2019年1月13日日曜日

20190113 CORR To Improve Your Surgical Drilling Skills, Make Use of Your Index Fingers

背景と目的
手術のテクノロジーは年々進化しているものの、手術は未だに経験のある術者による手技によるところが多い。ドリリングの技術向上についての報告は今までなく、両手の人差し指を用いることでドリリングの正確性が向上すると考えた。本研究の目的は、反対側の骨皮質に人差し指を置くとドリリングの正確性がますか?またこのテクニックを用いるとどの術者での技術が向上するかを検討した。
方法
研修病院にいる36人を対象とした。それぞれ手術経験によって12人ずつのグループに分けた。全く経験のないグループ、レジデント、上級医の三群である。参加者は病院外でのドリル使用がないことを確認した。4つの状況について検討を行った。(1)ドリルをグー
で握って反対の手を使わないもの(2)ドリルを人差し指を出して握って反対の手を使わない(3)グーで握って反対の人差し指を目標にするもの(4)人差し指を出して握って反対側の人差し指を目標とするものの4パターンを試した。参加者は普段は(1)手技を行っていた。被験者は各方法について5回ずつ行い、1ヶ月後に同様のテストを繰り返した。ターゲットポイントからドリルの出た穴との距離の違いを平均した。
結果
(3)と(4)が(1)と(2)よりも有意に正確にドリル穴を開けることができた。
上級医は経験のないフループ良いrもより正確にドリル穴を開けることができた。
結論
反対側の骨皮質に指をおくことができるのであれば指をおいてドリリングしたほうが正確なドリリングが可能となる。経験の有無はドリルの正確性に影響する

<論評>
自分は足関節外果骨折のときとかには、自然に人差し指をおいてドリリングしていたような気がします。そうするほうが良かったんですね。笑
ドリルの持ち方では有意差が出てませんので、好きな形で持てばよいのでしょう。笑

2018年12月23日日曜日

20181223 CORR No Increase in Survival for 36-mm versus 32-mm Femoral Heads in Metal-on-polyethylene THA: A Registry Study

背景 
32ミリ骨頭がTHAでは標準となりつつある。そして36ミリ骨頭の使用も増加している。しかしながら32ミリ骨頭と36ミリ骨頭のいずれが28ミリ骨頭と比較してTHAでの再置換のリスクを減少させるかはわかっていない 北欧の国家レジストリーを使用。メタルオンポリエチレンTHAで28ミリ、32ミリ、36ミリ骨頭のいずれの患者が再置換が多いかを検討した。 同一レジストリー内で、骨頭を大きくした場合の脱臼の危険性は減少するかの検討を行った。
方法 
デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンのレジストリーを統合したレジストリーを用いた。28ミリ、32ミリ、36ミリで人工股関節が行われたものが用いられた。2003年から2014年までのデータ。デュアルモビリティがもちいられた患者は除外された。186,231例の検討。全患者の366,309股関節の半分が該当した。101,094例の患者が28ミリ骨頭、57,853例の患者が32ミリ骨頭、27,284例の患者が27,284例の患者が36ミリ骨頭が用いられていた。あらゆる理由による再置換術をエンドポイント。脱臼による再置換をセカンダリーエンドポイントとして用いた。ほとんどの患者のフォローアップが可能であった。THAの生存率をカプランマイヤー方で計算した。32ミリ骨頭を基準として28ミリ、36ミリ骨頭との比較を行った。
結果
コックス回帰分析において、28ミリ骨頭と32ミリ骨頭の愛大に再置換率の違いがない一方、36ミリ骨頭では再置換のリスクが高くなった。(HR1.14)。28ミリ骨頭の患者は32ミリ骨頭の患者よりも脱臼リスクが高かった。(ハザード比1.67)。一方32ミリと36ミリ骨頭の間には脱臼リスクの違いは認めなかった。
結論
交絡因子を調整すると、再置換という点では28ミリと32ミリ骨頭の間には違いを認めなかった。しかしながら32ミリのほうが脱臼リスクは低く、よりよいオプションと考えられた。32ミリ骨頭と36ミリ骨頭を比較した場合には、脱臼率が低下しないだけでなく、32ミリ骨頭よりも何かしらの理由による再置換率が増加することがわかった。32ミリ骨頭の使用がメタルオンポリエチレンTHAでは最も安定しているものと考えられた。

