2018年6月16日土曜日

20180616 CORR Do Patients Live Longer After THA and Is the Relative Survival Diagnosis-specific?

背景:人工関節置換術は、疼痛、動作の改善、QOLを可能とする。しかしながら、THAが生命予後を伸ばすかどうかは不明である。また診断、社会経済的問題、手術の要素がどのように影響するかも不明である。

臨床上の問い:1)年齢と性別を調整したあとに、一般人口よりもTHAを受けた人が生命予後を伸ばすことができるのだろうか。2)患者に関連した背景因子を調整したあとに、スウェーデンで行われたTHAで疾患別の違いがあるかどうか

方法:スウェーデンの国家レジストリーを用いた研究。1999年から2012年までの間に行われた131,808例のTHA。21,755例がフォロー中に死亡した。患者、手術の要素と社会経済的要因を検討。スウェーデンの統計と比較してTHAの患者の生存率を計算した。

結果:THAをうけた患者は一般人口よりも術後10年での生存率が改善した。術後1年では期待生存率は1%上昇していた。5年では3%上昇していた。10年では2%で、12年で変わらなかった。一般的なOAと、小児期からの変形の場合は違いを認めなかった。ONFH、炎症性関節炎、続発性関節症では生存率は低かった。合併症などは生存率と負の相関を認めた。低い教育レベル、また独居も同様に負の関係を認めた。

結論:THAの生存に関わる影響は術後10年間は認められた。特にOAの患者においてその傾向があった。手術が社会経済活動に与える影響についての検討が更には求められる。


<論評>
OAの患者は一般人口よりも死亡率がたかいとする報告がありますから、THAによって改善が得られれば改善するのかなあと漠然と思っていましたが、それを明らかに下研究です。
社会経済的な要因にも目を向けると今までと違った見方ができるかもしれません。

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