blood-Cell Transfusion Associated with Surgical Site Infection After Total Hip and Knee Arthroplasty.

輸血が増えると感染が増えますよ。というお話です。
ホントは中まで読まないとなんとも言えませんが、交絡なんじゃね?と思います。
輸血が増えると言うことは、オペ時間も長いでしょうし、術者が下手なのかも知れないし。
症例数で押し切りましたかね。最近JBJSAmはこういうのが散見されて困ります。

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背景
周術期の輸血は人工関節置換術後の感染のリスクファクターとして知られている。しかしながらその投与量や術前の貧血具合、凝固系疾患の有無までは調べられていない
方法
一施設で行なわれた10年間で6788例の人工関節術後の患者を対象。多変量解析を行った。
結果
輸血量と感染の危険性には関連があった。1単位輸血するとオッズ比1.97、2単位輸血すると2.20、3単位以上輸血すると7.40となった。内科疾患で調整したところ、術前から出血傾向にある場合、凝固系疾患がある場合、術前から貧血があることが独立した危険因子であった。
結論
輸血と周術期の感染の間に関係があった。加えて術前の貧血、凝固系疾患は独立した危険因子であった。適切な輸血が求められる。

2018年2月22日木曜日

20180222 J arthroplasty Does Preoperative Opioid Use Increase the Risk of Early Revision Total Hip Arthroplasty?

オピオイドの使用は全世界的に増えています。
これをお読みの方々も以前よりもオピオイドの使用が増えたという実感がお有りになるのではと思います。
脊椎では術前からオピオイドを使用していると術後成績が不良となるとする論文が散見されます。
THAではどうなるのか。というのが本論文です。

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背景
本研究の目的は術前のオピオイドの使用が早期の再置換術に与える影響を評価することである。
方法
2007−2015年。単施設。THAの再置換を行った患者を追跡。術前のオピオイドの使用、年齢、性別、DMの有無、鬱の状態、腎機能障害、肥満をロジスティック解析を行い危険因子を同定した。
結果
17695例のTHAの患者のうち、0.88%(155例)の患者が2年以内に再置換が行なわれていた。36.7%の患者でオピオイドが処方されていた。58.7%の患者が女性。80%が50歳以上であった。単変量解析を行ったところ術前のオピオイド使用患者は早期再置換に有意に多くなっていた。その他には肥満、うつが早期の再置換で有意に多かった。
結論
THA術前3ヶ月以内の使用は早期の再置換の独立した危険因子であった。その他には肥満とうつが関連していた。これらの情報は保険の支払いにて考慮される内容であろう。また術前にオピオイドの中止すると再置換が減るかどうかの検討が必要となる。

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再置換が増えるメカニズムがなにかとの記載はありませんのでオピオイドは交絡因子の可能性があると思います。
しかし、昨今のオピオイドの安易な処方には個人的には疑問を感じています。
運動療法、生活指導を行ったうえで適切に処方されるべきではないでしょうか。

2018年2月21日水曜日

20180221 JBJS Am Intermediate-Term Hip Survivorship and Patient-Reported Outcomes of Periacetabular Osteotomy: The Washington University Experience

アメリカの骨切りといえばClohsyさんのところですが、そのClohsyさんのところからの報告。骨切りのPatiented reported outcomeの中期成績。
骨切りの長期成績とその危険因子については、日本からの優れた報告が多数あり、2013年から2014年にかけてJBJS am、CORRなどに掲載されています。(兼氏先生、安永先生、内藤先生、長谷川先生の報告)。危険因子についてはJOA、BJJに天野先生が重み付けをしたうえでの報告を行っていますのでそちらを参考にされても良いのかもしれません。


