2018年2月21日水曜日

20180221 JBJS Am Intermediate-Term Hip Survivorship and Patient-Reported Outcomes of Periacetabular Osteotomy: The Washington University Experience

アメリカの骨切りといえばClohsyさんのところですが、そのClohsyさんのところからの報告。骨切りのPatiented reported outcomeの中期成績。
骨切りの長期成績とその危険因子については、日本からの優れた報告が多数あり、2013年から2014年にかけてJBJS am、CORRなどに掲載されています。(兼氏先生、安永先生、内藤先生、長谷川先生の報告)。危険因子についてはJOA、BJJに天野先生が重み付けをしたうえでの報告を行っていますのでそちらを参考にされても良いのかもしれません。


背景
Berneseの骨切り(PAO)は症状のある寛骨臼形成不全に対してTHAのかわりとして行なわれる手術である。今まで中長期の成績は報告されていない。本研究はPatient reported outcomeをもちいて成績を評価することである
対象と方法
1994年から2008年。PAOが行なわれた206例238股関節。62例は古典的な寛骨臼形成不全ではないと診断され、22例はフォロー不能となった。129例154関節。術後10.3年のフォローアップ。THAをエンドポイントとしてKaplan Meier曲線を飼いた。UCLAスコア、HHS、WOMCスコアを同時に取得し、WOMACのpainスコアが10点以上、HHSが70点以下となった場合には症状のある関節とした。
結果
15年生存率は92%出会った。8関節(5%)がTHAに置換された。THAまでの期間は6.8年±5.2年であった。24関節、16%が症状のある関節となった。122関節はTHAにならず、症状も出現しなかった。術後10年の時点でのUCLAスコアは7.7点。WOMACのサブスケールは1.2点であった。関節適合性が悪いこと、CE角が38度以上であることが成績不良因子であった。頚部の骨形成をおこなった症例では破綻率が低下した。
結論
間接的合成の不良、寛骨臼のかぶせ過ぎは成績不良因子となりうる。頚部の骨形成は術後可動域に有効で破綻の可能性を減少させる。

2018年2月20日火曜日

20180220 JBJS Am Low Prevalence of Hip and Knee Arthritis in Active Marathon Runners

JBJS Am からの報告。
変形性股関節症、変形性膝関節症(以下OA)の進行と関連する因子として性別、年齢、肥満、家族歴、労働環境などが言われています。
ジョギングなどのスポーツは関節にかかる力が歩行時の2から3倍になるとする報告があることから、過度な運動は変形性関節症のリスク因子として今まで考えられてきました。
本研究はフルマラソンを5回以上経験し、週に10マイル(16km以上)走る人を対象とした横断の観察研究です。この結果ではマラソンはOAの進行と関連しない。と筆者らは結論付けています。
そもそも、週に10マイル走る人は痩せていて、外傷歴とかもないでしょうしね。。。いわゆる選択バイアスそのもの何じゃないかと思います。苦笑。筆者らも書いていますが、今後の経過観察が必要と言っていますが、そのとおりだと思います。ちなみに2000年ごろにLaneさんが同様のコホート研究を行い、運動は危険因子である。と報告していますので興味がある方は一度並べて読まれると良いかと。
以下抄録

はじめに
マラソンが変形性股関節症、変形性膝関節症と関連するかという確固たるエビデンスはない。本研究の目的はマラソンランナーを対象として股関節症、膝関節症の状態について調査をおこなうことである。
方法
5回以上のフルマラソンの完走歴があり、最低10マイル/週走っているマラソンランナー675名を対象とした。疼痛、家族歴、手術歴、走行距離、マラソンの記録、現在走っているかについて調査。多変量解析を行い疼痛と関節症の存在についての独立した危険因子を抽出。対象はアメリカの国立センターに保存されている一般住民とした。
結果
平均年齢48歳。週に最低36km走っている。それを平均19年間継続していいた。平均。76回のマラソン完走歴があった。股関節痛、膝関節痛が47%に認められる一方、関節症変化は8.9%に認められた。これはアメリカの一般住民の関節症の有病率17.9%よりも低かった。年齢、手術歴が独立した危険因子である一方、歩行距離、時間、頻度は危険因子ではなかった。
結論、年齢、家族歴、手術歴はマラソンランナーにとってOAの危険因子となり得た。一方マラソンの頻度、強度はOAと関連しなかった。OAの頻度はアメリカの一般住民と異なっていた。今後は長期間にわたるフォローアップが必要であろう。


2018年2月19日月曜日

20180219 BJJ An interobserver reliability comparison between the Orthopaedic Trauma Association's open fracture classification and the Gustilo and Anderson classification.

BJJから。

開放骨折の評価であるGustilo分類、OTA-OFC分類は、検者間誤差が大きいよ。というお話。
κ値が0.5以下である評価ばかりなので、かなりちがっている。という結論になります。
これならこの論文に書いてある写真、病歴から機械学習を行なわせてAiに判断させたほうがいいんじゃないかと思います。

目的
本研究の目的は整形外科外傷学会の開放骨折分類システム(OTA-OFC)の検者間の信頼性を明らかにすることである。
対象と方法
長管骨の開放骨折をきたした患者。レントゲン写真。創部のレントゲン写真、短い病歴を8人の整形外科医に見せ、それぞれ独立してGustilo分類とOTA-OFCを行った。κ値で評価を行った。
結果
検者間一致率はGustilo分類で0.44、OTA-OFC分類で0.49であった。それぞれ中程度の一致率であった。OTA-OFC分類の下位項目である皮膚は0.55、筋肉は0.44、血管損傷は0.74,コンタミネーションは0.35,骨欠損は0.41であった。
結論
OTA-OFC分類はGustily分類と同じ程度の一致率であったが将来的にはもっとしっかりとした信頼性のあるツールを作成する必要がある。

2018年2月18日日曜日

20180218 BJJ The impact of external fixation on mortality in patients with an unstable pelvic ring fracture: a propensity-matched cohort study.