<論評>
国家レジストリーを用いた骨頭径による再置換率の違いです。
ポリエチレンライナーの改善により、薄いポリエチレンライナーを用いることが可能となり、手術の際に大径骨頭が選択されることが増えてきたと思います。
今回の結果で衝撃的なのは36ミリ骨頭のような大径骨頭とすると何かしらの原因による再置換が増加していると言うことです。ただ、この原因は無菌性のゆるみによるものだそうです。なぜ無菌性のゆるいが増えたかまでは本研究ではわかりません。
28ミリ骨頭の使用が圧倒的に多いのも結論に影響している可能性はありそうです。たくさんの示唆に富んだ良い論文だと思います。

2018年12月2日日曜日

20181202 OTSR Is there a role for femoral offset restoration during total hip arthroplasty? A systematic review

THAにおいてfemoral offsetを確保することは、摺動面Wearの減少、インプラントルースニング、脱臼と関連すると言われている。オフセットを変えることのできるModularネックステムは接合部での腐食が問題となり、ときに破壊的な問題を引き起こすことがある。femoral offset を確保することの効果を実証した論文やModularネックステムを積極的に用いたほうが良いかのエビデンスが必要である。本研究では1)摺動面のウエアとfemoral offsetの関連 2)インプランのゆるみとfemoral offsetの関連、3)脱臼とfemoral offsetの関連についてシステマティックレビューを行った。これらについての論文を抽出。10編の論文が抽出された。femoral offset とポリエチレンのゆるみとの間には優位な相関が認められた一方、脱臼とインプラントのゆるみとの間には相関を認めなかった。Hard on Hardの摺動面の使用、またはハイリークロスリンクポリエチレンの使用によってFemoral offsetを確保することの優位性は失われる。また台形骨董の使用によってモジュラーネックを使用することでのfemoral offsetの確保の重要性は減少する。筆者らはTHAにおいてfemoral offsetを確保することの臨床的な意義を見いだせなかった。筆者らはModularネックをもちいてまでのfemoral offsetの再建の必要はないと考える。 Introduction femoral offsetは股関節のバイオメカニカルな再建に必須の項目である。femoral offset(FO)は大腿骨髄腔を通る線と大腿骨頭中心を通る垂線の距離で表される。FOは中殿筋のモーメントアームとも関係しており、中殿筋の筋力、歩行とも関連する。体重と外転筋の力点の中心となり、関節にかかる力は股関節中心から分散することがわかっている。 古くからあるものブロックのステムでは、三分の二の症例で適切なFOを再建できなかったという報告がある。また、生来のFOというのはバラエティに富んでいる。そのために外側にオフセットをもったステムが開発された。modularステムはこのような力学的な問題を解決することができるかもしれない。Modularステムは術中にオフセット、前捻、脚長をステムサイズから独立して補正することが可能である。FOの確保も可能である。しかしながらModularステムが本当に股関節の力学的環境を再建できるかどうかは現在議論されている。オフセットを正常に近づけることで理論的な優位性はあるものの、実際には嵌合部の腐食が問題となるとする論文が散見される。 バイオメカニカルの観点で、FOの確保が重要であることは明らかであるが、まだ十分検討されたとは言い難い。本研究の目的は摩耗、インプラントの緩み、脱臼率についてFOとの関連を調査した。 方法 論文を検索し、1086篇がまず抽出。症例対照研究を対象とした。48篇が残った。その後内容を精読し10篇の論文を抽出した。 結果 FOと摩耗 3篇の論文があった。FOが再建されているもののほうが優位に摩耗量が少なかった。 FOと脱臼 5篇、1830例の検討。FOと脱臼はほとんど関連しなかった。 FOとインプラントルースニング 2篇の論文。FOとの関連を認めなかった。 考察 歴史的にFOの重要性は言われ続けている。FOと中殿筋の関連についても議論の余地はない。Modularステムによってより正確に股関節の力学的環境を再建できるようになった。前捻の調整はモノブロックステム(ワグナーコーン)でも可能であるので、Modularの優位性はFOの再建である。しかしながら、臨床的にFOを再建するメリットがステム嵌合部の腐食よりもまさることが明らかとされなければならない。本研究ではFOを確保することは摩耗には効果があったものの、脱臼やインプラントの緩みには影響しないことが示された。 本研究ではいくつかのLimitationがある。RCTがない。論文感の異質性が高い。 最近のHighlyクロスリンクポリエチレンの登場によってFOを確保することの意味がまた変わってくるのかもしれない。 本研究からはFO確保の臨床的な意味を十分には見いだせず、FO確保を理由としたModularステムの使用はあまり進めることができないと結論する。