背景
Berneseの骨切り(PAO)は症状のある寛骨臼形成不全に対してTHAのかわりとして行なわれる手術である。今まで中長期の成績は報告されていない。本研究はPatient reported outcomeをもちいて成績を評価することである
対象と方法
1994年から2008年。PAOが行なわれた206例238股関節。62例は古典的な寛骨臼形成不全ではないと診断され、22例はフォロー不能となった。129例154関節。術後10.3年のフォローアップ。THAをエンドポイントとしてKaplan Meier曲線を飼いた。UCLAスコア、HHS、WOMCスコアを同時に取得し、WOMACのpainスコアが10点以上、HHSが70点以下となった場合には症状のある関節とした。
結果
15年生存率は92%出会った。8関節(5%)がTHAに置換された。THAまでの期間は6.8年±5.2年であった。24関節、16%が症状のある関節となった。122関節はTHAにならず、症状も出現しなかった。術後10年の時点でのUCLAスコアは7.7点。WOMACのサブスケールは1.2点であった。関節適合性が悪いこと、CE角が38度以上であることが成績不良因子であった。頚部の骨形成をおこなった症例では破綻率が低下した。
結論
間接的合成の不良、寛骨臼のかぶせ過ぎは成績不良因子となりうる。頚部の骨形成は術後可動域に有効で破綻の可能性を減少させる。

2018年2月20日火曜日

20180220 JBJS Am Low Prevalence of Hip and Knee Arthritis in Active Marathon Runners

JBJS Am からの報告。
変形性股関節症、変形性膝関節症(以下OA)の進行と関連する因子として性別、年齢、肥満、家族歴、労働環境などが言われています。
ジョギングなどのスポーツは関節にかかる力が歩行時の2から3倍になるとする報告があることから、過度な運動は変形性関節症のリスク因子として今まで考えられてきました。
本研究はフルマラソンを5回以上経験し、週に10マイル(16km以上)走る人を対象とした横断の観察研究です。この結果ではマラソンはOAの進行と関連しない。と筆者らは結論付けています。
そもそも、週に10マイル走る人は痩せていて、外傷歴とかもないでしょうしね。。。いわゆる選択バイアスそのもの何じゃないかと思います。苦笑。筆者らも書いていますが、今後の経過観察が必要と言っていますが、そのとおりだと思います。ちなみに2000年ごろにLaneさんが同様のコホート研究を行い、運動は危険因子である。と報告していますので興味がある方は一度並べて読まれると良いかと。
以下抄録

はじめに
マラソンが変形性股関節症、変形性膝関節症と関連するかという確固たるエビデンスはない。本研究の目的はマラソンランナーを対象として股関節症、膝関節症の状態について調査をおこなうことである。
方法
5回以上のフルマラソンの完走歴があり、最低10マイル/週走っているマラソンランナー675名を対象とした。疼痛、家族歴、手術歴、走行距離、マラソンの記録、現在走っているかについて調査。多変量解析を行い疼痛と関節症の存在についての独立した危険因子を抽出。対象はアメリカの国立センターに保存されている一般住民とした。
結果
平均年齢48歳。週に最低36km走っている。それを平均19年間継続していいた。平均。76回のマラソン完走歴があった。股関節痛、膝関節痛が47%に認められる一方、関節症変化は8.9%に認められた。これはアメリカの一般住民の関節症の有病率17.9%よりも低かった。年齢、手術歴が独立した危険因子である一方、歩行距離、時間、頻度は危険因子ではなかった。
結論、年齢、家族歴、手術歴はマラソンランナーにとってOAの危険因子となり得た。一方マラソンの頻度、強度はOAと関連しなかった。OAの頻度はアメリカの一般住民と異なっていた。今後は長期間にわたるフォローアップが必要であろう。


2018年2月19日月曜日

20180219 BJJ An interobserver reliability comparison between the Orthopaedic Trauma Association's open fracture classification and the Gustilo and Anderson classification.