BJJから。
日本の外傷レジストリーをもちいた傾向スコアマッチングをもちいた骨盤骨折の治療についての論文。
創外固定は比較的容易な手技でおこなうことが出来ます。骨盤骨折のような高エネルギー外傷が運ばれてくるような施設では今後必須になると思います。
外傷のデータベースあってこそのこの研究。このデータベースを構築された救急の先生方のお仕事に敬服いたします。整形外科の他の分野も見習うべきだと思います。

抄録
目的
創外固定が死亡率を減らすかどうかというエビデンスはない。日本の外傷データベースをもちいて不安定骨盤骨折を抽出して、他の外傷からの出血を除いて、創外固定が死亡率に関与するかを調べること
対象と方法
1163名の不安定性骨盤骨折の患者。創外固定をもちいられて治療された群386名と創外固定なしで治療された777名。単独の骨盤骨折かどうかはAISをもちいて、AIS<3 p="">結果
346名の患者がマッチした。マッチさせると創外固定群は有意に死亡率を減少させた。また輸血良、大量出血の有無に関しても有意に低くなった。
結論
不安定性骨盤骨折に対する創外固定は患者の死亡率を低下させる。


2018年2月17日土曜日

20180217 BJJ The role of a small posterior malleolar fragment in trimalleolar fractures: a biomechanical study.

BJJから。

足関節三果骨折における後果骨折の骨片は1/4より大きければ骨接合をおこなうと古くから言われて来ましたが、本当にその4分の1にエビデンスがあるかを調べた論文。
Biomechanicsですので、一概に全部の結果を受け入れられるわけではないですが、常識だと思っていることでも疑って調べてみると面白いよ。という論文。
今後自分であれば、後ろ向き研究で後果を止めたものと止めなかったもので臨床成績、X線評価をチェック。可能であれば前向き無作為研究ができるとJBJSも目指せそうですね。

はじめに
本研究の目的は、足関節後果のはたす影響について検討をおこなうことである。今までにしっかりとした科学的な裏付けなしに、1940年代から足関節後果の治療は行われてきた。
方法
12体の屍体をもちいた研究。三果骨折を作成し、内固定を行った。後果を止めた群(1群)と、止めない群(2群)とに分けた。関節内の圧を測定した。
結果
骨折することで、足関節の接触面積は減少した。骨接合をおこなうことで接触面積はほとんどもとのレベルにまで戻った。後果を固定した群で接触圧は有意に減少した。足関節の背屈運動で、荷重中心は2群では後方に、1群では前方に移動した。圧によって破綻するかどうかを調べた研究では二群間に差を認めなかった。
結論
25%以下の小さな後果骨片では、手術をおこなうことで圧力分布は改善するが、足関節の不安定性に影響を与えない。

2018年2月16日金曜日

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20180216 J arthroplasty Early Failure of Primary Total Hip Arthroplasty: Is Surgical Approach a Risk Factor?

J arthroplastyから。
THAに対するアプローチの違いによって術後早期の合併症に違いがあるか?という論文

THAでは様々なアプローチが開発されているが、その早期合併症についてはいまだ不明な点が多い。本研究の目的は各種アプローチでの初回THAにおける周術期合併症について検討することである。
方法:後ろ向き研究。High volumeセンターでの2007年から2014年までの初回THAが行われた。THAは手術ごとに分けて検討を行った。前方アプローチ(DAA)と後方アプローチ(PA)に分けて検討した。5年以内の早期再置換の有無をPrimary エンドポイントとした。
結果:6894例のTHAが7年間に行われた。DAA 2431例、PA 4463例であった。103例に対する再置換術が行われた。DAAとPAでの全体の再置換率はDAAが1.69%、PAが1.39%で有意差を認めなかった。大腿骨コンポーネントに関してはDAAのほうがPAよりも早期の再置換が多かった。DAAが35%なのに対してPAが8%出会った。早期の合併症はDAAではDorrAに多かった。PAでの再置換は不安定性に対して行なわれていることが多かった。寛骨臼側の緩み、骨折、感染においては両群で差を認めなかった。
結論 DAAでは大腿骨側コンポーネントのゆるみが原因となるのに対し、PAでは後方不安定性が再置換の原因となった。アプローチ間で統計学的な有意差は認めなかった。

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アプローチごとの早期合併症についての検討。
各種アプローチについては、臨床成績にはそれほどの差がでないので、その特徴を捉えてしっかりと習熟をする必要がある。というのが最近の僕の意見です。
DAAでの大腿骨操作は確かに慣れを必要とする。ということなのだと思います。
新しいアプローチがでたからと言ってすぐに飛びつくのではなく、手練のもとで研修を行い。カダバーで練習し、一度手練についてもらって自分で執刀し、症例を選んで新しいアプローチを開始するといった順序は必要でしょう。