2018年11月11日日曜日

20181111 J arthroplasty Feedback From Activity Trackers Improves Daily Step Count After Knee and Hip Arthroplasty: A Randomized Controlled Trial

背景
手首に装着するタイプの活動量計が一般的にも受け入れられつつある。本研究の目的はそういった活動量計がTHAまたはTKAの術後の活動量を改善するかどうかを検討することである。
方法
163例のTHAまたはTKAを行った患者を無作為に2群にわけた。歩数が表示される活動量計を表示を隠して術前に2週間測定し、同時に患者立脚型評価を取得した。術後1日の段階でフィードバックグループ(FB)とフィードバックしないグループ(NFB)の2群に割り付けた。FB群では毎日歩数が表示され、一日の目標とどれくらい乖離しているかの情報が与えられた。NFB群では2週間表示が隠されたままで、その後も歩数は見えるものの実際の目標は不明な状態とした。平均歩数は1,2,6週と6ヶ月の段階で取得し、6ヶ月の段階での患者立脚型評価を取得した。
結果
95例のTHA、68例のTKAが対象となった。FB群はNFB群に比べて全ての時系列の段階で優位に歩数が多かった。術後6週間の段階ではFB群は7000歩歩いており、これはNFB群の1.7倍であった。術後6ヶ月の段階での患者立脚型評価では差を認めなかった。術後の満足度にも差を認めなかった。術後6ヶ月の段階で70%の患者が術前の状態まで改善した。
結論
一般的に売られている活動量計を装着し、目標設定をすることで術後6週、6ヶ月の段階での活動量が多くなった。人工関節術後にこういった活動量計を装着することには意味があるのだろう。

<論評>
アップルウオッチも新しくなり、また廉価なスマートウオッチがたくさん発売されています。この紹介するやつとかは3999円ですものね。お手軽に手に入るようになりました。
どのように目標設定したかはこの論文からはわかりかねますが、ただあるきなさいよ。と指導するよりは具体的な指導となるのでよりよいのかもしれませんね。


2018年10月15日月曜日

20181007 CORR What Markers Best Guide the Timing of Reimplantation in Two-stage Exchange Arthroplasty for PJI? A Systematic Review and Meta-analysis

背景 
人工関節感染にて二期的再置換を行う際に適切なバイオマーカーはなにかということについてのコンセンサスはない。
目的
感染性人工関節の二期的再置換で人工関節再置換の最も適切なタイミングを検討すること
方法
MEDLINE、Cochraneなどのデータベースから論文を抽出。THA,TKAについて感染後の再置換について報告された論文について抽出。12論文が最終の検討に残った。1047例の検討。4論文が再置換の際のバイオマーカーについて、12論文全てで、ESR、CRP、白血球数がカウントされていた。また関節液のグラム染色、細菌培養、超音波にて破砕したあとの細菌培養、関節液中の白血球数、好中球数、組織のグラム染色、組織培養、骨シンチなどが各論文で検査として行われていた。これらについてQUADAS2を用いてメタアナリシスを行った。
結果
組織培養が感度0.82、特異度0.91で最も高かった。関節液中の白血球数、関節液培養はそれぞれ感度0.77,特異度0.74。感度0.64、特異度0.96と補助的な検査として位置づけられた。その他の感染の指標としてESR、CRP、関節液中の白血球数は感度0.56、特異度0.60、感度 0.53、特異度0.72、感度0.37特異度0.49とその意義が少ないものもあった。
結論
メタアナライシスの結果感染の診断にはいくつかのマーカーを組み合わせて行うのが基本であると考えられた。更に多数の検討が望まれる。