BJJから。

開放骨折の評価であるGustilo分類、OTA-OFC分類は、検者間誤差が大きいよ。というお話。
κ値が0.5以下である評価ばかりなので、かなりちがっている。という結論になります。
これならこの論文に書いてある写真、病歴から機械学習を行なわせてAiに判断させたほうがいいんじゃないかと思います。

目的
本研究の目的は整形外科外傷学会の開放骨折分類システム(OTA-OFC)の検者間の信頼性を明らかにすることである。
対象と方法
長管骨の開放骨折をきたした患者。レントゲン写真。創部のレントゲン写真、短い病歴を8人の整形外科医に見せ、それぞれ独立してGustilo分類とOTA-OFCを行った。κ値で評価を行った。
結果
検者間一致率はGustilo分類で0.44、OTA-OFC分類で0.49であった。それぞれ中程度の一致率であった。OTA-OFC分類の下位項目である皮膚は0.55、筋肉は0.44、血管損傷は0.74,コンタミネーションは0.35,骨欠損は0.41であった。
結論
OTA-OFC分類はGustily分類と同じ程度の一致率であったが将来的にはもっとしっかりとした信頼性のあるツールを作成する必要がある。

2018年2月18日日曜日

20180218 BJJ The impact of external fixation on mortality in patients with an unstable pelvic ring fracture: a propensity-matched cohort study.

BJJから。
日本の外傷レジストリーをもちいた傾向スコアマッチングをもちいた骨盤骨折の治療についての論文。
創外固定は比較的容易な手技でおこなうことが出来ます。骨盤骨折のような高エネルギー外傷が運ばれてくるような施設では今後必須になると思います。
外傷のデータベースあってこそのこの研究。このデータベースを構築された救急の先生方のお仕事に敬服いたします。整形外科の他の分野も見習うべきだと思います。

抄録
目的
創外固定が死亡率を減らすかどうかというエビデンスはない。日本の外傷データベースをもちいて不安定骨盤骨折を抽出して、他の外傷からの出血を除いて、創外固定が死亡率に関与するかを調べること
対象と方法
1163名の不安定性骨盤骨折の患者。創外固定をもちいられて治療された群386名と創外固定なしで治療された777名。単独の骨盤骨折かどうかはAISをもちいて、AIS<3 p="">結果
346名の患者がマッチした。マッチさせると創外固定群は有意に死亡率を減少させた。また輸血良、大量出血の有無に関しても有意に低くなった。
結論
不安定性骨盤骨折に対する創外固定は患者の死亡率を低下させる。


2018年2月17日土曜日

20180217 BJJ The role of a small posterior malleolar fragment in trimalleolar fractures: a biomechanical study.

BJJから。

足関節三果骨折における後果骨折の骨片は1/4より大きければ骨接合をおこなうと古くから言われて来ましたが、本当にその4分の1にエビデンスがあるかを調べた論文。
Biomechanicsですので、一概に全部の結果を受け入れられるわけではないですが、常識だと思っていることでも疑って調べてみると面白いよ。という論文。
今後自分であれば、後ろ向き研究で後果を止めたものと止めなかったもので臨床成績、X線評価をチェック。可能であれば前向き無作為研究ができるとJBJSも目指せそうですね。

はじめに
本研究の目的は、足関節後果のはたす影響について検討をおこなうことである。今までにしっかりとした科学的な裏付けなしに、1940年代から足関節後果の治療は行われてきた。
方法
12体の屍体をもちいた研究。三果骨折を作成し、内固定を行った。後果を止めた群(1群)と、止めない群(2群)とに分けた。関節内の圧を測定した。
結果
骨折することで、足関節の接触面積は減少した。骨接合をおこなうことで接触面積はほとんどもとのレベルにまで戻った。後果を固定した群で接触圧は有意に減少した。足関節の背屈運動で、荷重中心は2群では後方に、1群では前方に移動した。圧によって破綻するかどうかを調べた研究では二群間に差を認めなかった。
結論
25%以下の小さな後果骨片では、手術をおこなうことで圧力分布は改善するが、足関節の不安定性に影響を与えない。

2018年2月16日金曜日

Facebookページ作ってみました

少し気分を変えて、Facebookページを作ってみました。
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20180216 J arthroplasty Early Failure of Primary Total Hip Arthroplasty: Is Surgical Approach a Risk Factor?

