2017年6月26日月曜日

20170626 CORR Does N-terminal Pro-brain Type Natriuretic peptide Predict Cardiac complication after fracture surgery

最近のJBJSなどは、どうも症例数に偏りがあったり、また実際の診療に結びつかないようなCutting edgeな報告が多かったのでゲンナリしていました。

そんな中で、これなら自分でもやれるんやないか!と思えるような論文を見つけましたのでご紹介。

本日ご紹介する論文はCORRから。
浜松医大のグループからの報告です。以前、この論文の基軸となる内容は、数年前の中部整災で発表されておられたと思います。中部整災で報告された内容を、Brush UP され、英文化されたことが素晴らしいと思います。
論文のMaterial and Methodのところも充分に詰めておられ、今後こういった論文を書こうとする方の見本になるのではないかと思います。

もし、僕がこの論文の著者であるならば、このまま前向きにBNP高値群と低値群での生命予後を調べてもう一本書きますね。もし筆者の先生がこのブログを読んでおられましたらご検討ください。

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BNPは大腿骨頸部骨折術後の心血管イベントの予測因子となりうるか。という報告です。

大腿骨頸部骨折を起こした高齢者では心疾患合併症が起こることがある。BNPがこのような心疾患の予測因子となりうるかを検討した。
450例の大腿骨頚部骨折患者。最終的には328例の患者を対象とした。術前にBNPを測定。術後14日以内に心血管イベントを起こしたかどうかを検討した。ロジスティック回帰分析を行い、またROC曲線をかいてカットオフ値を明らかとした。
心血管イベントを起こした患者のBNP値は起こさなかった群よりも有意に高かった。ROC曲線を書いてカットオフ値を求めたところ600pg/mlとなった。AUCは0.87であった。
ロジスティック回帰分析でBNPは心血管イベントの独立した危険因子であった。

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非常によくまとまっているので抄録だけといたしました。
是非一読されることをおすすめ致します。