<論評>
人工関節置換術後に何を基準として再置換したほうが良いかは議論があります。一般的には二期的再置換であれば抜去後6から8週間経過したあとに、血液検査でCRP陰性。かつ穿刺して陰性であれば許されるようなところはあると思います。
このようなメタアナライシスは有用なのでぜひ今後もあると良いと思います。

2018年10月4日木曜日

20181004 JBJS Radiographic and Clinical Outcomes of Porous Titanium-Coated and Plasma-Sprayed Acetabular Shells: A Five-Year Prospective Multicenter Study.

背景
セメントレスインプラントの材質については様々な新しい材質が導入されている。本研究の目的はセメントレスカップにおいて、今まで使われていたプラズマスプレー(PS)とポーラスコーティング(PTC)の比較を行うことである。
方法
他施設共同前向き研究。191例のPTC。189例のPS。5年間のフォローを行いレントゲン写真、患者立脚型による評価を行った。0.5ミリのギャップを認めたものをギャップと定義した。
結果
術後のギャップについては、PSのほうがPTCよりも高頻度に認められた(40%対24%)が、5年の経過でPSのギャップが5%のみの残存にもかかわらずPTCでは56%の症例で残存した。5年後のレントゲン写真での評価ではPSでは5%の患者しか透過線が生じていないのにもかかわらず、PTCでは23%の患者にレントゲン写真での透過線が生じた。カップの再置換はなかった。PTCカップであることは患者の疼痛残存の有意な説明因子となった。
結論
PTCは患者の痛み、5年後のレントゲン写真での透亮像の発生などがPSよりも多かった。今後の慎重なフォローを必要とする。

<論評>
先日アメリカまで某社のカスタマーミーティングに出席してきました。
某社は現在日本で発売されているHAコーティングのセメントレスカップにかえて新規にPTCを発売するということでした。
こういった3Dポーラスのセメントレスカップではラジオルーセントラインが出やすいカップがありますし、新しい材質だからよいというわけではないというよい論文だと思います。


2018年9月30日日曜日

20180930 What’s New in Hip Replacement 3

VTE
多施設での無作為割付研究。3,424例のTHAまたはTKA患者。イグザレルトを内服。アスピリン内服群との間で有意差を認めず。
メイヨーからの報告。VTEの既往がある患者でもトランサミンについてはVTEのリスクを高くすることはない。
THAの患者で心房中隔欠損がある場合には脳梗塞のリスクが29倍となる。

急性腎障害
近年腎障害についての報告が散見される。メイヨーからの報告。10323例のTHA患者で1.1%の患者が術後急性腎障害をきたしていた。高齢、男性、慢性腎不全、心不全、糖尿病、高血圧が危険因子として抽出された。
一期的再置換の際に抗生剤の使用、セメントスペーサーの使用も急性腎障害のリスクとなることがわかった。
このような腎障害にたいしての臨床上のプラクティスが今後必要になるかもしれない。

尿道カテーテル
脊椎麻酔はTHAの早期退院に伴ってその割合が増えている。尿老カテーテル留置は術後の過剰輸液の原因となっているとする報告がある。

退院時の状況と合併症
アメリカでは30日、90日以内の再入院の率が4%、8%となっている。人工関節置換術後の患者の殆どが独居で生活している。ただしこれらの患者は在宅での支援をほとんどが受けていた。

今後のトレンド
コンピュータナビゲーションとロボット
THA支援コンピュータまたはロボットは5,2%まで増加している。ロボットもナビゲーションも同様に安定した成績と報告されている。

外来THAと同日THA
外来THA患者のほうが入院患者THAよりも予後が良かったとする報告があるが、これは患者のセレクションバイアスによるものであろう。ただし、健康な患者であれば手術当日の退院でも再入院や再手術のリスクを高くしないとする報告もある。

疼痛管理
現在のところ周術期の疼痛管理についての一定の見解はない。局所ブロックのほうが全身疼痛管理よりも有用であるというレビューがある。
局所麻酔薬の内容をどうするかということについても現在検討中である。