J arthroplastyから。
THAに対するアプローチの違いによって術後早期の合併症に違いがあるか?という論文

THAでは様々なアプローチが開発されているが、その早期合併症についてはいまだ不明な点が多い。本研究の目的は各種アプローチでの初回THAにおける周術期合併症について検討することである。
方法:後ろ向き研究。High volumeセンターでの2007年から2014年までの初回THAが行われた。THAは手術ごとに分けて検討を行った。前方アプローチ(DAA)と後方アプローチ(PA)に分けて検討した。5年以内の早期再置換の有無をPrimary エンドポイントとした。
結果:6894例のTHAが7年間に行われた。DAA 2431例、PA 4463例であった。103例に対する再置換術が行われた。DAAとPAでの全体の再置換率はDAAが1.69%、PAが1.39%で有意差を認めなかった。大腿骨コンポーネントに関してはDAAのほうがPAよりも早期の再置換が多かった。DAAが35%なのに対してPAが8%出会った。早期の合併症はDAAではDorrAに多かった。PAでの再置換は不安定性に対して行なわれていることが多かった。寛骨臼側の緩み、骨折、感染においては両群で差を認めなかった。
結論 DAAでは大腿骨側コンポーネントのゆるみが原因となるのに対し、PAでは後方不安定性が再置換の原因となった。アプローチ間で統計学的な有意差は認めなかった。

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アプローチごとの早期合併症についての検討。
各種アプローチについては、臨床成績にはそれほどの差がでないので、その特徴を捉えてしっかりと習熟をする必要がある。というのが最近の僕の意見です。
DAAでの大腿骨操作は確かに慣れを必要とする。ということなのだと思います。
新しいアプローチがでたからと言ってすぐに飛びつくのではなく、手練のもとで研修を行い。カダバーで練習し、一度手練についてもらって自分で執刀し、症例を選んで新しいアプローチを開始するといった順序は必要でしょう。


2018年2月15日木曜日

20180215 Injury Risk factors of fixation failure in basicervical femoral neck fracture: Which device is optimal for fixation?

2018年初めての投稿ですね。怠っていてすいません。

2015年頃からナナメ読みと言いながらだいぶ真面目に読んでいましたので、更新速度が遅くなるというデメリットを抱えていました。
2018年はしばらくホントにナナメ読みして、興味があるものを深読みするスタイルに変更します。Facebookにもページを作って、そちらにリクエストが有った場合には深読みします。
興味があってその内容を深く知りたい!というときにはFacebookのナナメ読みのページまでご連絡ください。深読みします。笑

2018年初めての投稿は外傷の老舗 Injuryから

中国の論文です。
大腿骨頚基部骨折は珍しい骨折形態であり、その固定が不安定になることがある。本研究の目的は頚基部骨折の破綻の割合を調べることと、破綻に関連する因子について検討することである。
方法
方法は後ろ向き研究。2003年から2016年の間に手術した3217人の患者のうち大腿骨頚基部骨折と診断された77名。69名が12ヶ月間のフォローが可能であった。まず、破綻した割合を検討し、多変量解析を行い破綻に関わる因子の検討を行った。
結果
69例中17例、24.6%で破綻を認めて、8.6%で再手術が行われた。SlideingHip Screwを使用すると、骨折部の圧潰や、固定部の破綻の独立した因子となった。
結論
Sliding hip screwで固定した場合には、Nailと六角形のBradeで固定する場合よりも破綻率が有意に高かった。頚基部骨折にはSliding hip screwよりもNailのほうが推奨される。

後ろ向き研究です。ひと目でNが多そうに見えますが、実は大したことない。みたいな。笑
13年でこれくらいの症例数であれば、日本でも積極的に股関節骨折を取り扱っている病院でも同じ検討ができるのではないでしょうか。
なぜ六角形のブレードがいいかは深読みしないとわからんす。